№28 R3年 機械部門 加工・生産システム・産業機械の答案について添削致しました。 2022/01/19

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この答案についての講評

 試験結果は、CAAでした。ご自身が疑問を訴えているように、必須ⅠとⅢの結果が違い過ぎて、その違いを分かりかねているとのことでした。また必須Ⅰは部門全般に関わる社会課題に対する問いだと思いますが、部門全般とは何かが確信持てないみたいです。今回の試験では何とか答案にまとめられたようでよく頑張りました。ただし、技術士の専門性をアウトプットするような練習が不足していたのではないかと想像致します。マンツーマンコーチングでコンピテンシーを高めていけば楽勝で合格できます。次回試験に備えて、再現答案を修正して、まずは真の正解を確認されるようにしてください。音声ガイドのコメントをお聞き願います。

 内容的には、Ⅰ-1では課題3つとも当然すぎる話で、技術検討らしい内容となっていません。なぜこうなったかというと、データとデジタル技術の活用/顧客や社会のニーズ/ビジネスモデル変革/業務変革⇒競争優位・・・というこの問題趣旨が見えていなかったようです。こうした本質的な事項、問題趣旨が見えずに減点されている人が後を絶ちません。

 Ⅱ-1では、機器の寿命向上などあまり、重要ではない事項に着目されたようです。特徴が求められましたが「使い方」と誤られたようです。Ⅱ-2では手順と工夫は非常に良い内容であり、A評価は納得致します。末尾の提案として、環境負荷低減に対して環境アセスを述べられていましたが、具体的に何をするかまで挙げればさらに良かったです。実はこうした本質を見抜く力が求められるのです。

 Ⅲでは、一方、自身の暗記答案への誘導が見られ、これはとても危険です。テーマの4材料と鉄の合体、軽量化とあまり関係もありません。一般的な機関製造の話に発散したようです。それでもA評価を得られてよかったです。

 これまで3回目受験されて、苦労されているご様子なので残念です。しかしこうした弱点があったとしても、コンピテンシーを高めていけば誰でも合格できます。技術士試験では、講師の言うとおりに語句を直しているだけでは合格出来ません。大事なのはご自身で正解を感じ取る、そして行動(提案)することです。この感覚を早く習得されて、合格を勝ち取ってください。ただし1回で合格するには正しく学ぶ必要があります。本講座ではマンツーマンコーチングで技術士コンピテンシーを引き出して一発合格するための指導をしておりますのでご参考にしてください。

 音声ガイドによるコーチング指導内容(19分15秒)がダウンロードされますのでお聞きください>

問題   Ⅰ-1 経済産業省が2018年に12月に発表したデジタルトランスフォーメーション(DX)推進ガイドラインには、DXの定義として「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と謳われている。近年、米中貿易摩擦、英国のEU離脱、保護の高まり、さらには新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、世界の不確実性が高まっている。このようなビジネス環境の激しい変化に企業が対応し競争力を維持していくためには、既存の枠組みに捕らわれずに時代の先を読んで企業を変革していく能力が求められており、そのためのDXへの取組をどのように加速させていくかが我が国製造業の直近の課題となっている。 

()このような時代の変革期の中でDXを推進していくに当たり、技術者の立場で機械技  術全般に関する多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。  

()抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する機械技術者としての複数の解決策を示せ。 

()提案した解決策をすべて実行した結果、得られる成果とその波及効果を分析し、新たに生じる懸念事項への機械技術者としての対応策について述べよ。   

()前問()()の業務遂行に当たり、機械技術者としての倫理、社会の持続可能性の  観点から必要となる要件・留意点について述べよ。

1.DXを推進していく上での課題を3つ述べる。 

3課題とも当然すぎる話で、事務担当者でもわかります。技術検討以前の内容です。なぜこうなったか。データとデジタル技術の活用/顧客や社会のニーズ/ビジネスモデル変革/業務変革⇒競争優位・・・この問題趣旨が見えていなかったようです。正解が見えずに、かつ失点しないように、一般論を披露して点を取る作戦では限界があります。この書き方で厳しい評価を受ける方が少なくありません。 

