電話、スカイプによる指導内容<パーフェクトコース>

受講者様が抱える個別の問題解決に、専門的見地から全力を込めて対処しています。

真の合格はご自身の答案で合格を勝ち取ることから始まります。このように実現します。

マンツーマン・コーチングで、誤りの原点を確認し、出題者の意図を読み解く。あなたが本来どう解答すべきであったかを説明します。正解の範囲がピンポイントでわかる無駄な記述による減点をなくし、本来自分が言うべきことを力説できる。

ようになります。具体的には日々の指導内容をご覧ください。

2018年11月9日 機械部門、機械設計科目の方の電話による指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

 この日のコーチングによる指導時間は23時00分から、50分間行なわれ,その受講者様は機械部門、機械設計科目を目指す方で、場所は東京から電話を用いて相談されました。口頭試験対策として、業績論文に関する、評価、反省、今後の課題、将来展望の項目について確認しました。

5. 解決策の妥当性(業務に対する評価、改善効果、目標到達度も書く)
5-1 独創性、先駆性はあるか(独自性がある。ただ単に「他事例がない」ではだめ)
① カム形状変更による高速化
短納期という制約条件の中で部品変更を最小限に抑えた高速化が必要であったためカム形状の変更のみで高速化を実現した。従来方法に比べて、低コストかつコンパクトになるメリットがある。カム形状はCAEを用いて強度解析を行いながら評価と設計を並行して進めたことで短納期対応を実現した。

期間を最小限に抑えた高速化が必要であった」とありますが、機会がない事はいつもの前提事項であり特段理由にはなりません。また工期がないときに方策を限定することは普通に行うことであって特別工夫とは思いません。

② クリップ部のユニット化 5つの動作伝達部をスプラインシャフト上部に集約してクリップ部のユニット化を実施。ユニット化すると通常部品点数が増えサイズが大きくなるが、今回の提案ではユニット化と軽量コンパクト化を同時に行った。

このユニット化の理由も単独で行えばサイズが大きくなることが分かっていたため、そうならないように同時にコンパクト化ということをだけであって当然のことです。

6. 現時点での評価(技術や社会情勢の変化自分のレベル向上を考慮した上での反省点) ①調整作業難易度の上昇:高速化すると調整作業が難しくなる。この原因はフィルム円筒成形時のシール力の低下やクリップワイヤの姿勢が悪くなることである。得られた知見は、高速化に伴いフィルムの加工限界を前提により細かく加工機の負荷設定をする必要がある。 

本来は反省点として目標に比較してうまくいかなかったこと、悪い結果を表明すべきところですがそのような材料は示されていません。このため小さく正しくまとまって結果的に特段この体験から学ぶ事はなかったという結論になっています。  また論文趣旨のまとめの方向性が、フィルムの加工に関する細かい話に終始しており、機会マネージャとしてのマクロ的なテーマについて述べたほうがよろしいでしょう。

②軽量化による部品強度低下:コンパクト・軽量化と部品強度の両立が難しい。クリップ不具合時の部品破損を防ぐために通常ならワイヤが駆動部に入り込まない構造や部品強度を高める対策をするがクリップ部の機構が複雑でかつワイヤがどこに飛散するか予測困難なため、ワイヤ検出センサを追加して不具合時に装置停止する対策とした。電気も含めた装置全体を見る視点によりこの解決策を提案できた。

この軽量化に関するコメントも上記コメントと同じような、過負荷に関する記述となっており、新しい視点が必要です。

 業績論文のプレゼンについて厳しい視点から、修正点をご指摘しました。口頭試験はだれでも合格するとは限りません。専門家にふさわしい業績としての考え方を仕上げておく必要があります。そのための話し合いは十分とるようにしております。

   コーチングがいかに役立つかご理解いただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせて指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。皆さんの技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています。

2018年10月27日 電気電子部門、電気設備科目の方の電話によるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

 この日のコーチングによる指導時間は13時00分から、45分間行なわれ,その受講者様は電気電子部門、電気設備科目を目指す方で、居住地、青森から電話を用いて相談されました。

 業績の概略は決まっているもののプレゼンの骨子は見えていませんでした。というのは、業績とは職業訓練学校での指導教材に関するものであり、電気設備の設計や施工の現場ではなかったからです。 このため業績について深くヒアリングしてプレゼンできる材料を探す必要がありました。

 本研究所の業績指導では、技術的体験チェックシートと呼ぶフォーマットを用いて体験に関する内容を逐一チェックしています。予めいただいていた技術的体験チェックシートの内容は次のようなものでした。

4. 技術的問題点と解決方法

4-1 技術的問題点

①    停電時に制御プログラムがリセットされるため復帰運転が困難である。 

②     

③     

4-2 解決策

①   復電時に制御プログラムを再開し復帰運転をできるようにした。

②    

③    

4-3 苦心して工夫したこと

①     〇〇リレーを使い停電時の状態遷移プログラムの工程を保持するよう工夫した。

②      

 停電対策の改善だけであって、業績の全体が見えない未完成状態でした。そこでヒアリングを行って確認したところ、この電気設備に関する業績は工場を施設の全体的な電力需要を低減できる省エネ波及効果は大きいものであるということがわかりました。そこで具体的にどうやって工場設備を省エネ化するかについて、実施例をもとに提案内容まとめてもらうことにしました。

 すると次のような技術的体験チェックシートが出来上がりました。

4. 技術的問題点と解決方法

4-1技術的問題点

①   動力系配線によるセンサ誤動作対策

②   三相誘導電動機による設備ピーク電力増大

③ 停電時に制御プログラムがリセットされるため復帰運転が困難である。

4-2解決策

①   動力系、弱電系の配線を制御盤に配線を集中させない。

②   インバータ導入により電動機運転の省エネ化及び電動機ごとの最適運転化。

③ 復電時に制御プログラムを再開し復帰運転をできるようにした。

4-3 苦心して工夫したこと

①   〇〇ネットワークでI/Oユニットを分散配置し、省配線化を図った。

②   〇〇設備パラメータを〇〇で設定することにより集中管理を図った。

③ 〇〇リレーを使い停電時の状態遷移プログラムの工程を保持するよう工夫した。

わずか2回目でここまで業績が具体化されるとは驚きです。この後は貢献内容を具体化していけばプレゼンとしては十分なものが出来上がります。

 私からの提案は、

  • 具体的な物件イメージ、業績の実施場所を示すことによって業績を具体化すること。
  • 提案内容を実施することによって、当初考えた目論見に対して進ちょく道はどうであったかを分析評価して、そのギャップに関する考察を行う。すなわちPDCAする

 以上2点を求めました。こうした具体的な業績イメージやその実施後に評価を行う事は体験がないと不可能なことです。そこで役立つのが雑誌文献検索です。本研究所の指導では

業績研究のほか過去問練習においても雑誌記事の検索によって専門的見解を示せるようにサポート

しています。同じ部門、同じ科目の技術者が、同じような業績によってどのような体験をして、業績からどんな知見を得ているか。優れた研究者は他者を導くことができるような有意義な発見する力を持っています。文献調査する事によってそのような研究者の知見から目ことが可能なのです。

 この文献調査とは、いわば体験しなくとも学べるバーチャルリアリティーみたいなものです、雑誌の記事や他者体験の盗用というイメージを持たれるかもしれません。しかし、実はこれが

雑誌文献を読んで学ぶという技術者の本来の務め(勉強)

なのです。

 技術士試験勉強と言いますとキーワードを暗記することが勉強のように考えられていますが、これは悲しい現状であって、本来の技術士の勉強ではありません。専門家としての知見を磨く為には、キーワードではなく専門家から直接学ぶ必要があるのです。そしてそのような専門家は日本に何人もいるわけではありませんので、文献から学ぶしかないのです。このため専門家の学びというものは必然的に雑誌や文献から得ることが欠かせません。本研究所ではそうした専門家としてのコンピテンシーを養えるように支援をしております

2018年10月18日 建設部門、都市及び地方科目の方の面談によるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

 この日のコーチングによる指導時間は19時00分から、1時間20分間行なわれ,その受講者様は建設部門、都市及び地方科目を目指す方で、東京都内のお勤め先から帰りに本研究所に立ち寄って面談で相談されました。この日は講座の業績分析用の教材である技術的体験チェックシートをもとにご説明しました。

  このS様の業績は駅のリフォーム設計の意匠計画に関する部分の貢献であり、それを文章化してプレゼンすることが、非常に困難をきたしておりました。まず技術的体験チェックシートでは、次の項目を整理します。

テキストの指導に従って項目を記入していくと業績論文が出来上がるようになっています。

1. 名称、時期

2. 立場 (指導監督的立場がわかるように)

3. 業務概要(物件・対策の概要、自分の成果・貢献を宣言する。)

①物件の規模、仕様

②応用技術

③自分の貢献

④成果

■講師コメント 

 上記部分は業績の前提条件であり、業務経歴をプレゼンする背景となることがまとまっています。このように前提事項を簡潔にまとめることで、貢献のプレゼンに集中できるようになっています。

 さて、業績のメインである、業績の問題点と解決策、工夫した点は次のようになっていました。

4. 技術的問題点と解決方法

4-1 技術的問題点

①駅の観光利用の促進:オフィス街の駅のため、観光客の利用が少なく、利用者低下のため経済効果の低下が予想された。

②従来型の手法でリフォームすると内装更新が中心となり、地元利用者にとって利便性が改善されず、路線イメージが全路線平均より10%低くなると予想された。

③設計の合理化:駅ごとの風情を差別化するには独創性を要し、デザイン費が15%かさむ。

4-2 解決策

①街の活気:美術館や祭りなど街の活気の顕在化と、歴史的遺産の修景モデルを作り、〇〇線の重厚さを演出し、観光利用者を5%増やした。

②路線の魅力を熟知した、駅員とのワークショップで全路線平均に比べ路線の魅力を10%向上させた。

③内装仕上げの選定には、創発デザインを導入し、トップダウンで作った枠組みに、ボトムアップで各駅ごとの素材を組み込む類比の原理で設計工期を25%低減した。

4-3工夫したこと

①    歴史のある駅遺構を博物学的遺産として場所に合わせて移築・補修等を工夫した。

②    出入口から電車に乗るまでの駅の印象を統一するようシークエンス景観を工夫した。

③    デザイン協調により、トップダウンとボトムアップを双方向にスパイラルアップ化することで、新しいデザイン解の創出を工夫した。

■講師コメント 

 業績内容がとりあえず出揃ったという感じで、まだ統一感がえられていませんでした。 こうした業績をプレゼンしやすい形に整理していくためには、まずはわかりやすい業務提案の柱を3つ程度設定する必要があります。この日のコーチングでは、業績内容をヒアリングして、問題点、解決策について3つの柱をそれぞれ設定してまとめてみました。 

  すると次のように系統的な内容として全体を整理することができました。このような骨格ができあがりますと、後は肉付きをしていけば良いだけです。

4-1 技術的問題点

①路線イメージ向上:

②デザイン性向上

③設計の合理化

4-2 解決策(技術的提案、4-1を改善に導いた方策)

