№16 R3年 建設部門、鋼構造及びコンクリートの答案について添削致しました。 2021/10/04

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この答案についての講評

 答案の表現力は良く、見識問題では正しく解答ができています。しかし、試験結果は、オールBで不合格でした。大変残念な結果です。建設部門鋼コン技術士としてのプロの答えを表現すれば合格できますし。音声ガイドでもご指摘致しますので、指摘事項は今後の参考としてください。

 これまで3回受験されているということですが、試験のコツがつかめていないようなので残念です。丁寧な記述で前置き文が長くなる傾向がみられます。「攻めの」論文表現がやや弱かったようです。ご自身の努力だけでは、短期間で解答のストライクゾーンに答えるのが難しかと思います。まずは、簡潔な表現で記述内容の矛盾や無駄をなくし、有効な対策を示していけば必ず合格答案に近づけられます。

 必須Ⅰではやや一般論に発散したようです。水害へ対処する視点が欲しかったです。自身でも対応可能な汎用的対応です。また建設部門鋼コン技術コンサルタントとしての提案があればよかったです。選択科目Ⅱ-1は正解ですが、前置きが長いようです。むしろ後半のメインの部分へ重点を置いた論述が欲しかったです。Ⅱ-2は前半の前提事項では、調査や検討に終始して注意力を吸い取られたみたいです。しかし、本題は後半の「どう対処するか」の答えにあります。「調整」も役所の届出となっていました。形式的内容の色合いが強く出題者が求めている「経験豊富な技術士像」が打ち出せていなかったようです。具体的にこの現場でどう品質管理するかを1つ1つを解答できればよかったです。Ⅲは、鋼構造の分野でメンテナンスをどう進めるかの提案が求められました。「人手不足」などの問題を実現可能な形で解決策を示す必要があります。解決策では鋼コンの技術応用主体に考えると良いでしょう。女性の起用は必須ⅠならOKです。しかし、ここではCAD,BIMなどのIT技術を女性オペレーターが担うとすればよかったでしょう。

 しかしこうした弱点があったとしても、コンピテンシーを高めていけば誰でも合格は可能です。再現答案を修正して、まずは真の正解を確認されるようにしてください。

 技術士試験では、講師の言うとおりに語句を直しているだけでは合格出来ません。大事なのはご自身で正解を感じ取る、そして行動(提案)することです。この感覚を早く習得されて、合格を勝ち取ってください。ただし1回で合格するには正しく学ぶ必要があります。本講座ではマンツーマンコーチングで技術士コンピテンシーを引き出して一発合格するための指導をしておりますのでご参考にしてください。

 音声ガイドによるコーチング指導内容(21分39秒)がダウンロードされますのでお聞きください>

問題  Ⅰ-2 

 近年、災害が激甚化・頻発化し、特に、梅雨や台風時期の風水害(降雨、強風、高潮・波浪による災害)が毎年のように発生しており、全国各地の陸海域で、土木施設、交通施設や住民の生活基盤に甚大な被害をもたらしている。こうした状況の下、国民の命と暮らし、経済活動を守るためには、これまで以上に、新たな取組を加えた幅広い対策を行うことが急務となっている。

(1)災害が激甚化・頻発化する中で、風水害による被害を、新たな取組を加えた幅広い対策により防止又は軽減するために、技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)〜(3)を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ。

1.近年災害は激甚化の一途をたどっている。直近でも九州に発生した線状降水帯により豪雨が発生し、河川の氾濫が起きている。その中で災害の被害の防止または軽減するための課題を以下に示す。

■このような前置きは出題者意図の追認なので、なくても構いません。また、見出しの下線もなくてもよいでしょう。見栄えではなく中身で勝負しましょう。

1.1インフラストック効果の最大化

 豪雨等の災害が発生した際に国民命や生活基盤を守ることができるのはインフラである。しかし、老朽化の進行や、想定外の外力により効果を発揮できない事例も見られる。ストック効果の最大化が課題である。

■ストック効果はもちろん大事ですが、ここでの主題はそこではありません。水害に焦点を当てることです。

1.2災害危険エリアからの移転

 現在、災害危険エリアに居住している人も多くいる。

住民が広範囲に居住していると効果的な対策を構築することが難しい。被災リスクの少ないエリアに移転してもらうことで効果的に災害の被害にあうリスクを軽減することができる。災害危険エリアからの住民の移転が課題である。

