総監受講者様が抱える個別の疑問の解決に、専門的見地から全力を込めて対処しています。

 総合技術監理部門論文試験では、俯瞰的立場からの考察力、提案力が求められます。

たいていの方は青本を読んでがむしゃらに問題を解く・・・という解答スタイルのようです。

 しかし、これでは楽勝で合格はできません。

 そこで大事な事は、ご自身の体験を生かしながら、出題者の要求にぴったりの答案で合格を勝ち取ることです。

それは次のような方法で可能です。

マンツーマン・コーチングで、過去の誤りの原点を確認し、出題者の意図、真意を読み解きます。総監的な立場で、本来どう解答すべきであったかを説明します。正解の範囲がピンポイントでわかります。無駄な記述による減点をなくし、ご自分が提案可能なことを力説できる

ようになります。具体的には日々の指導内容をご覧ください。

2017年10月21日 総監部門、建設・施工科目の方の電話による指導

 この日のコーチングによる指導時間は20時から、1時間20分間になわれ,その受講者様は総監部門、建設・施工科目を目指す方で、場所は栃木から電話を用いて相談されました。総合技術監理部門平成29年問題の問(4)について回答添削しました。

問題についてはこちらをご覧ください。>総合技術監理部門平成29年問題

 問(4)はこのようになっています

(4)あなたが取り上げた事業の「将来の課題」について,その課題を部分的にでも解決又は達成する方策について,次の1)〜3)に沿って示せ。

1) 前述した「将来の課題」のうち1つを取り上げ,その課題が顕在化した状況を想像し,その顕在化により引き起こされる影響を記せ。

2) 将来においてこの課題が顕在化した場合,部分的にでも解決又は達成するための方策を記せ。

3) 将来においてこの課題を解決又は達成するために現在から検討若しくは実施すべき方策を記せ。

この方の解答は当初、このようになっていました

(4) 建物維持保全工事の将来の課題の部分的解決又は達成方策
1)-1将来の課題 ロボット化や機械化が進み雇用が減る
1)-2影響 ロボット化進むことにより建設業の熟年工が減り,熟練工が持つ技術の伝承をする機会が減り,技術の質が低下する。
2) 解決策 維持保全のための現状把握の調査は,センサーや自動計測のデータ
をソフトで解析し,熟練工の経験や勘に依存していた判断を,若いエンジニアでもシステムを用いて判断できるようにする。
3) 現在から検討事項  施工情報をIoTより取得し,ORのシュミレーションにより,事象と主な発生要因及び処置方法について情報を整理する。

 しかしそれでは3)の意味が通じません 。そこで電話コーチングにより2)と3) の意味を再確認しました。
するとご本人は、やはり熟練工を再雇用して、その方達から技術伝承する機会を得ることがベストである、という考えを捨てきれずにいました。

 むしろ2)でご提案された内容は本意ではなかったようです。このため思考の真剣度に欠けていたところがあって解答の一貫性が失われたみたいです。そこで2)について再確認したところ、こうしたいわゆるAIによる技術判断業務の改善は社内でも進行しており、本来やるべき業務の1つである ことが再認識されました。

 ということで3)は誤りであったとご本人が気づかれて、思考の修正が必要となりました。このため再度ご検討願うことにしました。そして新たな3)の内容は次のようなものをお考えになりました。

 

 3)現在から検討事項 誰もが活用できるAIによるジャッジシステムを開発するため,境目の基準熟練工のナレッジ・マネジメントにより推進する。

 但しこれでは「誰もが活用できるAI・・」は2)と同じ内容のダブりなの、これを書くとしたら2)に含めるように指導しました。
まず、「境目の基準」とは何のことか意味不明です。建築の「目地幅の施工基準」と紛らわしいです。
工のナレッジ・マネジメント」、これも意図するところがよくわかりません。

 熟工とはそもそも、自身では気づかず技術を保有しているわけで、そのような本人にナレッジを抽出することをお願いするのは無理でしょう。またナレッジをマネジメントすること自体、難解な作業でありナレッジマネージャ以外では無理だと思われます。

 このような、明らかに困難が伴う提案は好ましくありません

 このように総合技術管理部門の検索は、答案の進捗ごとに添削を繰り返し、全体を通した一貫的な考え方の感性が求められます。このため解答を添削しながら、話し合い、理解し、逐一確認しながら進める、という作業を行っています。これによって、ご自身の応用力に富んだ対応力や考え方を養うことが可能です。   

   コーチング指導の素晴らしさがお分かりいただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせて指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。このような方法で技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています。