①路線の魅力を熟知したタスクチーム

②創発デザインを導入し、トップダウン、ボトムアップ

③類比の原理を応用した図地フレーミング手法

4-3工夫したこと

①シークエンス景観

②トップダウンとボトムアップで伝達コミュニケーション

③内装デザインをモジュール化し、トーンアンドマナー

■講師コメント 

   どうですか。スッキリと設計概念がまとまって、プレゼンしやすい構成になっているということがお分かりいただけたでしょうか。

 さて技術的体験チェックシートは、さらにその先に、5. 解決策の妥当性 、6.現時点での評価、7.改善策、8.将来展望と続きます。その後これらの内容は次のようにできあがりました。

 5. 解決策の妥当性は技術士にふさわしい理由などを述べるところですが、説明が冗長となりますので省略します。

6. 現時点での評価

 駅ホームで類比の原理の自由度を高めたため、トップダウン側がデザイン目標を提示することで合理化を図った。しかし、実際は〇〇のためボトムアップ側の提案と乖離し手戻りが生じた。このことから類比の原理で自由度を高める一方、〇〇のため相補的関係性の管理が必要という知見が得られた。

7. 現時点での改善策

 相補的関係性の管理のためには、トップダウン側が提示した重要なトポロジー要素がボトムアップ側に正確に伝わっているか、両者によるデザ イン言語での意思確認が必要である。

8. 技術的課題、将来展望

 類比の原理は、トップダウン側が提示するデザイン目標の内容でボトムアップ側の提案が変わる。そのため、トップダウン側が重要なトポロジー要素をキーワード化し、提示するデザインをデザイン言語だけで伝えられるかの検証が重要である。

■講師コメント 

  このS様の業績はまもなく完成です。業績としてやったことをただまとめるだけでなく、他者と比べて独創的で汎用的な技術応用をプレゼンできると口頭試験での合格が確実なものとなります。このような方法で技術士試験は楽勝で合格する方法をご提案しています。

2018年9月30日 建設部門、施工管理科目の方のスカイプによるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

 この日のコーチングによる指導時間は14時から、1時間30分間行なわれ,その受講者様は建設部門、施工管理科目を目指す方で、居住地、兵庫県からスカイプを用いて相談されました。業務内容の詳細について現時点での評価として何を書いたら良いかわからないということでご相談をいただきました。

 一般的に業績論文のまとめには、成果や今後の展望を書いたりしますが、こうした内容が専門的知見を表すことから技術士にふさわしい資質能力を表現できると考えられています。しかし、専門的知見が独創性や技術的な工夫に富んだものでなければ逆効果となってしまいます。そこで本研究所ではコンピテンシーの観点から、各自の業績の中にどんな知見があったかを掘り下げる分析をやっております。それが技術的体験チェックシートの項目6、「現時点での評価」なのです。

 当初いただいた技術的体験チェックシートの項目6の内容は、下記のようなテンプレートに沿って受講者様が作成した文書でして、残念ながらこれを読んでも冗長だし、見識としての意味が不明で、このままでは論文には使えないと考えました。実はこの「現時点の評価」はとても難解で初回で正解できる方はほとんどいないのです。 本研究所では個別コーチングによって内容を分析しながら絞り込んで作成していきます。  現時点での評価は①〜④まで4項目ありました。それぞれコメントを申し上げます。

①舗装点検車により時速約60㎞で走行しながら非接触で赤外線計測し、全長14.4㌔を昼間2日で損傷調査を行おうとしたが、失敗したことは、計測時は昼間の計測であることから交通流への影響から時速60kmの走行で計測したことであった。この原因は、走行しながら走行位置をGPSで取得し、赤外線サーモグラフィカメラによる撮影のため、低速(時速30㎞程度)の方が誤差が少なく、より正確なデータが取得できると予測されるためである。この事態に至ったのは、昼間の低速(時速30㎞程度)走行により交通流への影響があった。また、他の路線の調査で時速70kmの走行でも計測が可能であったため、時速60kmの走行による計測するという判断を誤っていたことが原因である。これにより得られた知見は、計測時が交通量の多い昼間であるから時速60km〜70kmの高速で走行するのではなく、より精度の高いデータを取得するため、交通量の少ない時期を選定し、交通流への影響が少ない範囲で低速(時速30km〜40km)で計測するということである。

■講師コメント 60キロで計測したことがなぜ失敗だったのか。 60キロより30キロの方が誤差が少ない根拠は何か明らかではありません。こうした計測は高速である方が望ましいですから、少しでもスピードアップが開かれることを目指すべきです。ここではまず60キロ計測での問題点を分析し、技術的に改善し、ゆくゆくは100㌔を目指すべきだと考えます。

②舗装点検車により時速約60㎞で走行しながら非接触で赤外線計測し、全長14.4㌔を昼間2日で損傷調査を行おうとしたが、失敗したことは、赤外線計測装置は当初、マイクロボロメータ型赤外線サーモグラフィカメラを使用していたが、インジウムアンチモン型赤外線サーモグラフィカメラが適していたことが判明し、採用することとしたことであった。この原因は、マイクロボロメータ型赤外線サーモグラフィカメラは性能的に問題があるため、高速走行計測に不適であるため、インジウムアンチモン型赤外線サーモグラフィカメラが適していたことが判明したためである。この事態に至ったのは、マイクロボロメータ型赤外線サーモグラフィカメラが安価であるため、採用するという判断を誤っていたことが原因である。これにより得られた知見は、高速走行計測ではインジウムアンチモン型赤外線サーモグラフィカメラを採用するべきであるということである。

■講師コメント 赤外線サーモカメラの形式の違いによる分解の違いはあって当然です。この例ではマイクロボロメータ型赤外線サーモグラフィカメラより、インジウムアンチモン型赤外線サーモグラフィカメラの方が分解能が高いということですが、一方カメラの価格は後者の方が10倍くらい高いという問題があります。したがって、コストが許されるなら後者が良いに決まっています。ということでこのカメラの違いによる測定精度の改善は業務の改善にあまり寄与しませんし、第一、建設部門施工計画としての技術応用がほとんどありません。このため論文に取り上げる内容としては不向きであると考えました。

③赤外線計測法の検出精度を高めるため、RC高欄部にて精度因子を検証し、日射と外気温が支配因子と判明しその適格条件に従って計測したが、失敗したことは、赤外線計測ではひびわれが舗装表面に発生している場合は、表層側損傷なのか基層側損傷かを判別することが困難であった。また、可視画像で確認できなかった表面付着物をブリスタリングと一部判定した箇所があった。この原因は、赤外線計測法では遠隔で損傷の深さまでの測定や一部の微細な損傷の判別が困難であるためである。この事態に至ったのは、場合によっては複合調査等(目視調査、路面性状調査等)でひびわれや微細な損傷の状況を把握し、総合的な判断を行うことの必要性の判断を誤っていたことが原因である。これにより得られた知見は、必要に応じて複合調査等を行い、損傷の深さ等も判断する必要がある。しかしながら、内部構造が視覚化できていることから、内部 に大きな熱変状(滞水、ひびわれ)が発生しているときは、赤外線画像に温度変化として現れる。ということである。

■講師コメント この問題は部分的特殊性によって赤外カメラだけでは判断がつかない場所があるという課題を表しています。ここから得られる知見は、ジョイント部分など他要員での損傷が予想される場所では赤外カメラの他に物理探査の手法を用いて複合的調査を行う必要があるということである。

④打音試験、コア採取等の現地調査の結果より、不良個所を特定し、赤外線計測精度検証の試験箇所を選定したが、失敗したことは、不良個所を選定したが、排水性舗装の場合、舗装構成、施工年月の同じ条件でも、舗装や排水桝のドレインパイプの目詰まりで舗装と床板の間の滞水状況が異なっていたということである。舗装構成、施工年月の同じ条件でも複数個所を試験箇所として選定しておくと目詰まりと滞水の関連性を検証できたが、今回は数か所しか試験箇所を選定していなかった。 この原因は、排水性舗装の場合は目詰まりにより吸水されず舗装と床板の間に空隙があっても滞水しないことである。一方、排水桝のドレインパイプが目詰まりしていると排水桝へ排水されず舗装と床板の間に滞水してしまうためである。この事態に至ったのは、舗装構成、施工年月の条件が同じ場合であれば、滞水状況も同じであるとの判断を誤っていたことが原因である。これにより得られた知見は、舗装構成、施工年月が同じ条件でも舗装や排水桝のドレインパイプの目詰まりにより滞水状況が異なり、赤外線画像にも違いが現れるということである。

■講師コメント

 この失敗体験が表しているのは、排水性舗装において、雨天の後の排水が不十分な場合に誤差要因となる可能性があるということである。このためここから得られる知見は降雨の後は数日から数週間赤外測定を控えるいうことが必要であると言うことです。

⑤赤外線計測の適合因子、日射、気温について、上記①箇所での判別試験により最適条件として、晴天の昼過ぎ(13時〜15時)を割り出したが、失敗したことは、調査条件の異なる判別試験として11月〜2月の月別での判別試験を行ったが、月別での大きな傾向が見られなかったことであった。この原因は、月別では温度差に大きな違いが見られなかった。また、年間を通して行えなかったためである。この事態に至ったのは、月別によって季節や時期など(冬季より夏季が有利など)により検出の程度が異なると考え、調査条件の一つとして判断を誤っていたことが原因である。これにより得られた知見は、赤外線計測での損傷検出は月別では大きな影響はなく、天候や時間帯など他の要因が大きいということである。

■講師コメント

 この体験では、実施時期によって赤外計測の精度に差が生じて、季節による向き不向きがあるのではないか、という仮説を検証したわけです。結果はそのような傾向はなく仮説は棄却されました。このため一見成果はなかったかのように見えますが、この体験に解釈を加えて知見とする事は不可能ではありません。すなわち、外気温の違いによって赤外計測の差が生じるかと考えたが、実際には赤外計測に影響与える因子は太陽光の日射であり、この条件は年間を通して、晴天であればあまり大きな変化は無く、赤外カメラ計測に季節的な変化は無いということです。すなわち、厳寒期はコンクリート構造物自体が冷え切っており、少しの加熱で不良個所がくっきりと出るし、一方、夏期はコンクリート構造物の温度は上がるものの、それ以上に太陽光のエネルギーが増すために、不良箇所が大きく加熱されて、くっきりと表れるということです。

 このように、業務を遂行するのに根拠となるような前向きな知見を体験から獲得していくことが大事です。技術士という職務は人に教える務めであり、資格を取って指導的立場にたつ人が多いようです。その時に専門家として指導できるか否かは、上記で述べたような体験から得た知見があるかどうかにかかっています。 マニュアルの知識では、誰もが知っているために、そのような知見では人を導くことができません。

 専門家は専門家であるためには、過去の独創的な体験によって得られた知見を沢山保有して、多くの人が道の問題に出くわした時に明解に解決策を示すことが必要なのです。このため技術士試験問題では、そのような一般の人に解決方法わからない難解な問題をわざと提示して、他の技術者を導いて解決に至る道筋を示せるような優れたエンジニアの力を試しているのです。