■移転は確かに有効ですが、水害の視点を示すことです。居住地移転は困難なことです。推進するには土地政策が不可欠です。

1.3国民の避難意識の向上

 現在、多くの自治体でハザードマップの整備が進んでいる。しかし、住民の認知度はあまり高くない。実際に災害が起きた際にも逃げ遅れ等につながってしまっている事案もある。災害が起きてしまった際に自分の命を守るために国民の避難意識を向上させることが課題となっている。

■国民の意識は政策の課題です。一方、技術士はコンサルタントとして技術提案の課題が求められています。

試験答案なのでいわゆる論文のような言い回しは不要です

上記3点が災害の軽減のための課題である。 

2.前述した課題の中で、現状の暮らしをそのまま守ることができるのはインフラのストック効果の最大化が第一である。この課題についての解決策を述べる。

■まとめや選定理由はなくとも構いません。

2.1インフラの予防保全の徹底

 現在、高度経済成長期に建設されたインフラは老朽化が加速しており、供用50年を超えるものが増加している。いざというときにインフラの機能が発揮できなければ、国民を守ることができない。予防保全を徹底することで必要な機能を果たすことができる。

■やや一般論です。水害対策の視点があると良いでしょう。

2.2小改造によるインフラの効果増進

 近年の技術の進歩により、経済的な小改造でインフラの効果を増大が可能となっている。ダム再生では堤体の少しのかさ上げにより、貯水量を大幅に増加させることや、放水路を移設することで有効容量を増加させるなど、投資に対して効果の高い工事が可能となっている。このような小改造を行うことでストック効果の最大化につなげる。

■2.1と2.2は同じようなことのダブリです。1の結果、その対策として2があるのではありませんか。診断、対策の関係です。

2.3ビッグデータを用いた選択と集中

 現在、河川の氾濫に対しては危機管理型水位計が全国に配置されてきており大量の水位観測データが得られる。また。ドローンにグリーンレーザーを用いて河床測量を面的に行うことで流域の河床形状を把握することができる。このようなビッグデータを用いて、水位上昇の頻度が高いか所や浚渫が必要な個所に選択して集中的に対策を講じることで賢く効果的に社会資本を運用できるようになる。

■この提案は○です

3.1上記の解決策を実行しても新たに生じうるリスク担い手不足である。建設業の就業者は今後大きく減少すると見込まれている。しかし、保全や改造、対策が必要となるインフラは今後増加すると考えられる。その際にメンテナンスサイクルを実行する担い手が不足してしまうことがリスクとして挙げられる。

■ここは問2に書いた「予防保全、小改造、ビッグデータ」を実行したら、この3つが原因となって何が起こるかという、自身の提案に対する見直しです。担い手不足は、既に現状がそうですからリスクになりません。

3.2生じうるリスクへの対応策は最新技術を導入することで担い手不足を解消するということである。点検をドローンやロボットを用いて行う。得られた結果をエキスパートシステムと共に診断を行う。診断結果をもとに措置を行う。記録はドローンやロボットを用い、データベース化を行う。最新技術にも担い手となってもらうことでメンテナンスサイクルを実行する。また、今後は人口の減少も進むため、都市のコンパクト化を進め、低未利用のインフラについては転用や廃棄も視野に入れて必要な個所を集中的に守る。

■具体的に「予防保全、小改造、ビッグデータ」のどこでリスク検証するか示すとさらに良いでしょう。

4.1技術者倫理として必要な要件は公衆の安全と健康を守るということである。新技術を活用した効率化等は必須であるが、問題が発生すれば国民に被害を与えることになりかねない。慎重にリスク等を検証したうえで技術導入を進めることが必要である。

■「予防保全、小改造、ビッグデータ」でどんな新技術がありますか。

4.2社会の持続性について必要な要件はメンテナンスサイクルを実行する際に工費だけを優先するのではなく環境への影響も評価したうえで工法等の選定を行うことが重要である。

