2018年4月5日 船舶海洋部門、海洋空間科目の方の電話によるコーチング指導

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 この日のコーチングによる指導時間は10時30分から、30分間行なわれ,その受講者様は船舶海洋部門、海洋空間科目を目指す方で、居住地、東京から電話を用いて相談されました。技術的体験チェックシートの項目6、現時点での評価について話し合いました。この項目6では技術や社会情勢の変化、自分のレベル向上を考慮した上での反省点を挙げ、そこからpdcaの結果として専門家にふさわし発見知見を分析するものです。 М様は、講座のフォーマットに従ってテンプレートに当てはまるように分析されました。

 (解決策の提案に書いた方策を実施して)失敗したことは、・・・であった。排出されてきた掘削による地層流体が海上の船内で処理できる量を超えていたことであった。この原因は、・・ためである。深海のパイプ内への侵入流体の検知が遅れたためである。この事態に至ったのは、・・の判断を誤っていたことが原因である。地層流体の侵入を検知できる閾値の判断を誤っていたことである。これにより得られた知見は、・・ということである。体積変化の検知器は船上に設置されていて、深度が大きくなるほど体積変化の検知は遅くなり、検知器の作動よりもずっと前に深部では体積の変化が起こっていた。そこで、体積の変化をより早く検知するには検知器をより深い場所へ設置することが有効である。

 ここでどのように書けば専門家らしい知見がまとめられるか。

 例えば、水深1000mで発生したガスが100mまで上昇してきたら圧力が10分の1になり、体積が10倍になる・・・では当たり前すぎて読む価値はないでしょう。状態方程式の体積変化だけでは一般的な定理に過ぎないのです。

 なぜこのような知見を求めるのか・・・。それは専門家としての見識をチェックするためです。
そのためには一般的な定理だけでは解決できない、深海の問題を解決する知見を示すことです。

 それに対して現時点での改善策として、М様は次のようなことを挙げていらっしゃいました。

地層流体の侵入を検知できるセンサを船上ではなく海底に設置した装置に取り付ける。 フラッパーや液面の高さの変化以外の方法として、耐圧構造をもった電磁流量計を使用する。

 このような、一般的な定理だけでは推論することはできません。海洋環境工学に関する知見や提案を示すことが専門家らしさを表すことになるのです。

 本研究所では、こうした技術者コンピテンシーの原理に基づいてチェックシートやテンプレートを用意して、無理なく専門家としての視点が現れるように指導しております。      

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