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メールマガジン技術士合格への道 2010年 第8回
必ず合格できる 技術士二次試験合格講座
― 面白いほど合格できる直前テクニック その4 ―
出題された問題のテーマについて知識に自信がないため、出題者の要求にぴったりの答えを考えずに、自分が知っている他の知識を中心に、とにかく書まくってしまう・・
というもの、つまり不安の気持ちから「自爆」してしまうことです。
最後まであきらめずに、正解を追及してください。試験当日の心理状態はとても苦しいものです。その雰囲気に負けて思考を止めたら勝つ試験も勝てません。落ち着いて普段の練習の成果、すなわち、
項目のタイトル、あらすじ(下書き)を書いてから答案の清書をしてください。これだけで必ず合格率は上がります。
問題を予想しても、ピッタリ一致することはありません。その時には、記憶した答案ではなく、新規にご自分の考えを組み立てねばなりません。それに最適なのが、この下書きによる書き方です。
このメールマガジンではこれまで講座の指導で確認された、実戦的なノウハウを公開して、出来るだけたくさんの方の合格を支援したいと考えています。
1.はじめに
技術士合格への道研究所では「誰でも必ず合格できる」指導を目指して
コンピテンシー理論+コーチング指導
を実践してきました。詳しくは次のページをご覧ください。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#conptency
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#couching
さて、このメールマガジンでは、技術士二次筆記試験の直前対策として、今年の指導で判明した「面白いほど合格できる直前テクニック」を5回シリーズでお送りしています。今回はその4回目です。
その1 問題、課題、解決策の考え方は技術者の必須能力(論理性)
その2 留意点とは経済性などを高めるテクニック(品質管理)
その3 専門キーワードは専門家の思考様式(概念的思考)
●その4 専門技術による解決策(提案力)
その5 モレ・ダブリのない整理(体系的思考)
なお、これらの成果はこれから開催される無料セミナーでも公開していきたいと考えております。関心ある方はぜひご参加ください。直近では、7/31(土)に予定しております。
http://www.gijutsushi1.com/article/13748482.html
2. 専門技術による解決策(提案力)
技術士筆記試験の問題文で必ず求められるのが「解決策」です。これは「対策」、「対応策」、「あるべき姿」などの形で求められることがあります。
こうした「解決策」で試験官が計ろうとしているのは専門分野の技術の応用力であり、結果としての提案力です。しかしながら、こうした「解決策」が上手に書けないケースがあります。その原因を分析してみました。すると重大な減点(一発で不合格)となる恐れのあるものから、小さな減点で済むものまで列挙することができました。
(1)対象とすべき技術以外の事項を取り上げている(要注意)
(2) 問題の要求に対して答えの幅が狭すぎる(要注意)
(3) 当たり前のことを述べ(評論し)ている
(4) 方法論中心、マニュアル的で方針、考え方が見えない
(5) 前置き長い、心構え、調査、検討を重視するが本題は今一
(6)自分の考えがない、専門家頼み
これらについて説明していきましょう。
3.1 対象とすべき技術以外の事項を取り上げている
「解決策」での要求事項で最大のものが専門分野の技術の応用力や技術的な提案力です。しかし、その時に対象とすべき技術以外の事項を取り上げていたとしたら、失望感から一発で不合格となるような減点となる危険性があります。例えば、
建設部門トンネル科目の試験でトンネルの地山計測の課題を問われた時に、計測の合理化や自動化を課題とした場合(非本質的事項)
建設部門必須科目の地域の活性化の対策として、耕作放棄地の利用による農業振興を提案した(他分野の技術)
環境部門環境計測科目で分析の(一般的な)必要項目を求められたのに、自分の体験(特殊ガス測定のしかた)を中心に書いてしまった(特殊例)
これらが何故いけないかわかりますか。要求されている事項に対して、答えていないか、または答えの方向性を誤っているからです。
解決策では問題を確実に解き得る専門技術がコンピテンシーの指標となりますが、それが要求されている問いに答えていなければコンピテンシーとしてはゼロ、誤った方向に答えていればマイナス評価となります。
3.2 問題の要求に対して答えの幅が狭すぎる
これは前述の「対象とすべき技術以外の事項」に比べたら程度は良いですが、そのとらえ方が小さすぎるということで、いずれにせよ不十分という結果となるものです。この例としては、
建設部門必須科目 地球温暖化対策として中山間の耕作放棄地耕作及び低炭素の目的で簡易モノレールを提案する(効果小さい)