課題1.デジタル活用人材の育成 

デジタル技術の利活用を推進するには、データ分析ができる人材の育成が必要である。データサイエンティストなどへ外部に依存すると製造に関する知見が不足することが多い。そのため、自社の生産技術者や設計者のデジタルスキルを向上させることが課題である。 

課題2.設備のデジタル技術化対応 

日本の製造業社が保有する設備はデジタル出力を備えていないものが多い。設備の稼働状況や圧力、温度などは、計器で表示されるだけでデジタル出力できない。レガシーシステム(LS)と呼ばれる古い機器へのデジタルデータ出力機能を付加することが課題である。 

課題3.デジタル技術にかかるコス

デジタル技術の導入に必要な3DCADCAECAMなど設備導入、データ利活用のための人材育成などに関るイニシャルコスト、ランニングコストが課題である

.最も重要と考える課題

■これだとほとんど前提と同じ。課題を考えたことになりません。内容的にも総花的なデジタル化論。正解が見えないとこのような状態に陥ります。

課題2LSのデジタル技術への対応と考える。設備のデジタル化により、稼働状況把握による予防保全、予兆保全が可能でAIと組み合わせれば、熟練技能者の経験に基づく保全点検方法からの脱却を図ることができる。設備の稼働状態をデジタルデータとして出力できれば、現実の設備とシミュレーション上で同一の状態を再現するデジタルツイン技術も実現できる。製造情報のデジタル化により、製品の開発期間、品質向上など競争力向上に貢献できると考えるためである。

2.1解決策1インターフェイス(IF)機能の付加

 射出成形設備を例にすると、成形機とチラーシステム、材料リサイクル機など複数の機器を組み合わせて使用する。それらの機器はデジタル出力IFがないものや、規格が異なる。これらの機器からデジタルデータを取り出すため、ラズベリーパイなど簡易なPCの役割を果たす機器を用い、アナログ信号からデジタル信号に変換する。またPythonなど、汎用プログラムを用いてデータの収集を行えるようにする。

■情報工学的な話となってしまって、データとデジタル技術の活用/顧客や社会のニーズによって、ビジネスモデル変革し業務変革する趣旨が見えません。

2.2解決策2:アナログ情報の利活用

 LSと呼ばれる古い機器には設備の状態を示すカラーランプや指針を有するアナログメータを備えたものが多い。指針を画像データと認識し文字のOCR化を行う。またランプの色情報も画像認識することで状態をデジタル情報として活用できるようにする。

2.3解決策3:デジタル化システムの最小化

 IFの整備、画像認識により収集したデジタルデータを収集、分析する場合、すべてをクラウドに挙げると大きなコストがかかる。現地で処理すべきデジタル情報は機器の近くのEdgeに処理機能を有し、複数の機器から多くのデータ、いわゆるビッグデータはクラウドに保管するなどの棲み分けを行う。これにより、設備の導入コストの最小化を図ることができる。

.成果と波及効果及び新たに生じる懸念事項に対する対策

3.1成果と波及効果

 成果として既存設備の情報をいわゆる暗黙知であるアナログデータから形式知であるデジタルデータへと変換することが出来る。波及効果として既存設備を使用するため、導入コストを抑制できる。低コストで導入できると日本の製造業の約9割を占める中小企業への浸透が進み、資金不足、自前主義、情報連携不足による受注機会の遺失を抑制できる。これにより、ものづくりの競争力を向上させることができる。

3.2新たに生じうる懸念事項に対する対策

 デジタルデータ化により、情報のコピーが容易になり、ノウハウの流出が懸念される。対策として、情報へのアクセス権の設定、VPN通信網の使用を行い、セキュリティの強化を図る。