■問4はよくお考えになりました。4.1,4.2ともOKです。

問題文 Ⅱ−1−4

 既設コンクリート構造物において、浮きやエフロレッセンスを伴うひび割れが局所的に見られた。当該コンクリート構造物を長期間共用していくために詳細調査計画を策定すべく、非破壊検査を適用したい。そこで、生じている現象から推測される構造物の内部の変状を想定したうえで、求める情報と適用すべき非破壊検査手法の組合せを2つ提案し、それぞれの計測原理および実施に対する留意点を述べよ。ただし、微破壊により構造物内部を直接調査する方法を含まないものとする。

1.構造物に生じている現象より推測する変状を述べる

■問題の指示事項なので不要です

1.1.鉄筋腐食  ←「外観に生じている現象」、例えばエフロレッセンスを伴うひび割れとかを見出しに書くように。そして推測される構造物の内部の変状を想定します。

そして、大事なことは、これらは導入部であって本題ではありませんので簡潔に。1.1、1.2で1/3か1/4ページ程度でよいでしょう。

 浮きを生じるひび割れがみられるため鉄筋腐食が発生していると思われる。腐食により内部に膨張圧が発生し浮き、ひび割れに至ったと考えられる。

1.2.貫通ひび割れ 

 エフロレッセンスを伴うひび割れが発生していることから、部材を貫通するようなひび割れが発生していると考えられる。ひび割れを水が通過することにより表面にエフロレッセンスがみられるようになっている。

2.求める情報と適用すべき検査手法をいかに述べる

試験答案なので簡潔に。このようなところでは減点されません。

2.1.自然電位法による鉄筋腐食の測定

 自然電位法を用いて鉄筋の腐食の範囲及び程度を確認する必要がある。計測原理は鉄筋に電極を設置し、電流を流し、照合電極で電位を測定することで腐食の度合いを測定する。迷走電流があると計測不可能であることに留意が必要。

■ではどうすればよいのか。「○○できない」という制約事項ではなく、「こうすれば○○できる」という品質改善の提案となるようにするとコンピテンシーが高まります。計測原理および実施に対する留意点に絞って答えるように。

2.2.弾性衝撃探査法によるひび割れ深さの測定

 弾性衝撃探査法によってひび割れの深さ、貫通の有無の計測を行う。計測原理は発震器により弾性派を発生させ受信機で受信、複数回測定する。ひび割れを回折した際の到達遅れにより、ひび割れ深さの計測を行う。測定個所にひび割れ以外の変状がないか確認したうえで計測を行う。(内部空洞等)

■言うは易しく行うのが↑困難なこと。こうした難題がどのようにしたらできるか、技術ノウハウを示すとコンピテンシーになります。

Ⅱ-2-2 建設から30年以上が経過し、老朽化が進んだ構造物に対する耐震補強を実施することとなった。既設構造物の性能を評価し、現行の基準類を満たすように耐震性能を向上させる目的で、あなたが担当責任者として業務を進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。

(1)対象とする既設構造物と老朽化の状況を設定し、老朽化の状況を踏まえた耐震補強を行ううえで、調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)留意すべき点、工夫を要する点を含めて業務を進める手順について述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

1.対象とする既設構造物と老朽化状況

1.1.対象とする構造物

 対象とする構造物は沿岸の桟橋構造であり、RC造である。建設より40年経過している。

1.2.老朽化の状況 「状況設定」はメインではありませんので簡潔に。 

 沿岸構造物で建設後40年が経過しているためいたるところでかぶりコンクリートが剥落し、鉄筋が露出した状態となっている。鉄筋の腐食も進行しており、断面現象も発生し劣化期に到達してしまっている。

■上記の前提は、これ以降で調査項目、検討を具体的に掘り下げるために設定するものです。上でせっかく前提されたのに、下記でほとんど活用されていません。1.3、1.4は、1.1、1.2の前提があってもなくてもだいたい行われていることです。試験のねらいが見えていなかったのが残念です。