 もしご自分の技術力や応用力が試されているとしたらどうしますか。知識を述べるだけでは自身のエンジニアとしての優位性を示すことはできません。こうした専門家としての技量を表出しなければならない問題に対して、本研究所では各受講者様のコンピテンシーの分析を行ない、問題ごとにベストの提案をして、試験官からの評価を高めることができるように答えの方向性をご提案しています。このコンピテンシーを高める行動原理は、試験だけでなく、現実の業務の中で「私の提案は会社で取り上げられることが増えた」ととう好評を博しております。 

2018年7月10日 機械部門、熱工学科目の方の電話によるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

 この日のコーチングによる指導時間は13時30分から、33分間行なわれ,その受講者様は機械部門、熱工学科目を目指す方で、居住地、東京から電話を用いて相談されました。機械部門熱工学のA様は過去問Ⅲ問題を解いてこられて実力をつけられてきました。  しかし、次の段階としてⅢ問題を解こうとしたところ、急に問題の答え方のスタンスが違うことに気づかれて苦労されていました。Ⅱ問題では機械部門・熱工学の専門知識や応用的主体でしたが、一方Ⅲ問題ではマーケットの熱工学技術成果に対する需要や技術応用の知識が要求されるからです。熱工学と異分野との融合の意味がわからずに苦労されていたのです。具体的に問題をご説明しましょう。問題文は次のようなものでした。

Ⅲ-1 熱システムは空調や発電など多岐に渡る分野で活用されており、近代社会の基盤を支えてきた。一方、市場のグローバル化や製品の多様化に伴い、従来の熱工学に基づくシステムと、通信技術・人工知能・バイオテクノロジーなどの異分野の技術を融合し、新たな価値を生む製品開発が積極的に行われてきている。異分野融合による製品力の向上に努めないと、いずれ競争力を失ってしまう可能性がある。このような状況を考慮して、熱システム設計者として以下の問いに答えよ。

(1)最新の異分野融合が行われている熱システムを1つ選び、その熱システムにおいて生み出される新たな価値を3つ挙げ、その内容を多面的な観点から説明せよ。

(2)(1)で挙げた価値のうち1つ選び、製品競争力をさらに強化するために、熱システム設計者として、将来必要になると考える異分野技術融合の提案を示せ。

(3)(2)の提案の効果と想定されるリスクについて論述せよ。

解答

1.ヒートポンプ給湯器の学習制御

1−1.使用者に応じた最適熱量の提供

 過去の使用実績から翌日に必要な湯量を予測し、夜間に沸き上げる熱量を最適化。

1−2.残り湯熱の回収による省エネ

 湯船の残り湯の熱を貯湯タンク側へ回収することで、翌日に沸き上げる熱量を低減する。

1−3.省エネ保温

湯船の水位が上昇した時のみ保温を実行し、保温によるエネルギーロスを低減する。

2.エネルギーマネジメント

 家の中に存在する家電製品や太陽光発電、蓄電池をIoT連携し、エネルギー使用量を最適化するエネルギーマネジメントが必要である。

2−1.HEMSによる高効率運転制御

 家庭における危機の使用状況を監視しながら、エネルギー授受を行う。消費エネルギーを平準化し、機器を個々に制御するよりも高効率な運転を実現する。

2−2.BEMSによる熱融通

商業施設内の熱システム設備について、BEMSによって統合制御を実施する。排熱の流量や温度等を把握し、吸着式ヒートポンプによって生成した冷却水を排熱設備の自己冷却や他の空調システムへ活用できる。

■講師コメント 問題文は(1)で挙げた価値、すなわちここでは(1使用者に応じた最適熱量、2残り湯熱の回収、3省エネ保温)のうちから1つ選び、

製品競争力をさらに強化するために将来必要になると考える異分野技術融合の提案

 を求めています。まず、1つ選んだのはどれですか。それを宣言しなければなりません。

また、将来必要になると考える異分野技術融合の提案とは上記のようなことではないでしょう。これらはすでに実現されていますし、異分野技術融合と言えるか疑問です。

3.提案の効果と想定されるリスク

3−1.提案の効果

 機器の消費電力を太陽光発電と蓄電池によって完全に賄うことが可能となるため、買い電力をゼロにすることが可能となり、エネルギーとして自立あるいは大幅に削減した熱システムを提供できる。

3−2.想定されるリスク

エネルギーマネジメントによって、機器や熱システムを統合制御するため、システムがサイバー攻撃を受けた場合、一部あるいは全ての機器について動作できなくなるリスクがある。対策として、ウイルス対策機能を有効化することが必要である。

■講師コメント 残念ながら解決策の提案に誤りがあるので、それをもとに回答した効果やリスクは、方向違いのものとなってしまって正解にはなりません。

まとめ

 この問題の解釈で見られたように、技術士の問題はいかに難しいかということがお分かりいただけたかと思います。単に技術的な知識があるだけでは問題に答えることができません。部門、科目の置かれた状況や今後の開発動向が見通せなければ回答する事が出来ないのです。

 本研究所のコーチング指導ではこうしたエンジニアの未来志向の提案を求める問題対して、マーケット動向や技術の現状を把握して、ベストの提案をできるよう指導しています。 その根本になるのは日本経済の現況を知ることであり、毎日経済新聞を読むなどして市場動向をつかむことに努めておりますので、このような指導は可能なのです。

 コーチングがいかに役立つかご理解いただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせて指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。皆さんの技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています。

2018年4月18日 電気電子部門、情報通信科目の方のスカイプによるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

この日のコーチングによる指導時間は21時00分から、1時間15分間行なわれ,その受講者様は電気電子部門、情報通信科目を目指す方で、居住地、東京からスカイプを用いて相談されました。

H29年Ⅱ-2-2 問題 電気電子部門、情報通信科目

 近年、次世代の情報通信ネットワークを用いた新たなユースケースの実現が注目されている。その1つとして、工事現場から数10km以上離れた地点から、オペレータがブルドーザ等の重機をリアルタイムで遠隔操作する土木工事アプリケーションがある。あなたは、そのアプリケーションを実現するプロジェクト担当責任者として技術検討を進めている。このプロジェクトを進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。
(1) 上記プロジェクトのフィージビリティスタディを進める際の手順について説明せよ。
(2) 上記の遠隔土木工事アプリケーションを実現する際に必要な、情報通信の観点からのシステム要件を4点挙げ、その内容を説明せよ。
(3) (2)で挙げたシステム要件のうちの1つを取り上げ、その要件を満足する情報通信インフラにおける技術手段について説明せよ。さらにその技術手段を実施する際に留意すべき事項を述べよ。

解答
.重機遠隔操作フィージビリティスタディ手順
a)アプリケーションの無線通信操作確認
 重機を既存アプリケーションで使用し無線通信で操作が可能であるかを確認する。
b)重機取付監視カメラ取得画像データの無線受信確認
 画像データ再生に途切れが無い様受信処理速度が十分か無線受信状況を確認する。
c)工事現場と遠隔地からの制御確認
 遠隔地からの有線LAN制御信号で工事現場にある重機を動作できるか確認する。
2.実現に必要なシステム要件
 a)無線通信の所用伝送容量
①操作制御用データ(4kbps)、②監視カメラ画像データはカメラ台数を前後左右の4台として250kbps/台とし、4カ所分のデータは1Mbpsとする。
データフレーム同期信号、誤り訂正用冗長符号を含め、合計2Mbpsの伝送容量とする。
b)無線通信方式
 2Mbpsのため、通信方式はLTEの方式同等とする。操作制御と画像データのチャネルを分けOFDM方式とする。無線通信通達性を考慮し周波数帯は700MHz帯とする。
c)通信誤り訂正方式
 誤り訂正方式には、リードソロモン符号とビタビ復号の併用を採用する。これは、重機の無線電波が遮断された際にバースト性誤り、工事現場では重機が発生する空間雑音でのランダム性誤りに対して訂正能力を強化する目的である。
d)ストリ−ミング転送方式
無線で取得したデータを数10km離隔した遠隔地との通信をリアルタイムで行う事ため、有線LANを使用する。画像データはリアルタイム性の他作業記録を残すため、リアルストリーミングでなくプログレッシブストリーミング方式とする。
3.重機遠隔操作の無線通信システム
a)無線通信方式の技術手段
工事現場無線基地局に適用する通信技術は、重機の制御、画像データ送受信のため、データ量が多くなる。高速伝送で実績のある4G通信技術を適用する。
b)通信方式適用に関する留意点
①無線通信に関して遮蔽物やマルチパスの対策に留意する。工事現場無線基地局の空中線を複数準備し空間ダイバシチ技術で無線信号強度を確保する。
②無線伝送が高速処理であるので、消費電力が大きい。無線装置の電源容量が十分であることに留意する。

Ⅲ問題 課題に対して、汎用的に対応するとは。応用力の難易度が高まっている

問題文
世界中の様々なモノと人を含むあらゆる存在がインターネットにつながるIoTが進展しており、従来にない価値創造や課題解決に資する事例も現れつつある。そのIoTの適用分野の中でネットワークの果たす役割は大きく、IoTの進展に関わる課題として、各国が共通して認識している課題に「ネットワークインフラ整備」及び「ネットワークの高度化・仮想化」が挙げられている。このような状況を踏まえて、情報通信ネットワーク分野の技術者として、以下の問いに答えよ。
(1)IoTの適用分野を代表的な産業・用途にカテゴライズして記述せよ。その上で、IoTの適用分野におけるネットワークシステムとして、様々な産業・用途をカバーするために考慮すべき代表的な、IoT固有の要件を3つ挙げ、それぞれに対する課題について説明せよ。
(2)(1)で挙げた3つの課題すべてに対して、それらを解決するための情報通信分野としての具体的な技術的対策を提案せよ。
(3)(2)で提案した技術的対策がもたらす効果、及び新たに浮かび上がってくるリスクについて説明せよ。

解答
.ネットワーク整備でのIoTについて
a)IoT適用分野の用途別カテゴライズ
1)工場の工程管理
2)道路の交通量監視
3)家庭のエネルギー管理
b)IoT適用分野での固有な要件と課題
1)工場での作業機器結果データ収集 ・課題:工場内での多種なIoT機器の電波干渉を防止しデータを収集する。
2)道路の自動車混雑状況に関する情報収集 ・課題:自動車とIoT送受中継器との十分な送受電波強度を確保し、情報を収集する。 
3)家庭の電気エネルギー使用状況収集 ・課題:隣り合う家屋でIoT機器同士をネットワーク化し使用状況データを収集する
2.IoTを有効活用に関する技術的提案
a)無線通達性の技術的対策
IoTで使用される周波数は900MHz帯である。しかし、工場、道路、家庭のIoT機器の位置関係では無線通達性が悪い可能性がある。そこで、通達性を改善する方法として、空中線だけに頼るのではなく、電波漏洩ケーブルを併用する事を提案する。これにより最も強い電波強度を確保できる。
b)具体的な施策
①工場の場合:IoT機器の空中線を工場の天井近くに配置し、そこまでの接続に使用する。②道路の場合:IoT機器の空中線は電信柱等を利用して固定し、そこに無線中継器を配置ところまで接続する。③家庭の場合:家屋の屋根に空中線を配置する。IoT機器とはそこまで接続する。
3.技術的対策の効果とリスク
a)電波通達性向上の効果
提案した技術対策の効果は、無線電波の通達性が改善され、情報収集が可能となり、ビッグデータ解析により各々の情報が有機的に活用できる。
b)浮かび上がるリスク
IoT機器は増加する傾向にある。仮に、停電等で電源系に異常があった場合、集中管理機能が逆にボトルネックとなる可能性がリスクとして顕在することになる。

