模擬試験コースの答案と添削、講評結果

施工計画、施工設備及び積算   第1回添削 2018年3月20日

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施工計画、施工設備及び積算   第2回添削 2018年3月31日

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施工計画、施工設備及び積算   第3回添削 2018年4月22日

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最終答案 完成形 (添削事項はありません)

Ⅱ-1-1

1.地下水対策工の概要および留意点 

①.ウェルポイント工法 

吸水管の先端に、ストレーナを取り付け、地盤中に井戸のカーテンを作り、地下水を真空吸引して揚水し、地下水位を低下させる強制排水工法である。透水係数が小さい粘性土においても対応が可能である。

留意点は、水位低下量が3m程度であるため、水位低下量が多く必要な場合は、ディープウェル工法または、スーパーウェルポイント工法に変更する。

②.ディープウェル工法 

井戸用鋼管を地中深く設置し、井戸内に流入した地下水を水中ポンプで汲み上げ、井戸周辺の地下水位を低下させる重力排水工法である。揚水能力は高いが、透水係数が小さい地盤では集水能力が低いため、水位低下に時間が必要となる。

留意点は、広範囲に地下水を低下させるため、周辺の井戸枯れの対策としてリチャージウェルを行う。

③.スーパーウェルポイント工法

重力排水に加え真空ポンプで地下水を集め、水中ポンプで揚水する地下水位低下工法である。揚水能力が高く、少ない本数で地下水位の低下が可能である。透水係数が小さい粘性土においても対応が可能である。地下水位を早く低下することが可能である。

留意点は、動力を失うと地下水が急速に浮上しヒービングが発生するため、予備の緊急用電源を用意する。

Ⅱ-2-1

(1)環境に適した工法の概要と選定理由

①.高圧噴射かくはん工法

・選定理由

施工場所が市街地であるため、電力・NTTなどの架空線が多く存在し、大型の機械の使用は困難であるため、施工機械が小さい高圧噴射かくはん工方が有効である。また、軟弱地盤地帯であるため、大型の機械は、転倒の恐れがあるためである。

・概要

高圧噴射かくはん工法は、地盤にロッドを削孔・挿入し、ロッドの先端からセメントミルクと空気を高圧で噴出し、現位置地盤と混合あるいは置き換えを行い、改良体を造成する。

②.オールケーシング工法

・選定理由

 施工場所が軟弱地盤地帯であるため、基礎杭の掘削後の地山が自立せず、孔壁の崩落が予想されるため、孔壁の崩落が防止できる、オールケーシング工法が有効である。

・概要

オールケーシング工法は、ケーシングチューブを地盤に圧入してから掘削をおこない、掘削完了後、鉄筋かごを掘削内に挿入・建て込みをおこない、コンクリートを打設する場所打杭である。

(2)品質を確保するための調査と施工時の留意点

・高圧噴射かくはん工法について

①.品質を確保するための調査 

・土質調査 

高圧噴射かくはん工法は、現位置地盤とセメント系固化材をかくはん混合するため、砂質土・粘性土・有機質土など、土質によってセメント系固化材の添加量が異なる。そのため、土質調査を行うとともに、配合試験を実施し、セメント系固化材の添加量を決定し、構造物基礎の品質を確保する。

・品質確認調査 

 配合試験の添加量の結果をもとに試験施工をおこない、原位置強度・造成径を確認し、実施工にフィードバックする。また、施工中は、一定の頻度で構造物基礎のサンプリング試験をおこない、強度・造成径の品質を確認する。

②.施工時の留意点 

セメント系固化材による六価クロムの溶出により、周辺住民の環境影響が懸念されるため、六価クロム溶出試験の実施と六価クロム対策セメントを使用する。

セメント系固化材を高圧で地盤に噴出するため、施工中の地盤の隆起が懸念される。そのため、計測結果により地盤の隆起が大きい場合は、地盤を地表に排土することにより地盤の隆起を抑制する低変位型地盤改良機に変更する。