.技術者倫理、持続可能な社会実現のための留意点

 情報技術、運用にあたっては法令の制定、施行が追い付いていない場合が多い。 そのような法令未整備の分野においては自社、業界にとって都合の良い解釈をするのではなく、社会の公益性を第一とした社内ルールづくり、業界標準づくりを行う。

また、機器のデジタル化により機器の暴走などが行らないよう安全性を第一に業務を遂行する。 以上 

■法整備レベルでは最低限の倫理です。暴走も最低限。あってはならないに決まっています。もう少し高次な目標はありませんか。

問題文 -1-2 近年、代表的な機械式プレスの1つであるクランクプレスについては、駆動源をサーボモータとするサーボプレスが普及している。従来タイプのクランクプレスに対するこのサーボプレスの特徴を記述せよ。

機械式クランクプレス、サーボプレス(SP)の構造は金型の下型を取り付けるためのボルスタと金型の上型を取り付けるためのスライドから構成される。 機械式クランクプレスはACモーターの回転力をフライホイール(FW)にエネルギーを蓄積することより加工力を得る。一方

■ここまで↑は前置きです。従来式については書かなくても構いません。以下番号を振って段落を分けるように。

1.  サーボプレスはFWを用いず、DCサーボモータ(DC SM)の回転エネルギーから加工力を得る。DC SMの進化により駆動トルク向上のためのギヤをなくした構造のものもある。

機構の違いだけでなくその効果の違いは何か。

SPの代表的な特徴は、1工程内で加工速度の任意制御、回転方向の切り替え(正回転、反回転)、正回転と反回転を短い区間で繰り返す動き(振り子モーション)を行えることにある

「振り子」の効果は何か。次の記述とダブリ。

2.  また、正回転と反回転を高速かつ短ストロークで行うことにより振動動作を行うこともできる。これにより、抜き加工(せん断加工)において、被加工材を工具(抜きパンチ)が通過し終わる際に発生するブレイクスルー現象抑制によるせん断面精度の向上、プレス機械のフレーム、ボルスタにかかる衝撃荷重の減少による機器の寿命向上を図ることができる。

ここでは主要な↑事項ではありません

これ↓はサーボPの特徴ではなく、使い方でしょう。

3. また絞り加工では、振動動作により、絞りパンチと被加工材の接触箇所をわずかにずらすことで、加工硬化した箇所を避けながら被加工材を延ばすことができ、絞り時の破れを防止することができる。またSPの動作はプログラムとして記録できるため、IoT化にも繋げることができる。以上

IoTはここでのテーマではないでしょう。

問題文   Ⅱ-2-1 加工プロセスは環境に負荷を与えている。切削を例に挙げると電力消費に加えて切削液や洗浄液等を含めた廃棄物の処理による環境負荷も考える必要がある。あなたが携わっているプロセスについて環境負荷の要因分析、定量化、及び軽減計画を策定することになり、この業務の担当責任者に選ばれたとして、下記の内容を記述せよ。

() 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

() 業務を進める手順を列挙し、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

()業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方法について述べよ。

プラスチック成形金型設計部門の責任者として、プラスチック射出成形加工プロセスについて述べる。

.調査、検討すべき事項

(1)工程内の材料ロス、廃棄方法

 射出成形加工では成形品以外に成形品が安定した寸法となるまで捨てショットと呼ばれる成形作業を行う。また成形開始前に成形機のシリンダ内に蓄積した溶融樹脂をパージと呼ばれる作業により排出する。捨てショットとパージの廃棄樹脂量を調査する。

(2)使用樹脂材料、成形品形状

 環境負荷の低い樹脂の適用率を調査する。また、成形品の過剰強度設計により成形品の厚肉化、重量の増大が発生していないか調査する。さらに、射出成形工法の考慮不足、具体的には成形品の抜き勾配不足による離型不良、成形品肉厚の不均等肉厚によるひけ、反り等の成形不具合による成形品の廃棄量の調査を行う。