       コーチングがいかに役立つかご理解いただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせて指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。皆さんの技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています。

2018年4月12日 衛生部門、空気調和科目の方のスカイプによるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

 この日のコーチングによる指導時間は21時00分から、1時間行なわれ,その受講者様は衛生部門、空気調和科目を目指す方で、居住地、東京からスカイプを用いて相談されました。

問題と解答はこうでした。

ZEBの定義ZEB計画設計の手順ZEBの課題と解決策 ZEB運用時の考慮

解答

1、ZEBの定義と概要
①ZEB Ready:50%以上省エネ
②Nearly ZEB:再生可能エネルギーも取り入れて正味で75%以上省エネ
③ZEB:正味で100%以上省エネ
2、 ZEB計画設計時の手順と考え方
① 建物躯体の高断熱化や自然エネルギーの活用(自然採光・自然換気)により建物にかかる負荷を抑制する。
② 省エネルギー技術を導入する。(高効率熱源機、全熱交換器、LED照明の採用)
③ 太陽エネルギー等の再生可能エネルギーを導入して(太陽光発電、太陽熱利用暖房・給湯等)、可能な限り、ネット・ゼロに近づける。
3、 ZEB普及の課題と解決策
1) 課題点
高層の大規模建築物等では屋上面積が限られ、エネルギーを創ることに限界がある。我が国では、欧米諸国に比べて中高層の比率が高い建築物が狭隘な土地に建設される傾向があり、ZEB実現は技術的にハードルが高い。
2) 解決策
実例を増やし、きちんと評価することが重要である。50%以上(ZEBReady)の省エネを満たした上で太陽光発電等でエネルギーを創り、正味でゼロ・エネルギーを目指す。ZEBにすることで居住者が省エネ効果を実感し、行動が変わる。エネルギー消費が見える化され、管理が適正化される。こうしたベストプラクティスを収集することが重要である。ZEBの実現可能性を試算し、きちんと評価することが狙いである。
4、 ZEB運用時の考慮
建築物のエネルギーエネルギー消費が見える化され、管理が適正化される。PDCAサイクルで、4段階を繰り返すことによって、継続的に省エネ改善する。
(P:Plan削減計画、D:Do省エネ実行、C:Check現状把握、A:Act現状解析)
空調を制御するためには室内に温度センサーを取り付けるが、取付位置が重要である。普段人のいる場所や空調の風が直接影響しない場所を選ぶ。居住者から体感温度等のクレームがでないよう考慮する。室内温度が1度上昇すると、生産性が2%低下、3度上がれば6%低下する。ZEBの推進により、快適な環境を生み出すことが生産性の向上に結び付く。

 問題の真の原因が見えていなかったので、コーチングによって根本原因を突き止めることにしました。

  • ビルオーナーがどうしてZEB実施に踏み切れないか
  • マイホーム住宅オーナーがどうしてZEHに踏み切れないのか

これらの疑問点について考えてみました。

答えは、コストがかかるのでコストダウンするしかない。そのためにはどうするか、

  • 設計法の自動化
  • ベストブラックティスを集めて、成功しやすくする。
  • 格付け制度で建物付加価値

などの方法が考えられます。

「4、ZEB運用時の考慮」についてはいかがでしょうか。

これは、最適化しかなく、その方法論が課題であると気付きました。ではその現実的な答えは何かというと、

  • コミッショニング
  • 省エネ改修ESCO事業

というようなことが相当するのではないかとご提案しました。  技術士問題では問題文の問いかけはシンプルでも答えは何通りも考えられて焦点は絞りきれず、その結果誤った方向に考えが進んでいってしまって、大幅に減点されて不合格となるケースが多いようです。本講座のコーチングでは、このような全体を見通した正解への方向性の掴み方を、問題の解答を通して一つ一つご説明しております。

 このため、答案の答えが全くわからなくてて、解答の糸口がつかめないというような、勉強が進まない状態はほとんど生じないようにしております。また添削回答については、いただいた日の即日、または翌日にお返しするようにしておりまして、受講者様はお考えになった記憶の新しいうちに、復習が可能です。ともしそこで理解できないことがあったとしても、すぐに電話、スカイプ、面談といった方法で疑問での解決が可能です。こうした深い理解を助ける手法で合格率を高めておりますのでどうかご安心ください。 

2018年4月6日 建設部門、施工管理科目の方の電話によるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

この日のコーチングによる指導時間は11時00分から、30分間行なわれ,その受講者様は建設部門、施工管理科目を目指す方で、居住地、東京から電話を用いて相談されました。Ⅲ問題についてリスクがわからないとのご質問でした。

問題文
 我が国では、近年、平成23年3月東日本大震災、平成26年8月豪雨、平成27年9月関東・東北豪雨、平成28年4月熊本地震など、各地で自然災害が発生している。このように、連続する大規模地震、津波や集中豪雨のように、いままで経験したことのない自然災害が発生している。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)我が国の自然災害に対するインフラ、公共施設の社会資本の防災・減災に向けた対策における問題点、克服すべき課題について、幅広い視点から概説せよ。
(2)上述した課題を踏まえ、鋼構造の分野において、あなたが最も重要と考える技術的課題を2つ挙げ、それぞれについて解決するための技術的提案を示せ。
(3)あなたの技術提案それぞれについて、それらがもたらす効果を具体的に示すとともに、その技術的提案を実行する際のリスクや課題について論述せよ。

解答

(1)問題点、課題
1)インフラを粘り強い構造とする
自然災害でインフラの脆性破壊・全体崩壊が生じた場合、人命に危険が及ぶ。このため、従来の耐荷力増加対策に加え、塑性変形の許容によりインフラを粘り強い構造とする必要がある。
2)維持管理のコスト低減
インフラの防災機能を発揮するためには、部材が健全であることが前提となる。しかし、予算不足の状況下では、全施設への維持管理の継続が困難である。このため、インフラの周辺環境や重要度及び要求性能に応じた維持管理により、コストの低減を図る必要がある。
3)技術者の確保
インフラは災害時の救援活動拠点となるため、早期復旧が必要であるが、技術者が不足している。このため、産学官が連携した人材育成、残業時間の削減や週休二日制の導入等で労働環境の改善を図り、技術者を確保する必要がある。

(2)重要な技術的課題と技術的解決案
課題1)鋼橋を粘り強い構造とする
提案1)鋼橋の優れた塑性変形能の活用、部分破壊の許容および地震エネルギーの吸収により、全体崩壊・脆性破壊を抑える。
①塑性設計
FEM弾塑性解析で特定した崩壊時の塑性ヒンジの回転角と全塑性モーメントMpで崩壊荷重を算出し、部材の全体崩壊に対する安全性を照査する。また部材断面は、局部座屈が生じること無くMpに達することができるコンパクト断面を導入する。
②制震設計
犠牲部材である鋼材ダンパーを鋼上部工部材または上下部工間に設置し、鋼材の弾塑性履歴による減衰付加により地震エネルギーを吸収することで、橋体の全体崩壊を防止する。また、免震支承を併用により、優れた復元力を付加した合理的な制震設計とする。  
課題2)鋼橋の維持管理のコスト低減
提案2)性能照査型設計法の導入により、鋼橋の重要度の高低に応じた維持管理手法を設定し、効率的な維持管理予算の配分を行う。
①重要度が高い橋への維持管理
緊急輸送路や設計耐久年数が大きい橋は、社会的重要度が高いため、予算の集中投資によるフルスペックの維持管理で長期間に渡り部材機能の低下を防止する。具体的には、ICTを活用した自動点検(センサー・赤外線カメラ等)による損傷の早期発見・補修や長寿命化工法(金属溶射・クラッド鋼等)の導入により部材の高耐久化を図る「予防保全型維持管理」行う。
②重要度が低い橋への維持管理
利用頻度が少なく残寿命が短い既設橋は、架け替えや撤去までの短期間のみ部材機能の低下を防止できればよい。よって耐久性が低い工法(Ra-Ⅲ等)や簡易点検(遠望目視等)等の低予算での維持管理を行う。

 (3)効果・リスク・課題
1)塑性設計について
①効果:脆性破壊・全体崩壊を防止することで住民の避難時間を確保し、人命を守ることができる。
②リスク:a)地震後の塑性化断面の耐荷力が不足した状況下において、住民や車両が鋼橋を通行した場合、崩壊が生ずる危険がある。
b)FEM弾塑性解析は設計負荷(入力やモデル化が複雑)が大きく、解析結果の善悪の判断が困難で設計ミスに気付かない恐れがある。
③課題:a)活荷重に対する塑性断面の耐荷力照査や塑性化部材を削除したモデルでの解析により、通行荷重の制限や補強部材の設置を検討する。
b)プッシュオーバー解析等の大変形を前提とした準静的解析や損傷事例との対比チェックにより、設計ミスを防止する。
2)重要度の高低に応じた維持管理
①効果:全施設に対するフルスペックの維持管理が不要となり、コストの低減と維持管理の継続ができる。
②リスク:重要度の低い既設橋に設定した残寿命が実際の残寿命より短くなる場合、採用した工法が耐久年数不足となり、損傷が発生・拡大する。
③課題:劣化シュミレーションで残寿命の設定精度向上を図る。

ここからは添削、コメントです。

2)重要度に応じた維持管理
①効果:全施設に対するフルスペックの維持管理が不要となり、コストの低減と維持管理の継続ができる。
■講師コメント  これはアセットマネジメントの目的であり、この対処を始める上での前提であったはずです。それが実施した結果の効果になるというのでは、当たり前すぎて答案の答えとしの意味がうすいです。わかりやすすぎて技術士試験の解答として価値がない(点が取れない)ということです。もう少し二次的発展的な影響も含めた広い意味での効果をお考えください。

②リスク:劣化の進行が想定より速い場合、重要度の決定時に設定した寿命より実寿命が短くなる。この状況下で予算が不足し、追加の維持管理が不可である場合、損傷が発生や拡大が生ずる。
■講師コメント  ここで分析するのは提案内容すなわち「重要度に応じた維持管理」のリスクです。
「決定時に設定した寿命より実寿命が短くなった場合」は、計算誤差であり、そのことはこの提案内容の責任範囲外ということになります。
 さらに付帯条件として「予算が不足し、追加の維持管理が不可である場合」も付け加えるとしたら、それも責任範囲外です。
 そしてで2つの条件が同時に起こった場合に限定することは、非常に狭い前提条件の時にのみ成り立つ、いわば汎用性の小さいリスクということになり、答えとしての価値が低下してしまいます。