建設部門コンクリート科目 橋梁の維持管理、長寿命化対策として橋梁下部の仮設吊り足場を常設として提案する(技術難度が低い)
これらは要求されている事項に対して、効果はないとはいえないものの、効果が小さいか、技術的には提案しても意味がないということから、やはり減点の危険性があります。
3.3 当たり前のことを述べ(評論し)ている
専門的対処が必要な課題に対して、対策として一般的な対応手法・姿勢を挙げるのにとどまっているケースがあります。専門的な技術応用による解決がほしいのに、そこに至る手前の方法だけでは物足りないものです。
建設部門コンクリート科目 コンクリートの複合劣化対策としてツール、ビジュアル資料の整備、定量的調査、研究事例の共有化を提案する。(専門とは無関係な一般的方法論)
結論には言及せず、方法の選択や結果として予想される情況について善し悪しの評価を述べている(提案とは別な評論)
答案の最後に余白ができたので「今後のビジョン」として当たり障りのないことを書く(真面目な技術者としての姿勢)
これらは、いずれも当然必要なことではありますが、答案で書くことの意義は薄いものです。間違ってはいないので減点にはならないと思われがちですが、実際には冗長で無駄な記述の印象を与えます。また、こうした記述が多いと、本来訴えるべきことが後回しになってしまうことがあります。
3.4 方法論中心、マニュアル的で方針、考え方が見えない
対策内容としてやるべきことを具体的に書きだす方法があります。「〜を〜して、そして〜する」というようにです。この結果、実施すべき作業はわかるのですが、その1ケースの作業だけであり、一般的な方法論としては不向きなケースがあります。また、内容的にあまり技術的要素がない場合も要注意です。
衛生工学部門空気調和科目 ビル設備のLCC評価についてビルのライフサイクルでのコスト算出、現状把握、改善を提案する。(これはビル設備に限った対応ではない。評価面での技術的な対応がなければ専門技術として意味はない)
水産部門水産加工科目 鮮魚流通部門のHACCP対策として不衛生行為の禁止、衛生施設の管理、チェックリスト・・(技術士以前の基本事項)
建設部門河川砂防科目 最近の多自然川づくりの方針として、メリハリの利いた整備、水の流れにアクセント、護岸のかさ上げ、落差部は深くする・・・。(個々の部位の作業はともかく、全体の方針が見えない)
3.5 前置き長い、心構え、調査、検討を重視するが本題は今一
「解決策」を書くときに、結論を一番に書くのではなく、まずは関連事項や提案理由となる問題点に前置きしてから、本題に入る方が多いようです。その前置きとは心構えであることもあります。
また、実務上の慣例から、工事の前には必ず調査や検討を行うことを宣言する方がいます。調査も検討ももちろん必要とは思いますが、それは工法選定の手段にすぎません。工法を述べる際に根拠として示せば事足りるのではないでしょうか。
それより解決策の提案では「専門技術による提案」が必要です。前置きが長いと、肝心の提案がだんだんおろそかになってしまいます。
3.6 自分の考えがない、専門家頼み
「解決策」を決定する時に自分では判断を下さずに、「専門家の意見を仰ぐ」とか、「委員会を結成して決める」と提案する方がいます。
「専門家」も「委員会」も自分では決めないということですから、客観的な対応を示しているつもりでも、物足りなさを感じずにはいられません。そもそも、技術士はコンサルタントなのに、自分では判断できず他人に依存したら存在価値が失われてしまいます。
5. 専門技術による解決策(提案力)のまとめ
今回は、試験で良く求められる「解決策」の考え方をご説明しました。専門技術による解決策をコンサルタントの提案として表現するところです。そのねらいとする内容をとり違えたり、本質的でないことを誤って取り上げたりしないようにしてください。この対策としては
(1)まずは技術情報を下調べしてから書く
(2) 単刀直入に結論を先に書く
(3) 専門技術による問題解決の解決策を提案する
(4) 必須事項、支配的因子、これをやらねばということだけを行う。
こうしたことに留意することで大きな間違いをせずに答案を仕上げることが可能です。
■最近の指導活動より
試験準備は最終段階に突入し、添削の完成度が上がってきました。本講座では添削回数無制限のため、段階的に指導レベルを上げてきました。当初の答案では、まずは
(1)必要な事項を書き込む。
(2)方法論や方針を示す
(3)できれば社会変革など大きな概念を示す。
このように、当初は必要条件を満たして、次第に高次な十分条件の指導に移行していくことが理想です。講座のコーチング指導ではこうした方法で無理なく完成の域に到達するものと思われます。
技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
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