12でダブリを無くして、電力、化学物質、水、資源について広い視点で調べた方がよいでしょう。

(3)インフラの使用量

 樹脂を溶かすために使用するヒータ電力、金型冷却用チラーに使用するの使用量の調査を行う。

(4)製造条件のロバスト性の確認 

ここではロバスト性は不要かと思います

成形条件の良否は技能者の技量に依存している。同じ成形条件でも樹脂材料のロット毎の特性ばらつき、機差、外気温などの外乱、内乱により成形品の品質が変わる。内乱、外乱に強い裕度の高いロバスト性のある成形条件となっているか調査する。

.業務遂行手順とそれぞれの留意点、工夫点

■手順と工夫は非常に良い内容です。

(1)廃棄される樹脂の測定

 廃棄樹脂量は季節、樹脂ロットにより異なる可能性があるので、季節を通じてデータ取りを行う。樹脂ロット、機差による廃棄樹脂量の差異発生要因を分析し、廃棄が少ない条件の特定を行う。

(2)使用樹脂材料、成形品形状の確認

 製品設計寿命を確認し、過剰品質になっている場合は強度解析により、最適化を行う。最適化の際は強度のみでなく、生産性が考慮されているか留意する。

(3)インフラの使用量

 電力、冷却水使用量を把握する。電力、冷却水使用量把握はセンシング技術を活用し、データの分析を行いやすいようにする。チラーなど複数の成形機に共通使用されるものは個別に把握できるようなデータ取りに留意する。

(4)製造条件のロバスト性の確保

 金型へのセンサ導入、IoT化により製造条件と製造品質の関係を定量化することで属人性からの脱却を図る。

.業務を効率的に進めるための関係者との調整方法

 加工プロセスの環境負荷は製造部門だけでなく、製品の企画、開発段階、つまり製品の仕様決めの影響を受ける。営業、資材、設計、製造、品質管理部門と連携し、企画段階で環境アセスメント活動を行う。以上 

環境負荷だから環境アセスですか。アセスで何をするかまであればさらに良かったです。

問題文  Ⅲ-1 自社で設計・製造を行っている1つの工業製品に対し、設計部門から以下の検討依頼が来た。「鉄系材料を用いている今までのフレーム構造体に対し、軽量化を図るため、従来材と次の候補材料どれか1つとの組み合わせによるマルチマテリアル化を進めたい。候補材料は高張力鋼、アルミニウム、マグネシウム、CFRPである。」あなたが生産技術者としてこの検討を行う場合、以下の問いに答えよ。

() これらの候補材料を比較しマルチマテリアル化を検討するに当たり、生産技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

() 抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、候補材料を1つ提示したうえでその課題に対する複数の解決策を示せ。

()すべての解決策を実行しても生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

.マルチマテリアル化にあたり、QCDSE及び4Mの観点から3つの課題を抽出する。

 マルチマテリアルの対象材料は高張力鋼とし、従来材料は板金加工に一般に使用されるSPCC鋼板とする。

この↑ような前提、絞り込みはされない方がよいでしょう。無くてもほぼ同じでは。

この問題の焦点が見えていないようです。

「高張力鋼、アルミニウム、マグネシウム、CFRP」の4つを比較し、鉄フレーム構造にマルチマテリアル化して、軽量化するときの課題です。例 バイクのフレーム、家電(洗濯機など)のフレーム

(1)加工方法の確立

 従来材と高張力鋼ではいくつかの特性の違いがあるが、代表的な特性の違いとして引っ張り強度がある。

引っ張り強度が異なると、プレス加工時の曲げ角度に変化が発生する。SPCC鋼板と比較して高張力鋼板はおおよそ500MPa以上の引っ張り強度がある。引っ張り強度は曲げ、絞りなどのプレス加工性に影響し、スプリングバック(曲げ工具より角度が開く)、スプリングゴー(曲げ工具より角度が狭くなる)といった事象が発生しやすい。例えば従来材と高張力鋼板を溶接し、一体化して曲げ加工する場合、スプリングバックあるいはスプリングゴーの度合いの差による角度の違いから製品として要求される角度が出せない、または溶接部に応力がかかることによる破壊が課題となる。