 わが国産業界には第4次産業革命が押し寄せており、建設分野においても労働生産性向上のために活用が期待されている。建設生産のあらゆる場面で、人を主役としIoT、AI、ビッグデータと人の創造性を融合し、常に人を中心に考え、人の力を高め、新たな価値を創出し、人や社会に役立てることが求められている。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)建設分野が取り組むべき社会経済的課題を幅広い視点で3つ挙げて述べよ。
(2)(1)で挙げた課題のうちもっとも重要な課題について、あなたが取り組むべきと考える、建設業に携わる人を主役としたIoT、AI、 ビッグデータ等を活用した具体的な対応策を述べよ
(3)上記提案で得られるi-Constructionによる新たな価値の創出効果を述べよ。そして更に効果的なものとするため、基準や制度等を見直し・整備すべき点について述べよ。

(1)建設分野が取り組むべき社会経済的課題

①建設労働者不足

我が国は、人口減少、少子高齢化により建設労働者が減少している。また、建設業は、長時間労働や低賃金、残業が多いなど、就労環境が悪いため、若者の入職が低迷している。その結果、建設労働者不足であり、社会インフラを整備していく上で問題である。

課題は、減少した建設労働者を補うため、現場作業の省力化を図ることである。

②社会インフラの老朽化 

 我が国の社会インフラは老朽化し、今後、いっせいに更新時期が到来する。

少子高齢化に伴う社会保障費の増大により膨大な財政赤字であるため、社会インフラの維持修繕が十分にできない状況であり問題である。

課題は、老朽化した社会インフラを少ない財源で効率よく維持修繕していくアセットマネジメントである。

③災害リスクの増大 

我が国の防災インフラは、地球温暖化などの影響により相対的に能力が低下している。

少子高齢化に伴う社会保障費の増大により財源不足であるため、防災インフラを十分に整備することが出来ず問題である。

 課題は、少ない財源で効率よく、防災インフラを整備していく、防災インフラの選択と集中である。

(2)重要な課題と具体的な対応策 

①重要な課題 

・作業の省人化

重要な課題は、生産性を向上させ、作業の省人化を図ることである。

②具体的な対応策 

・IOT技術による作業の省人化

ダンプトラックの位置情報をモバイル端末を通じてクラウドサービスにつなげることにより、運搬回数や土量など、現場の進捗状況をリアルタイムかつ定量的に把握することが可能となる。これにより、ダンプトラックの台数を無駄なく段取りすることができるため、生産性が向上する。

AI技術による作業の省人化

現場の重機やダンプトラック、作業員などのデータを定点カメラで測定し、車両や地形情報、稼働状況などをAIに分析させる。これにより、最善の工程表を作成することが可能となり、段取り待ちの防止や作業の平準化を図り、作業の省人化が可能となる。

・ビックデータによる作業の省人化 

社会インフラの点検や損傷程度のデータを大量に蓄積・分析することにより、老朽化による劣化予測が可能となる。これにより、劣化を早期に発見し、適切な維持修繕を行うことで、効率的な維持修繕が可能となり、作業の省人化が可能となる。

(3)価値の創出効果と基準や制度等を見直し・整備

①価値の創出効果 

情報化施工を活用することにより、施工機械との接触事故をなくすことができるため、安全性が向上する。

生産性の向上や仕事量の安定により、経営環境が改善し、賃金水準の向上と安定的な仕事量が確保できる。

作業の効率化、施工時期の平準化により、安定した休暇が確保できる。

②基準や制度を見直し・整備すべき点

・出来形管理基準

既存の出来形管理基準では、管理断面の高さ、幅、長さを測定し評価していたが、ICT技術の活用により、ドローンの写真測量で得られる面的な3次元データの評価となるため、基準の見直しが必要である。したがって、測定基準を1箇所/ m2とし規格値を設定するなど、出来形管理基準を整備するべきである。

・税制優遇制度

ICT技術の活用は、ドローンやICT建設機械、ソフトウェアーなど初期投資が多く必要となる。そのため、中小建設企業にもICT技術を活用させるには、税制優遇制度を見直す必要がある。したがって、ドローンやICT建機、ソフトウェアーを購入した場合は、固定資産税や法人税の減免措置を受けられるよう税制優遇制度を整備するべきである。

    −以上―

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