 そして「重要度に応じた維持管理」をどんどん進めていったらどうなるか、仮想の例に置き換えて考えるべきことをお話ししました。
 コーチングの結果、「重要度が高い橋への集中的な維持管理」という方策に対して、「緊急輸送路や設計耐久年数が大きい」というだけで社会的重要度を設定することは無理があることが判明しました。すなわち重要度はデータ分析により判断すべきものであり、その判断にはリスクが伴い、若手技術者なら誤る可能性が高いことを言うように指導しました。
 重要度設定から見直して、そこに専門家としての見識を表現する、その様なことが技術者コンピテンシーを高めることに役立つことを申し上げました。      

2018年4月5日 船舶海洋部門、海洋空間科目の方の電話によるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

 この日のコーチングによる指導時間は10時30分から、30分間行なわれ,その受講者様は船舶海洋部門、海洋空間科目を目指す方で、居住地、東京から電話を用いて相談されました。技術的体験チェックシートの項目6、現時点での評価について話し合いました。この項目6では技術や社会情勢の変化、自分のレベル向上を考慮した上での反省点を挙げ、そこからpdcaの結果として専門家にふさわし発見知見を分析するものです。 М様は、講座のフォーマットに従ってテンプレートに当てはまるように分析されました。

 (解決策の提案に書いた方策を実施して)失敗したことは、・・・であった。排出されてきた掘削による地層流体が海上の船内で処理できる量を超えていたことであった。この原因は、・・ためである。深海のパイプ内への侵入流体の検知が遅れたためである。この事態に至ったのは、・・の判断を誤っていたことが原因である。地層流体の侵入を検知できる閾値の判断を誤っていたことである。これにより得られた知見は、・・ということである。体積変化の検知器は船上に設置されていて、深度が大きくなるほど体積変化の検知は遅くなり、検知器の作動よりもずっと前に深部では体積の変化が起こっていた。そこで、体積の変化をより早く検知するには検知器をより深い場所へ設置することが有効である。

 ここでどのように書けば専門家らしい知見がまとめられるか。

 例えば、水深1000mで発生したガスが100mまで上昇してきたら圧力が10分の1になり、体積が10倍になる・・・では当たり前すぎて読む価値はないでしょう。状態方程式の体積変化だけでは一般的な定理に過ぎないのです。

 なぜこのような知見を求めるのか・・・。それは専門家としての見識をチェックするためです。
そのためには一般的な定理だけでは解決できない、深海の問題を解決する知見を示すことです。

 それに対して現時点での改善策として、М様は次のようなことを挙げていらっしゃいました。

地層流体の侵入を検知できるセンサを船上ではなく海底に設置した装置に取り付ける。 フラッパーや液面の高さの変化以外の方法として、耐圧構造をもった電磁流量計を使用する。

 このような、一般的な定理だけでは推論することはできません。海洋環境工学に関する知見や提案を示すことが専門家らしさを表すことになるのです。

 本研究所では、こうした技術者コンピテンシーの原理に基づいてチェックシートやテンプレートを用意して、無理なく専門家としての視点が現れるように指導しております。      

2018年4月2日 船舶海洋部門、海洋空間科目の方の電話によるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

 この日のコーチングによる指導時間は19時00分から、1時間20分間行なわれ,その受講者様は船舶海洋部門、海洋空間科目を目指す方で、居住地、東京から電話を用いて相談されました。サブシー防噴装置の長期保全用防錆処置工事についてです。この装置は何を目的として製作されたのか。今回その成果は得られているのかといったことが焦点となりました。

 業務内容の詳細にを検討するための講座のフォーマット「技術的体験チェックシート」は次のように書かれていました。

■講師コメント ↑この装置はなにを目的としているのか。今回その成果は得られているのかを
タイトルで
表すことが必要です。

2. 立場 (指導監督的立場がわかるように)
品質管理の責任者として、施工の計画立案と管理を行った。
3. 業務概要(物件・対策の概要、自分の成果・貢献を宣言する。)
① 物件の規模、仕様、難易度等
漁業盛業期間中の港湾内に停泊中の作業船上
② 応用技術(技術名) 
大水深油圧制御技術、防錆技術 ここでは海洋関連がメインとなるようにしてください

■講師コメント ↑これはどこに応用しているのか。応用とは判断、実行、成果を得ることを指します。

③ 自分の貢献(〜を〜したこと)
海上〇〇装置維持管理の低コスト化と長寿命化
④ 成果 (コストダウン、品質向上、リサイクル、環境負荷低減、安全性向上など)
油圧回路を用いた薬液循環による工事費用総額50%削減、薬液排出による汚染防止
4. 技術的問題点と解決方法
4-1 技術的問題点(目標と現実の差、被害、望ましくない状況。業務課題ではない)
① 海水や潮風の影響により、電飾防食は効果が早くなくなる。また、回路内部の防錆処理も含まれるため、塗料を使用できない。

■講師コメント このような制約があるなら、普通はどう対処しているのか。従来法は?

② 緊急事態に仕様する危機であり作動時間が最小限になるよう設計されているため使用後の作動液は全て船外へ排出される設計になっている。

■講師コメント このことの何が問題なのか意味不明です。成り行き的にそうなっているなら従えばよいだけです。

③ 解放回路から循環回路への恒久的な改造は国際規格により禁止されている。

■講師コメント では普通はどう対しているのか。従来法で問題なく処理できるのでは?

4-2 解決策(技術的提案、4-1を改善に導いた方策)
① グリコールを防錆剤として使用する。
です

■講師コメント この薬剤の使用に際して難しい点は何か。提案の技術応用はどこにありますか?
 

② 薬液の海洋への排出抑制と船上での保管量制限を解消するため、開放系を循環系に変更し薬液を回収、再利用する。

■講師コメント 保管量制限を解消するとはどういう趣旨か?

③ 復旧可能な範囲で解放回路を35MPaの耐圧構造を持つ循環回路へ改造し、施工後に開放系へ復旧する。

■講師コメント 開放→耐圧→開放 この意味がわかりません。②③は同じことのダブりです。

4-3 苦心して工夫したこと(解決策を検討、遂行する上で工夫した事、アイデア、考察)
① 耐圧の向上と柔軟性のトレードオフを、据付の固定配管と高圧用ホースを組み合わせた回路を考案することによって両立し、復旧作業時間と工事費を節約した。

■講師コメント トレードオフ? つまり耐圧ホースさえあればできることではありませんか?この両立はそんなに難しいことですか。

② 流量調整機構と減圧機構を組み合わせた回路により、性状判定用の薬液の採集と基準外の薬液の分離を安全に行えるようにした。

■講師コメント やったことの目的と手段、結果だけがかかれています。これは工夫の説明なのか、記述されている意味がわかりません

5. 解決策の妥当性(業務に対する評価、改善効果、目標到達度も書く)
5-1 独創性、先駆性はあるか(独自性がある。ただ単に「他事例がない」ではだめ)
海中で使用する機器の防錆を電極、脱気、塗装以外の手段で行なった。

5-2 応用性、汎用性はあるか(同技術のマーケットの大きさ、市場貢献可能性)
〇〇作業船に必ず設置されている〇〇装置で適応できる。海洋開発用の施工機械の増加に伴い需要が見込まれる。

5-3 経済的評価(事業主、クライアントの利益(省エネ量、もうけ、節約金額)
業界全体で薬液の需要が上がり入手困難になる可能性があるので、回収効率の改善が重要。
工場への輸送費用、薬液の運搬費用、保管倉庫の賃料、廃棄費用も抑制できる。

5-4 環境保全効果
使用した薬液は適切な処置を施してから廃棄するため環境への影響を最小限に抑えることができた。

6. 現時点での評価(技術や社会情勢の変化、自分のレベル向上を考慮した上での反省点)
 下の1〜4の文に当てはめて書いてください。
1 失敗したことは、注入後の薬液の汚染であった。
2 この原因は、薬剤と作動液のグリコールの濃度である。 濃度がどうしてか?
3 この事態に至ったのは、グリコールとラバー製品の反応性に対する判断を誤っていたことが原因である。 化学的知識の欠如では?
4 これにより得られた知見は、グリコールによる金属の腐食防止とパッキンの劣化速度の変化である。

■講師コメント 部品、材料のレベルにとどまっていて、海洋工学の技術を高める知見にはなっていません

7. 現時点での改善策(最新の解決方法、法規制、コスト安、海外輸入品など)
 水とグリコールの混合物とパッキンが反応し、油圧よりもパッキンの劣化が早い報告が最近になった報告され始めている。対策案としては耐水性の高いパッキンへ交換と反応性の低い薬液の開発がある。薬液の反応性が低いことは生体への影響も抑制される効果が期待される。

8. 技術的課題、将来展望(まだ残っている改善すべき点、今後の動向予測)
 海洋・深海底開発技術の進歩が要求されておりそれに、伴って海底に降下する機器の保全に関してさらなる経済性と簡略化が必要である。

 業績の問題点、解決策、今後の課題など一通り書いていただきましたが、結論として得られた知見は業績の本質的な物とはなっていませんでした。これでは技術マネージャー物の一貫性を疑われかねません。当初計画したことと、実際に取り組んだこと、それから完成後に検証したこと、これらは一直線上に並ぶことによって専門家らしい一貫性が打ち出せるのです。もしこれがその時々の成り行きで、技術の視点はバラバラとなったしたら、一貫性を持たないただの下請的な作業者と受け取られてしまいます。

 本研究所では技術的体験チェックシートによってエンジニアの業績を隅々までチェックし、貢献や成果を明らかにするとともに、最終的に打ち出された受講者様の業績が技術士にふさわしいものであるかを確認し、もし不十分と考えられた場合は改善を指導しています。その時、なぜ答案の記述が技術士にふさわしいものと言えないのか、といったコンピテンシーの尺度についてもケースバイケースでわかりやすくご説明しています。このためご自身では業績の中の何処が技術士にふさわしいといえるかわからない方でも、コーチング指導によって、試験官から見た場合の評価は明確にわかるようになり、自信を持って口頭試験に臨めるようになります。

2018年3月29日 衛生部門、空気調和科目の方の電話によるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

この日のコーチングによる指導時間は21時00分から、40分間行なわれ,その受講者様は衛生部門、空気調和科目を目指す方で、居住地、東京から電話を用いて相談されました。解いている問題は医薬品工場の3室の空調設備設計に関するもので、この日は「バリテーション適格性評価」が疑問の中心でした。

問題文

Ⅱ-2-2 医薬品固形製剤工場の建設に当たり,空気調和設備の設計を担当することに なった。その中で,空調ゾーニングにおいて,内部発熱の異なる3室の製造室を同一系 統の空調機で空調する。室内条件は3室とも同一であり,次の通りである。

 ・室内面積:40 m2,天井高さ3m

 ・室内温湿度:24℃±2℃, 50%±10%

 ・清浄度:JIS B 9920による清浄度クラス7 (Fed.Std.209Eクラス10000)

 ・製造時間:24時間対応(非製造時あり)