(2)検査方法の確

検査の何をどうするかまで書かれた方がよいでしょう。

 新たな材料の使用、また加工を行う場合には加工の確からしさ、加工精度を検証するため、検査方法を確立する必要がある。高張力鋼板は引っ張り強度が高く伸び量が少ないため、特に絞り加工時に割れが発生する可能性がある。表面上に見える割れであれば良いが内部の割れや微小割れを発見するため、CTスキャン、磁気探探方法を使用し、その合否基準(しきい値)を確立しておく必要がある。また従来材と高張力鋼板の接合面、界面には単一材料での加工では発生し難い不良が発生する可能性が高いので検査方法の確立が課題である。

(3)ロバスト性の確保 

ここでの主課題ではありません

 材料には製造に起因する特性のばらつきがある。従来材でも特性のばらつきはあるが、引っ張り強度が高い高張力鋼板は、引っ張り強度の違いが曲げ角度、絞り性に与える影響が大きく、ばらつきを吸収できる製品形状、設計思想の確立が課題である。

.抽出課題のうち、最も重要と考える課題

 マルチマテリアル化には、テーラドブランク法など、必要な部位のみの強度を高め、製品機能の向上、コスト低減を目的とすることが多い。その実現のため、加工方法を確立することが最も重要な課題と考える。

このような自身の答案への誘導は危険です。テーマの4材料と鉄の合体、軽量化と何の関係もありません。一般的な機関製造の話↓に発散しています。

(1)解決策1サーボプレスとロボット技術の活用

従来材と高張力鋼板を組み合わされた鋼板は、特に高張力鋼板の引っ張り強度の高さから絞り加工、曲げ加工において、一度に曲げ加工、絞り加工を行うのでなく、複数回に分けて行うことが多い。それは加工部が加工硬化し、延性が低下することによる破れを防止するためである。そのため、加工速度を任意に制御することができ、また振り子のように加工部位を往復運動することのできるサーボプレスを使用し、低速度、高エネルギーで加工硬化を抑制しながら、絞りを行う。

また、複数の金型を用意し、加工方向を逆転しながら

加工を行うことで、バウシンガー効果を利用し、低いエネルギーでの加工を行う。複数の金型間の被加工材の移動はロボットを使用する。

(2)析技術(CAE)の活用

 曲げ及び絞り加工には金型と呼ばれる専用の工具を用いる。金型の構造、特に加工に関わる曲げパンチとダイ、絞りパンチとダイの形状設計はベテラン設計者の知識に依存した属人性の高いものである。またベテラン設計者がいない場合は複数のパラメータのパンチ、ダイ形状を設計し、トライ&エラーを繰り返す。これを防止するため、板金加工の伸び、スプリングバック率を机上シミュレーションできるCAEを活用する。

(3)生産設計によるフロントローディングの実施

 高張力鋼板は、これまで述べた通り曲げ加工時にスプリングバック、スプリングゴーといった要求形状の実現を阻害する事象が発生する。また、絞り加工においては割れなどの機能実現を阻害する事象が発生する。

これらを防止するため、製品設計の上流、例えば詳細設計の前の構想設計の段階で製品設計部門と生産技術部門が連携し、コンカレントエンジニアリングを行う事で、加工工程のネックとなる形状の変更、従来材と高張力鋼板の接合部のクリアランスを確保できる形状設計などを行う。           

3. リスクと対策  ←これがありません。ほんとうにこの通りに書かれたのですか。

アジャイル  

1ウォーターフォールの反意語なので、ここはプロトタイピングがよいでしょう 

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