1.3.調査すべき項目

・建設当時の設計図書 形式的な項目が多いです

・準拠している基準及び指針これらすべて要りますか

・コンクリートの浮き、剥離の発生している範囲

・コンクリート内の塩化物イオン濃度

・改造、使用状況の変化の有無

1.4検討すべき事項

補強工法 劣化の進行状況に合わせ補強工法の検討を行う。要求性能を満たすことができる候補を複数挙げておく。

・構造検討 選定した補強工法を用いて耐震補強について構造検討を行い、工法の絞り込み、補強の程度を決定する。

2.業務を進める手順

①資料調査 

建設当時の設計図書、工事記録等の調査を行う。図面、計算書だけでなく施工状況や使用材料等も資料が残存していれば確認を行う。

②現地調査

 劣化の範囲・程度を確認するため現地調査を行う。現地の使用法が前提に即しているかの確認も必要

③工法検討・構造検討

 劣化状況を反映し、補強工法の選定、構造検討を行う。複数ケーススタディを行うことが重要。工法の選定時には再劣化にも注意が必要となる。

④現地施工

 現地で施工を行う。劣化状況を確認しながら施工する。異常が確認された場合には工事を止め協議を行う。

⑤工事記録の作成・保存

 補修・補強工事の記録を作成し保存を行う。施工状況だけでなく既存の状態、使用材料、物性、メーカー等情報を確実に記録しておく。

■一般的な補修工事の計画手順です。この内容から鋼構造コンクリートの技術士にふさわしいコンピテンシーを見いだしてもらえるかやや心配です。

3.関係者との調整方策

・海上保安庁に対し海洋構造物であるため施工方法等を説明し、必要な申請等の確認を行っておく。初期段階で相談しておくことで事前に制約条件(施工可能時期)等を把握し、着工不可等の手戻りを防止する。

役所の届出であって、工事の本質的内容とは別。

・構造物使用者に対し、施工方法によって使用制限が必要になること、資材置場等の条件設定の確認を行う。閑散期等を確認し、スムーズな施工を実現する。

■出題者が求める「関係者との調整」の趣旨が明確に見えていなかったのではないかと拝見いたします。現場管理の力、施工管理のノウハウや、管理者としての対外交渉やマネジメント力は感じられます。

それらは必要ですが、プロマネとしての取りまとめや指導力を発揮されるとさらに良いでしょう。そのほか、専門の技術応用、独創性、汎用性が加わると技術者コンピテンシーが高まり、楽勝で合格できます。

Ⅲ-2 我が国は、大量の鋼構造物やコンクリート構造物の維持管理が社会問題となっている。特に、従来からの事後保全型メンテナンスには限界が叫ばれ、持続可能なメンテナンスサイクルの実現に向けて、新しいメンテナンス手法の導入やシナリオの転換が求められている。このような状況を考慮して以下の問いに答えよ。

(1)近年、予防保全型メンテナンスが期待されているものの、未だその推進は十分とは言い難いのが現状である。このような現状に対し、鋼構造及びコンクリートの技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、その内容を示せ。  (2)抽出した課題のうち、あなたが最も重要と考える課題を1つ選択し、その課題に対する複数の解決策を示せ。  (3)すべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

1.予防保全型メンテナンスが実現できていないことについての課題を下記に3つ挙げる。

■答案なのでこのような前置きは不要です。

1.1診断の担い手不足の解消

 現在、我が国は人口減少の局面にあり、建設業も今後10年で60代以上の多くの就業者が退職する見込みである。メンテナンスサイクルの核である診断には多くの知識・経験が必要である。それを担える人材が不足しており、今後されに不足すると考えられる。そのため診断の担い手不足を解消することが課題である。

■「人材不足」に対して「人材不足解消」だと課題になりません。ほとんどイコール。ここは人材育成または省力化です。また選択Ⅲなので鋼構造コンクリートの技術提案とするのが良いでしょう。

1.2.最新の技術の活用

 近年ICT技術の発展は目覚ましく、建設業の中でもICTを活用した効率的な新技術は次々と実用化されてきている。しかし、性能の評価方法や適用範囲がわからない、初期投資がかかるなど種々の問題で採用ができていない事例も散見される。そのため最新技術を積極的に活用していくということが課題である。

■新技術は使えばよいというものではなく、目的を示すことです。予防保全型メンテのICT技術の原理やシステムは何ですか。

1.3.発注者の人材不足

 社会資本の保全を行うには発注者から注文を受ける必要がある。しかし、補修工事の発注を行うには点検を行ったうえで結果を確認し、補修・補強工法を決定、見積もりを行ったうえで発注しなければならず、非常に業務が煩雑となっている。特に地方自治体などではこのような発注業務を行える人材が不足している。これを解消することが課題となっている。