 医薬品製造施設特有の留意事項に配慮し,’次の問いに答えよ。

(1)製造室の清浄度を維持し,医薬品の汚染を防止するための室圧制御において,影響を与える要因を6項目挙げよ。

(2) 3室の製造室系統の空調ダクトフローシートを簡潔に図示せよ。図には,コイル,

  加湿器,フィルター,温湿度センサー,室圧制御関連装置など必要なものを記せ。ただし,3室とも交叉汚染に配慮し開口部を般けることはできない。

(3)本計画特有の空調設備に関わる省エネルギー対策を3項目挙げ,簡潔に説明せよ。

(4)空気調和設備の予測的バリデーションにおける適格性評価(クオリフィケーション)を4項目挙げ。それぞれの実抜事項を簡潔に述べよ。

解答

4、バリテーション適格性評価
①室内温湿度測定
室内の温湿度状況を温湿度計で測定。対象室の温度及び湿度が設計条件を満たしていること。1分間隔、1h測定。(平均値又は時間的な変動で確認)
②風量換気回数
管理上の上下限値を満たすこと。また、低換気回数(1時間あたりの部屋の空気の入れ替え回数)を越えていること。風速試験で求めた風速とエアフィルタの有効間口寸法から時間当たりの風量を算出する。求めた風量と室容積で換気回数を求める。
③浮遊微粒子濃度試験(清浄度測定)
 パーティクルカウンタで、浮遊微粒子の個数を測定する。対象粒子径0.5、1.0、5.0μm。測定点数10。測定高さ床上1m。測定回数1ポイント3回測定。サンプリング量28.3L/min(1CF)。
④気流可視化
気流可視化装置に純水、液体窒素を注入する。トレーサ発生ノズルを、気流方向を確認したい場所に置く。トレーサを発生させ、トレーサの流れる方向により気流を確認する。デジタルカメラまたはVTR記録。

④気流可視化 トレーサで可視化して、気流が吹き出し口から、製剤作業域にダイレクトに到達しているかを見る。

 このような問題では環境を目的の状態に維持するために何をどうするかという制御項目を正しく挙げる必要があり、その一方で「予測的バリデーションにおける適格性評価(クオリフィケーション)」というよくわからない要求に対して適切に答えなければなりません。

 技術士試験問題は部門科目によってはこのようなとことん難解な問題と成り得る場合があり、その時はいくら考えても答えがわからず、最終的には正解と思われる答えを提示してもらえないと前に進めません。 このため本講座では、一応ご自身で回答を試みていただいて、どうしてもわからないというときは、今回のコーチング指導のように講師がともに考えて答えを導くということをやっております。この結果、全く答えが分からないで勉強が挫折してしまうという問題は1度も陥ったことがありません。
 問題について苦手意識を持たれていて、書き方がわからない可能性があるとお考えの方でも、必ずサポートによって解決方法見出せますのでどうかご安心ください。

2018年3月28日 機械部門、流体力学科目の方の電話によるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

 この日のコーチングによる指導時間は20時00分から、50分間行なわれ,その受講者様は機械部門、流体力学科目を目指す方で、居住地、広島から電話を用いて相談されました。Ⅱ-2-1問題について、添削が続いたにもかかわらず正しい方向に解けていない状況なので、電話コーチングで指導することにしました。 機械部門流体工学のⅡ-2問題は次のようなCFDと風洞実験を用いて実務課題を解決する問題でした。

流体機械の性能改善をCFDを活用してこれまでよりも短期間・低コストで実施できるようになってきている。あなたがCFDと模型試験をもちいて現有の流体機械の効率を改善するプロジェクトの技術リーダーになったと仮定して、対象とする流体機械を1つ選定し、以下の問いに答えよ。
(1)選定した流体機械とその特徴について述べよ。
(2)検討すべき技術事項とその理由、及び技術検討を進める手順について述べよ。
(3)技術検討をする上での留意すべき事項について述べよ。

 この問題をT様はいつもの取り組んでいる現実的な課題をそのまま当てはめていたため、複雑すぎて解けなくなっていました。

T様の解答

(1)選定した流体機械とその特徴

〇〇施設におけるガス〇〇装置

1. 流体は固気2相流であり、〇〇装置より上流で乱流で、〇〇ブロック直前で平行流、〇〇ブロック内触媒板間で層流である。

2. ガス流れがレイノルズ数1000以下の層流で脱硝効率が上がる。

3. 〇〇の硬さと脱硝効率は反比例の関係にある。

2)a)検討すべき技術事項

 1. CFDでガス流量が〇〇板間で一様で反応機断面に対し、偏流をなくなるように、〇〇装置入口においてダンパーの配置を検討する。

■講師コメント ダンパーの配置を検討するとはどうすることですか。 試行錯誤で計算するでは×。

2.模型実験の触媒ブロックで整流された排ガスにより脱硝効率が最大となる硬度を求める検討を行う。

■講師コメント 現実は二相流と思われるが、模型実験ではどうするのか。 実ガスを実験に用いるのか? その温度は何度くらいか。

〇〇効率が最大となる硬度など、どうやって実験で出るのですか。試行錯誤的に何回も実験するのでは×です。

b)技術検討を進める手順

(1)   脱硝装置入口でダンパーを500mmピッチで取付、排ガスを6m/sで流して反応機断面に対し一様な流れか実験。

(2)   一様な流れでなければ、装置内の偏流が発生する箇所にダンパーを増加させ再実験。

(3)  模型実験で実寸の触媒ブロックでブロック高さを一定にし、排ガスを触媒板間で一様な流速にし、固体の粒径を分けて各々の粒径で最大の効率となる触媒硬度を求める。

(4)  触媒ブロックの摩耗率を決めそれ以上の摩耗率であれば、硬度を上げる。

■講師コメント ここは「CFDで・・・する」、「実験で・・・する」と書いてください。

3)検討を行うにあたっての技術的事項

(1)偏流が起こらなくても触媒ブロック上で乱流が起こる可能性があるので、乱流が起これば、流速を増減させる。

(2)C=uΔt/ΔLでCはクーラン数、uは 流速 、Δtは時間間隔、ΔLは 要素 幅としてΔtを小さくしてCを10以下とし、流れが細かく理解できるようにする。

(3)触媒損傷は石炭灰の粒径、ガス流速、衝突角度に依存する摩耗式により求める。

■講師コメント ここは上記2)a)の操作に対して、品質を高めるための提案です。

そこで実務の場面の中から、問題に適合した流体部分を取り出して、そこだけを解くことにしました。実際の流れを確認したところ、急なダクトの曲がりの直後に平行流を得たいという難しい課題があることがわかりました。そこで90度の角エルボダクトにガイドベーンをつけて、平行流にするという課題を設定しました。

 一般的にこのような直角の角エルボダクトでは、空気の流れは外側に偏ってしまい、曲がりの内側は風が流れないか、または逆流が生じるのが普通です。この問題ではそうした好ましくない流れの状態をcfdと風洞実験で確認して改善していくという手続きが求められました。

 課題を設定した後、CFDと風洞実験の役割を設定しました。

 CFDでは直角の角エルボダクトで、ガイドベーンによって曲がりの内側に流れの向きを変えてやることで出口での風速の分布と平行流に近づける事を検討することとしました。

 一方、風洞実験ではCFDでは確認することのできない現象をチェックする必要がありました。ガイドベーンによって流の向きは変えられたとしても、逆流が生じたり、渦を巻いたりする現象が予想されました。このような現象は、平均的な流れを捉えるCFDでは分析することはできません。

 そこで風洞実験で透明なダクトを用いて、空気を流すことによって、流れが乱れていないことを確認することにしました。もし偏りがあったり渦を巻いていたりした場合は、さらにガイドベーンを大きくするとかダクトの出口に抵抗つけて流速を平均化する必要があるからです。

 このほか、こうした解析の前提として、実務で対象としている流体が後半の排気ガスであることから、温度や粘性、個体・気体の二相流であることから、本来は正しい解析ができない恐れがありました。そこでCDを行う際には流体の密度や粘性を合わせる事、また風洞実験では常温空気を用いて実験するにあたり先の流体条件が無視できるものであることを確認することが前提条件であると申し上げました。

 以上を持ってこの日の電話コーチングによる指導を完了しました。機械工学流体科目のこのような問題ではT様はご自身の考えでは、問題が単純化できず実務で書かれているたくさんの問題が噴出して、答案としてまとめることができませんでした。しかし本講座のコーチング指導ではひとつひとつ問題を解決しコーチングによって必ず答えにたどり着くという指導を行っております。    

   コーチングがいかに役立つかご理解いただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせて指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。皆さんの技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています。

2018年3月24日 電気電子部門、情報通信科目の方のスカイプによるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

この日のコーチングによる指導時間は18時00分から、35分間行なわれ,その受講者様は電気電子部門、情報通信科目を目指す方で、居住地、東京からスカイプを用いて相談されました。

H29年Ⅱ-2-2問題

T様は答えを考え、知っていることを書くという姿勢で解いていましたが、例年困難さをお感じになっていました。

 そこで講座の指導では、暗記に頼ることをやめて、ちゃんと問題文を読んで自分の考えをまとめること勧めました。T様はこれまで他の指導機関で学ばれて、キーワードを300暗記し、そして書く練習だけは誰にも負けない程度に行ってきたとのことでした。しかし技術士試験では書く力だけでは点が取れません。内容の提案力が勝負なのです。講座の指導のメニューではT様向けに特別な指導メニューを用意しました。

 それは、T様は答案に書かれたように書いたら試験官がどう考えるか、ということを毎回お伝えするようにしたのです。この結果、答案内容に対して試験官が疑問や反論を持つ可能性があるとT様が次第に気づくようになり、書き方の姿勢がだんだん変わっていたのです。この結果は、最終的に答案はサジェスチョンはするものの、語句の直しはせずとも、T様ご自身で正解答案を作成することができました。この体験は、T様の自信をけることに役立ったと思います。

 コーチングがいかに役立つかご理解いただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせて指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。皆さんの技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています。

2018年3月22日 水道部門、下水道科目の方のスカイプによるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

 この日のコーチングによる指導時間は20時00分から、01時間00分間行なわれ,その受講者様は水道部門、下水道科目を目指す方で、居住地、東京からスカイプを用いて相談されました。基本的な質問と業績のまとめ方について話し合いました。

 実はこれに先立って、次のようなメールのやり取りがありました。

1 背景:〇〇市ポンプ所は雨水を吸揚し〇〇川へ放流している。ポンプは〇台設置しゲリラ豪雨に備え雨水が来る前から運転可能な先行待機型である。また、大口径・高揚程のため、ポンプ軸受の無注水化が出来ない。当ポンプ所は豪雨時にポンプ冷却水が不足し、全台停止する事故が発生し、早急に冷却水の回収率改善と供給能力向上を図る必要があった。

 ■ポンプが無注水だから、注水型にするという、問題に対して答えを暗示させる前置きです。答えがすでに明らかとなっているわかりやすすぎる業務です。しかも前置きとして冗長に感じます。720字しかないのに「背景」までいるでしょうか。

2 立場と役割:指導的立場で問題を分析し試験・計画・設計・施工・技術評価を行った。3 課題、問題点:速やかに豪雨時におけるポンプの信頼性を向上させることが課題である。悶題点は①冷却水回収率の不足、②冷却水供給能力の不足であり並行で検討した。

 ■問題点はやはり水、課題は1と同じことの繰り返しで、進展していません。①と②があるが共に水で、これでは管理者として視点の広さを訴えることができません。

ダメ直し的な業務です。悪さの原因究明、ポンプの修理です。提案は横から縦‥?なぜなのか。技術的背景がわかりませんので、独断的ともとれます。

4 技術的解決策:①については漏れ状況を試験した結果、各ポンプ冷却水管の逆止弁からの漏れが多いことが判明したので交換し、弁のシール性を向上させるため、配置を横置きから縦織きにすることで漏れを少なくした。(回収率53%、86%)②については上水配管を太くする(40A→75A)ことで当初検討を進めていたが水道基本料金が6倍になるため見送った。そこで、未使用の水榊(440m3)に着目して調査し、使用できることが判明したので改造した。当初、新旧水槽を連絡管で接続するため既設水楠に穴を開ける必要が生じ、1ヶ月程度ポンプを淬止する期間が必要であった。しかし、既設水梢と冷却水供給ポンプ間の配管に連絡管を接続する施工法で、停止期間を3日間に短縮した。

 ■やらずに見送ったことを書いて何の意味がありますか。それは業績ではありません。40から75Aではコストアップであり得ない選択だったのでは。現実味に欠けて、管理者としてのセンスを疑われませんか?

