2018年3月19日 建設部門、施工管理科目の方の電話によるコーチング指導
この日のコーチングによる指導時間は18時00分から、30分間行なわれ,その受講者様は建設部門、施工管理科目を目指す方で、居住地、東京から電話を用いて相談されました。築堤工事の業績について技術的なポイントをどのようにアピールするか悩まれていました。
K様は、施工管理の業務そのものには技術的なアピールできる材料がないと考えて、計測や騒音環境の改善のみを取り上げていました。しかし、それでは築堤工事の全体系が理解できません。
私が感じていたのは、盛土の施工管理をちゃんと述べるべきだということでした。施工管理の科目なのですから、普通に施工管理ができれば◎のはずです。ところが、この時答案に書かれているのは簡易な計測法や振動レベルといった、管理項目の一部の断片に過ぎません。施工管理の都合上、それらがポイントであったということはわかりますが、その前提となる全体の施工管理が見えていないのです。こんな部分だけで施工管理と言えるでしょうか。
そこで、 3つの業績の改善策の内、1つを施工の工程管理としました。そして他2つは品質管理と建設環境の改善としたわけです。
現場にお勤めの多くの方は、建設施工の管理業務にはほとんど技術はないとお考えのようですが、施工管理とはすなわちヒト、モノ、カネを利用して技術までに建設工事を完了させるマネジメント技術です。建設、施工管理で受験するとしたらそのようなマネジメントについてプレゼンできれば十分なのです。
ハイテクにこだわるのは一般的な現場技術者の傾向です。しかし技術士としては、必ずしもそんなテクニックではなく、ちゃんとしたら施工管理を経済的に効率的にできれば充分なのです。多少独創的で汎用性のあるプレゼンとする必要がありますが、決して無理してまでハイテクを訴える必要まではありません。
K様は代替案として、無対策で問題なく済んだ施工提案を挙げて、施工業者として慎重であったことを訴えるべきとお考えになったようです。しかしそれほど良い業績論文とも思いません。
姿勢だけで貢献や技術力を訴えることは難しいからです。それよりもやったことをもとにちゃんとプレゼンされるべきでした。なぜなら業績論文とは本来はやったことを述べる場所なのですから。
私はいつも「その業務は技術者でなくともできますか」と問いかけるようにしています。例えば施工管理が専門では無い事務長さんとか、現場に長く勤めてマネージメント力にもたけた人がいらっしゃるかと思います。そのような人がよくコーディネーターの役割を果たしている場合があるからです。
技術士にふさわしいかどうか心配な業務とは、そのような施工管理を専門としない方でもできる仕事かどうかです。おそらく技術的な信頼性品質確保の問題があって、実際の業務は施工管理者で訳では困難だと思われます。
K様の場合施工管理だけでは技術士にふさわしいとは受け止めてもらえないと考えて、技術的なポイントを無理に盛り込んだために施工管理の全体系が見えなくなっていたのです。このような全体形を整えて、そしてしかるべきポイントで技術を的確に応用したことを述べる・・・・、そういったプレゼンの戦略を提案しております。
ご自身の業績に関して技術士にふさわしいか否か、もし自信がなくなったらどうかお問合せ下さい。本研究所ではコンピテンシーの尺度に照らして技術者としての貢献が技術士にふさわしいレベルまで到達しているかどうか、スピード判定して差し上げています。そして皆さん必要としているのが、技術士にふさわしいレベルに到達しなかったときにどうやって高めるかということです。これについては、業績の論理性を高めることや、独創性や汎用性を高めて有意義な技術貢献をしたことを示したり、あるいは業績の総括として体験から得た知見を部門や業界の変革につなげる知見としてまとめあげたにする・・・・こうしたことをご提案して業績の評価が高まるように努めております。