■人材育成、発注者支援、インフラの削減が課題です。

2.予防保全型メンテナンス移行への課題は担い手不足の解消と考える。

2.1メンテナンスエキスパートシステムの活用

 診断は、点検結果から劣化の原因、程度を判断し、補修・補強方法を検討しなければならない。ベテラン技術者の暗黙知を教師データとしたメンテナンスエキスパートシステムとともに診断を行うことで若手の技術者でも熟練技術者と同等の診断を行うことができるようになり、担い手不足の解消につながる。

■マネジメントとしてはOKです。しかし、鋼コンの技術提案は何でしょうか。一般論ではなく鋼コンの診断、補強、暗黙知に関する提案があればさらに良くなります。コンクリートのAI診断システム、カメラ・物理探査などはいかがですか。

2.2.女性の活躍の促進

 現在、建設業界においても女性就業者数が増加してきている。ICT技術の発展に伴い実際の現場に行かなくてもよりリアルに状況を把握することができるようになっている。診断データの作りこみ等において女性に活躍してもらうことで人材不足の解消の一助とする。

■これも一般的な人手不足対策のように見えます。役には立ちますが、これだけでは鋼コンの技術提案にはなりません。必須ⅠならOKです。ここは鋼コンの視点から、鉄鋼CAD技術やBIM,CIMに触れると良いでしょう。

2.3.ベテラン層の延長雇用

 前出のエキスパートシステムにおいても若手人材の教育においても熟練技術者の暗黙知を継承するということが必須である。そのため熟練技術者に延長雇用で残っていただき、リモートで事務所や自宅などから若手技術者に指示・指導等を行ってもらうことで育成や教師データの作成につなげる。それにより、エキスパートシステムの本格始動までの空白期間の担い手不足を解消する。

■ベテラン起用は役立ちますが、今日では常識となりつつあり、やや安易な気も致します。実際、ベテラン社員の中には「体で覚える」というタイプもいて必ずしも効果的に指導できません。技術士の提案としては、さらに進んだナレッジマネジメントの仕組みなどがほしいです。

3.すべての解決策を実行したうえでも新たに生じうるリスクと解決策を下記に述べる。

3.1.新たに生じうるリスク

 高度経済成長期に建設した多くの社会資本が共用50年を超過していき、インフラ老朽化が今後加速をしていくことは明らかである。老朽化し変状が発生する構造物の数が圧倒的に多くなり、

■これら↑は前提事項であって、問3の趣旨は問2の提案がもたらすリスクについて自己評価を求めています。エキスパートシステム、女性・ベテラン層の雇用が進むとどんなリスクがありますか。現状よりは維持管理は良くなるはずですが・・・、しかし・・。このように一見リスクが見えないところに発生する問題を推論するから、技術士試験問題として意義があるわけです。

診断を行っても他の工程がボトルネックとなり、前出の解決策を実行してもメンテナンスサイクルが回せず破綻する恐れがある。

3.2.メンテナンスサイクル各工程で最新技術の活用

 メンテナンスサイクルは点検→診断→措置→記録が一連の流れとなってくる。点検ではロボット、ドローン、ICT危機を駆使し効率的に点検を行い、点検結果をビックデータとしてまとめる。診断はエキスパートシステムとともに点検結果のビッグデータをもとに行い、補修等の措置を決定する。措置については先端技術、素材等を用い、効率的に補修等の措置を進めていく。また診断の際に再劣化にも配慮し工法等の選定を行うことで再処置の必要になる期間を延ばす。措置を行った施工記録等については記録を作成しデータプラットフォームにもデータの保存を行う。劣化状況、症状、診断結果、措置、措置の効果等を記録しておくことによりその後の他工事等に有効に使えるデータベースの構築に役立てる。最新の技術をメンテナンスサイクルの各工程に活用していくことで効率を飛躍的に向上させ、予防保全行うための対策とする。

■16行の段落を改行なしに1つにまとめたら大変読みにくいです。一連の作業に関する流れの説明となっていますので、大まかな手順ごとに分けて見出しを付けて3〜4の段落とするのが良いでしょう。かなり見やすくなり、提案趣旨が試験官に届きます。

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