未使用の水槽を探しあてて?たまたま利用できたことが良かったとのことですが、そのようなことが貢献と言えるでしょうか。もしそのような遊休施設があれば、だれでも使いますし、それは今回限りのことにすぎません。

そんなことではなく、ご自身の下水道の技術応用による提案ははないのでしょうか。

5 成果:対策前はポンプ全台運転時間が3.3時間であったが、対策後は12. 3時間となり豪雨時だけでなく震災時における信頼性も向上した。また、水槽を2槽化にすることで各水槽の工事時(耐震化等)における冗長化も図れた。

■結果は3.3hから12.3hで効果は認めます。しかし、途中のプロセスの巧みさが見えません。誰がやってもここまではできそう・・と感じられる書き方では技術士にふさわしいコンピテンシーを打ち出すのは難しいと思います。2水槽化がとても良いとされていますが、しかしそのようなことを最初から目指していたわけではなく、成り行き的にそうなっただけの成果ではありませんか。専門家に特有の一貫性というものが打ち出せていません。

 どなたの業績についても、本研究所では技術的体験チェックシートで詳細に分析しており、技術士のコンピテンシーを高めるための材料探しを体験業務の隅々まで行って、出来る限りのプレゼンテーションとなるように指導しております。

2018年3月19日 建設部門、施工管理科目の方の電話によるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

 この日のコーチングによる指導時間は18時00分から、30分間行なわれ,その受講者様は建設部門、施工管理科目を目指す方で、居住地、東京から電話を用いて相談されました。築堤工事の業績について技術的なポイントをどのようにアピールするか悩まれていました。
 K様は、施工管理の業務そのものには技術的なアピールできる材料がないと考えて、計測や騒音環境の改善のみを取り上げていました。しかし、それでは築堤工事の全体系が理解できません。

 私が感じていたのは、盛土の施工管理をちゃんと述べるべきだということでした。施工管理の科目なのですから、普通に施工管理ができれば◎のはずです。ところが、この時答案に書かれているのは簡易な計測法や振動レベルといった、管理項目の一部の断片に過ぎません。施工管理の都合上、それらがポイントであったということはわかりますが、その前提となる全体の施工管理が見えていないのです。こんな部分だけで施工管理と言えるでしょうか。

 そこで、 3つの業績の改善策の内、1つを施工の工程管理としました。そして他2つは品質管理と建設環境の改善としたわけです。

 現場にお勤めの多くの方は、建設施工の管理業務にはほとんど技術はないとお考えのようですが、施工管理とはすなわちヒト、モノ、カネを利用して技術までに建設工事を完了させるマネジメント技術です。建設、施工管理で受験するとしたらそのようなマネジメントについてプレゼンできれば十分なのです。

 ハイテクにこだわるのは一般的な現場技術者の傾向です。しかし技術士としては、必ずしもそんなテクニックではなく、ちゃんとしたら施工管理を経済的に効率的にできれば充分なのです。多少独創的で汎用性のあるプレゼンとする必要がありますが、決して無理してまでハイテクを訴える必要まではありません。

 K様は代替案として、無対策で問題なく済んだ施工提案を挙げて、施工業者として慎重であったことを訴えるべきとお考えになったようです。しかしそれほど良い業績論文とも思いません。
姿勢だけで貢献や技術力を訴えることは難しいからです。それよりもやったことをもとにちゃんとプレゼンされるべきでした。なぜなら業績論文とは本来はやったことを述べる場所なのですから。

 私はいつも「その業務は技術者でなくともできますか」と問いかけるようにしています。例えば施工管理が専門では無い事務長さんとか、現場に長く勤めてマネージメント力にもたけた人がいらっしゃるかと思います。そのような人がよくコーディネーターの役割を果たしている場合があるからです。

技術士にふさわしいかどうか心配な業務とは、そのような施工管理を専門としない方でもできる仕事かどうかです。おそらく技術的な信頼性品質確保の問題があって、実際の業務は施工管理者で訳では困難だと思われます。

 K様の場合施工管理だけでは技術士にふさわしいとは受け止めてもらえないと考えて、技術的なポイントを無理に盛り込んだために施工管理の全体系が見えなくなっていたのです。このような全体形を整えて、そしてしかるべきポイントで技術を的確に応用したことを述べる・・・・、そういったプレゼンの戦略を提案しております。

 ご自身の業績に関して技術士にふさわしいか否か、もし自信がなくなったらどうかお問合せ下さい。本研究所ではコンピテンシーの尺度に照らして技術者としての貢献が技術士にふさわしいレベルまで到達しているかどうか、スピード判定して差し上げています。そして皆さん必要としているのが、技術士にふさわしいレベルに到達しなかったときにどうやって高めるかということです。これについては、業績の論理性を高めることや、独創性や汎用性を高めて有意義な技術貢献をしたことを示したり、あるいは業績の総括として体験から得た知見を部門や業界の変革につなげる知見としてまとめあげたにする・・・・こうしたことをご提案して業績の評価が高まるように努めております。

2018年3月17日 電気電子部門、配電科目の方の面談によるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

 この日のコーチングによる指導時間は15時00分から、1時間30分間行なわれ,その受講者様は電気電子部門、配電科目を目指す方で、居住地、東京から面談を用いて相談されました。添削と音声ガイドによってこれまで技術的体験チェックシートを仕上げてきましたが、その展開がよくわからないということで面談して確認に来られました。

 添削のチェックバックは、当日または翌日のクイックレスポンスで行っております。こちらの方が受講者様にちゃんとをお送りしてことをご説明しました。結局、メールの添付ファイルがちゃんと伝わっていなかったということがわかり、疑問点は解けました。
 そこでこの機会を利用して技術的体験チェックシートのさらなる検討を行いました。
 それは、4−1問題点、4−2解決策業務、4−3工夫した点について、講師の側で整理再構築した内容を提示してお渡ししておりましたが、その内容について個々の記述内容を完成する必要がありました。

 この日問題となったのは、発電所から家庭に電気を配る送電線が、当初の設計の設備容量に対して、実際に予測したほど電力需要が伸びなかったという問題です。これは建設を数年経ってから確認されたことです。本来、送電線のサイズは都市の消費電力を予測してある安全率を持ってサイズを決定するものですが、しかし新興国の経済事情によっては、予想した通りに都市の電力需要が伸びないという事情があるようです。このような予測と現実が違う事実に対してどのように対処したらよいか。それがエンジニアとしての今後の業務に対する課題となっていくわけです。

 結論としてこの日明らかとなったとは、結局設計の時点では未来の需要を見通すことが不可能で、ある程度の余裕率を持って設計するしかないと言うことです。しかし、余裕率を大きくすることは過剰設計となり不経済な結果となってしまいます。そこで、余裕率を上げるに大きな電力需要の変動に耐えるためには、電線の引っ張り強度を上げてたるみを小さくするしかないということです。実際そのような新製品の開発が電線会社で行われているということで、ニーズの正しさが裏付けられたということです。

 業績論文については、今回ご説明したように各受講者様の体験業務を詳細にお聞きしてその中からベストの内容を打ち出せるようにコーチングでご指導しています。体験業務の中のマーケットに関する部分かまたは、技術経営的な要素にあるのか、それとも高度な技術貢献にあったのか、どのようなケースであったとしても技術的体験チェックシートで仔細にチェックしてベストのプレゼンができるように努めておりますのでご安心ください。

2018年3月13日 建設部門、鋼コン科目の方の電話によるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

 この日のコーチングによる指導時間は17時30分から、42分間行なわれ,その受講者様は建設部門、鋼コン科目を目指す方で、居住地の宮城県から電話を用いて相談されました。リスクの考え方について質問されました。

 まず問題文と解答文は次のようになっていました。

H29 Ⅲ-2

我が国では、近年、平成23年3月東日本大震災、平成26年8月豪雨、平成27年9月関東・東北豪雨、平成28年4月熊本地震など、各地で自然災害が発生している。このように、連続する大規模地震、津波や集中豪雨のように、いままで経験したことのない自然災害が発生している。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1)我が国の自然災害に対するインフラ、公共施設の社会資本の防災・減災に向けた対策における問題点、克服すべき課題について、幅広い視点から概説せよ。

(2)上述した課題を踏まえ、鋼構造の分野において、あなたが最も重要と考える技術的課題を2つ挙げ、それぞれについて解決するための技術的提案を示せ。

(3)あなたの技術提案それぞれについて、それらがもたらす効果を具体的に示すとともに、その技術的提案を実行する際のリスクや課題について論述せよ。

(1)問題点、課題

1)  インフラに粘り強い構造を導入

自然災害でインフラの脆性破壊・全体崩壊が生じた場合、住民の避難時間が確保不可で多大な被害。よって従来の耐荷力の増加対策に加え、塑性変形の許容によりインフラに粘り強い構造を導入することが課題。

2)  維持管理のコスト低減

インフラの防災機能を発揮するためには維持管理で部材健全が前提→予算不足の状況下では全施設への長寿命化や予防保全管理が困難。よって、インフラの設置環境や重要度、要求性能に応じた維持管理でコストの低減を図ることが課題

3)  技術者の確保

インフラは災害時の救援活動拠点だから早期復旧が必要だが、技術者不足。よって、産学官が連携した人材育成、残業時間削減や週休二日制導入等による労働環境の改善で技術者を確保することが課題

(2)重要な技術的課題と技術的解決案

課題1)鋼橋上部工への粘り強い構造を導入

提案1)粘り強い構造を導入するため、鋼上部工の塑性化・部分破壊の許容や地震Eの吸収によって、脆性破壊を抑える。具体的には、塑性設計や制震デバイス(ダンパーによる減衰付加)の導入

課題2)鋼橋の維持管理のコスト低減

提案2)コスト低減のため性能照査型設計法の導入により架橋環境、重要度、設計耐久年数に応じた維持管理手法・構造を設定。具体例1防食①飛来塩分多→高耐久の金属溶射やグラッド鋼②残存寿命短→低耐久Ra-Ⅲ。2点検①長大中橋→センサーで腐食自動探知②小橋→簡易点検。3構造:長支間→合理化少数桁で部材低減

(3)効果・リスク・課題

1)塑性設計について

①効果:脆性破壊・全体崩壊を防止→住民の避難時間を確保→人命を守る。

②リスク:塑性化後の断面は、車両通行等の荷重により破断が生ずる危険。

③課題:活荷重に対する塑性断面耐荷力のFEM検証や破壊部材削除モデルでの解析等で積載荷重制限や補強部材設置を判断

2)性能照査型設計法について

①効果:要求性能に応じた維持管理でコスト低減→部材健全保持→防災機能発揮

②リスク:社会情勢変化に伴い要求耐久年数が設定値より増加→損傷発生拡大

③課題:定期的な維持管理手法見直し+社会情勢変化(予算)を踏まえた劣化シュミレーションで設定耐久年数の精度向上

②③の修正案

②リスク:設計耐久年数と実耐久年数のギャップが生じた場合、採用した維持管理手法・構造が過大設計または耐久年数不足から損傷の発生・拡大

③課題:維持管理手法・構造の耐久性データ蓄積+維持管理を踏まえた劣化シュミレーションで設計耐久年数の精度向上

 性能照査型設計では目標寿命前に損壊する確率は0ではない。これは基本的な前提事項です。ですので、問題(3)で求めるリスクとは、そのような一般事項ではなく、ご自分が提案内容の方策に含まれるリスクを精査することを求めているということです。

 すなわち、(2)の「重要な技術的課題と技術的解決案」では課題として次の2つが宣言されていました。

課題1)鋼橋上部工への粘り強い構造を導入

課題2)鋼橋の維持管理のコスト低減

 これらを行うことによって発生する頻度は小さいが被害額の大きい現象は何かという問題です。一般の人にはわからないが、技術的なメカニズムを考えるれば技術士なら推論可能である事項が問われています。

 また、改善案に示されている「設計耐久年数と実耐久年数のギャップが生じた場合、・・」という前提は答える内容の意味を狭くしてしまいますので好ましいものではありません。このようなことをコーチングによって指導しました。

2018年3月9日 化学部門、セラミクス、無機化学科目の方のスカイプによるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

 この日のコーチングによる指導時間は21時00分から、1時間20分間行なわれ,その受講者様は化学部門、セラミクス、無機化学科目を目指す方で、居住地の東京からスカイプを用いて相談されました。業務内容の詳細の仕上げ法についてコーチング指導を行いました。

  この指導に先立って受講者様のS様より、次のようなメールと添付にて業務内容の詳細をいただいておりました。

お世話になります。

検討し、改善いたしました。暫定版ですが、添付いたします。

このあたりで一度、スカイプで相談したいなと思っております。

明日  3月9日(金)PM9:00〜

または、3月11日(日)終日

どちらか、ご都合のよろしい時間はありますでしょうか。来週でも可能です。

以上、よろしくお願いいたします。

当研究所ではこうしたご相談の要望に対して、受講者様の時間的な都合にできるだけ合わせるように、随時電話スカイプによる相談を受け付けております。

業務内容の詳細は次のようなものでした。

1.立場、役割 製剤設計技術主任として、現行品改良のため製剤の設計と性能を評価。

2. 業務概要 〇〇剤(後発品、O/W型乳剤、油相:〇〇〇〇、300万人分/年、加速試験)の、〇〇性向上、〇〇障害付与による〇〇合一抑制と、比重制御による〇〇抑制により、3年間の安定性を確保した。

3. 技術的問題点 ①瓶内(30人分)でミセルが凝集・合一し、効果に±〇〇%ものバラつき発生。②ミセル浮沈抑制用の擬塑性増粘剤で、滑り性が上昇(内視鏡挿入手技の妨げ)し、シェアが減少。③生産機の乳化性能が不足により、長時間処理の熱でミセル安定性が低下。

4. 解決策の提案 ①ミセル凝集抑制のため、親水性シリカ粒子によるミセル濡れ性向上及び、水相の高分子増粘剤濃度増加による立体反発で分散を維持した。また、粘度制御によって再分散性を確保した。②親水性シリカ粒子を用いて、水相-ミセル間の比重差ρ=0.01に低減し、浮沈速度を低下した。③エネルギー効率の高い高圧乳化法を採用し、安定なミセル径と経済性の観点から均質化圧力を80MPaに高めた。

5. 成果 ①ミセル合一速度80%抑制と再分散性95倍向上により、効果のばらつきを先発品の〇〇%に抑制した。②比重差低減によるクリーミング速度65%抑制で、擬塑性増粘剤不使用を実現し、滑り性の評価を100%改善した。品質の向上により売上が5%増加した。得られた知見:O/W型乳剤のミセルにシリカ粒子を導入する場合、油相の成分とシリカ粒子の組み合わせによっては、シリカ粒子が油相から離脱し水相に移行する場合がある。油相−シリカ粒子間相互作用を高めるため、官能基の付与等が有効である。

今回は業務内容の詳細の仕上げの最終段階に相当します。全体的な印象を確かなものとするため、概要、技術的問題点、解決策の提案、成果というか項目ごとのバランスを整える必要があります。業績論文では解決策の提案は主体となりますので、答案の中で最も大きいウェイトを占めるように仕上げていく必要がありました。

 今回いただいた業務内容の詳細では、残念ながら成果の項が解決策を同程度の内容となっており、バランスが悪くなっていました。業績の貢献を訴えるあまり成果の内容は文字数を増してしまう傾向はよく見られることです。しかしバランスを崩すと冗長感を増し、それが成果に関する記述であると、論文の後半でくどさが目に付くようになります。

 そこで、成果の項を簡潔に記述して、対策を解決策の項でしっかり述べるようにご提案しました。この結果はバランスが良くなってとても見やすくなりました。

コーチングがいかに役立つかご理解いただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせて指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。皆さんの技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています。

2018年3月8日 電気電子部門、配電科目の方の電話によるコーチング指導

電話、スカイプによる指導内容ページトップへ >

 この日のコーチングによる指導時間は21時00分から、00時間30分間行なわれ,その受講者様は電気電子部門、配電科目を目指す方で、居住地、東京から電話を用いて相談されました。貢献、技術、工夫とは何かを中心に指導しました。

 電気電子部門における配電業務では、架空電線の手段として鉄塔建設が行われますが、それ自体は構造力学的な貢献が大きく、単純に電気設備技術者としての貢献を訴えることは難しいということをお伝えしました。  このコーチング指導の前提として、次のような技術的体験チェックシートをいただいておりました。■印は添削のコメントを表します。

1. 名称、時期

〇〇国〇〇市〇〇変電所建設に伴う送配電設備設計

平成〇〇年5月〜平成〇〇年2月

2. 立場 (指導監督的立場がわかるように)

送配電設備コンサルタントとして設計責任者として、地質地形調査を反映した送配電線ルート計画、送配電設備設計を行った。

3. 業務概要(物件・対策の概要、自分の成果・貢献を宣言する。)

①    110 kV送電、15kV配電

②    適正ループ化により 

■適正とは何のことか「適正」にするために技術応用があるはずですので、この適正という言葉を使わずに表してください。

③    地形地質調査にて地形地質状態を特定し、適切なルート計画及び鉄塔タイプを選定した。         

■ 「地形地質」? こうした技術は応用理学部門や建設部門に相当する技術であり、これでは電気工学以外の業績となってしまいますので要注意です。

④    他変電所過負荷容量10%低減

4. 技術的問題点と解決方法

4-1 技術的問題点(目標と現実の差、被害、望ましくない状況。業務課題ではない

①    地形状態及び地耐力を把握せず、ルート選定を見余ると、適切な鉄塔設計ができず、鉄塔崩壊が発生する。 

■ここでは技術的問題点を抽出したいところなのに、問題の方法は把握せず着手したら、それは人為的なミスとなって本来の問題点の抽出になりません。

②    地形状態及びを把握せず、ルート選定を見余ると、適切な鉄塔設計ができず、過剰設計となり予算超過が発生する。

■こちらも同じで何かを見誤ったら、それはやはり人為的なミスであって技術的問題点とはなりません。まずは誤りなしに人が普通に正しく行うことを前提としてください。

4-2 解決策(技術的提案、4-1を改善に導いた方策)

①    標準貫入試験により、地耐力を判断した。 

■建設部門の技術に相当しますので、これを1番の技術対応に設定すると電気以外なので門前払いとなります。

②    測量調査により、地形状態を判断した。

4-3 苦心して工夫したこと(解決策を検討、遂行する上で工夫した事、アイデア、考察)

①    地形状態を加味し一部の標準貫入試験箇所を簡易貫入試験を採用することで経済的に調査を進めることができた。  

■ただ普通に工事を行ったではなく、独自の工夫点はどこなのかを示すように。それが技術者のコンピテンシーとなります。

②    経済性、施工性への対応性を加え、環境影響及び維持管理面も考慮して、鉄塔ではなく積極的に鋼管柱を提案した。  

■交換とか、変更とは対策の手続きの名称であって、そのことのどこが工夫なのかを述べる必要があります。

 電話スカイプによるコーチング指導では、添削の技術内容に対して具体的にどのように回答すればよいかを話し合いました。受講者様等双方向に対話することで解決策としてふさわしく、かつ受講者様自身が提案しうる内容、すなわち体験の中からいつでも書ける業績の中心的部分に相当する内容から、有効な提案を引き出すことに成功しました。

 業績論文では経験内容の最も貢献の高い所を紹介する必要があり、そのためには受講者様のどの部分が市場的価値を持って、かつ他の技術後の差別化をはかれるかといった評価が必要です。 当研究所の技術的体験チェックシートによる指導では、こうした体験の中で核となる中心的業績を無理なく自然に引き出すことによって、試験官から得点力の高いプレゼントを可能にしています。

お問合せ・ご相談はこちら

受付時間
9:00~18:00
定休日
不定期

ご不明点などございましたら、
お問合せフォームかもしくはメールよりお気軽にご相談ください。

お電話でのお問合せはこちら

03-6661-2356

マンツーマン個別指導で驚異的合格率!
技術士二次試験対策ならお任せ!
面談、電話、音声ガイド・コーチングで100%納得
添削回数は無制限、夜間・休日も相談可能

お電話でのお問合せ

03-6661-2356

<受付時間>
10:00~17:00

  • 試験対策講座のご案内

株式会社
技術士合格への道研究所

住所

〒103-0008
東京都中央区日本橋中洲2-3 サンヴェール日本橋水天宮605

営業時間

10:00~17:00

定休日

不定期