2017年5月27日 総監部門、電気・設備科目の方のスカイプによる指導

 この日のコーチングによる指導時間は22時00分から、40分間に行なわれ,その受講者様は総監部門、電気・設備科目を目指す方で、場所は東京からスカイプを用いて相談されました。

 T様は当初は論文問題の最初に定義すべき業績として、

業績論文のようにその業務における独創的な対処や工夫が評価対象であると考えて貢献内容に主体を置いた複雑な説明

になっていました。求められている業務を業績論文と間違えていたのです。この結果、後の問題で複雑な提案となり苦しい戦いを強いられました。

 しかし、

総監の論文で求められる業績は、後に続く問の前提条件に過ぎません。シンプルで良いのです。

ですから問の(2)(3)問題が解けるように、その前提条件となる業績を定義すればよいのです。

 T様は複雑に定義した論文を改めて、シンプルで応用しやすい形に書き直されました。その結果問の(2)(3)問題で

しっかりと問いの趣旨に解答出来るようになり、トータルとしての答案の評価が高まる

結果となりました。    

   コーチングの内容は以上です。本研究所では疑問が生じた際は随時相談をこのような方法受け付けており、疑問を短時間で解決するよう努めています。

2017年5月10日 総監部門、建設・施工科目の方のスカイプによる指導

 この日のコーチングによる指導時間は18時00分から、1時間30分間行なわれ,その受講者様は総監部門、建設・施工科目を目指す方で、場所は新潟からスカイプを用いて相談されました。総合技術管理部門の基本演習として業務課題に対して総監の視点から課題のあるべき姿を提案すると言う練習を行いました。 

 ご指導したK様の業務と課題は次のようなものでした。

業務: 〇〇物件工事における計画、積算および施工監理の品質を高める。

1.主要課題1  事故発生を未然に防止し工期短縮を図る

 自然環境由来のリスクがあるため、事故を未然に防止し、工期を短縮する。

2. 課題のあるべき姿

2-1人的資源管理 【OJTとOFF−JTによる短期間での人的資源開発】 

 短期OJTと発注者合同OFF−JTによる短時間での職員育成を実施した。

2-2社会環境管理 【汚染者負担原則による現場監理】

 現場にて汚染した排水を水質基準値内に現場内で調整後に排出した。

2-3安全管理 【ヒューマンエラーに対するミス防止】

 フールプルーフ設計により重機可動範囲を安全範囲に設定しミスを防止した。

 これに対して次の指導を行ないました

 まず人的資源管理について、一般的に用いられるOJT、OFF−JTという言葉は、教育の区分を表しているものの、総合技術監理都市の工夫や貢献に関する内容が含まれてはいないことをご指摘しました。このためただ「OJT、OFF−JTする」と言うだけでは総監の視点での課題とは呼べません。見方によっては特に感慨もなくひたすら業務注文を業務中以外も教育すると言う事に過ぎません。

 このギャップは何から生じるかを言いますと、人的資源管理の意義が伝わってないことからです。ただ教育するだけでは人的資源管理として不十分であり、学びのプラスの効果をもたらすには、人間の能力に関する理論を応用する必要があるということです。それがPM理論やマズローの自己実現後5段階説にといった手法に相当します。人的資源管理ではこうした技術や原理を応用して効果的に指導を行うことを提案すべきと申し上げました。

 次に社会環境管理では「汚染者負担原則による現場監理」と言う課題を設定されていましたが、この汚染者負担原則PPPがどのように位置づけられるのか意味がわかりませんでした。すなわち現場の工事で発生する排水を水質基準以下に浄化して排出すること自体は法律で定められた最低限の務めであり、汚染者負担原則を持ち出す必要がないからです。汚染者負担原則を用いるのは誰が負担すべきか明確でない場合にその負担原因者を特定するための考え方であって、このように自らの現場で発生するという責任が明確な場合には不要な概念をなります。総監のキーワードをどこでもいいから当てはめて使えば良いと言うものではなく、

総合技術監理の要素技術はふさわしい場で使わねばならない

ということなのです。

 そこでこの現場の真の社会環境管理の課題はどこにあるかを考えると、それは排水の浄化による環境負荷低減であり、そうした現場の浄化活動の効率化による社会への環境負荷低減法どのように効果的に進めるかを課題に設定するように指導しました。

 最後に安全管理では「ヒューマンエラーに対するミス防止」が課題として挙げられていました。しかしこれはヒューマンエラーの問題に対してミス防止という対策を行うという単純な問題解決に過ぎません。現実にはそうした目標を設定しても、

その解決法を満たすこと自体が困難なため、目標設定はともかく実現は困難

なわけです。こうした

「 言うは易しく、行うは難し。」

と言う課題は実際には実現不可能なことになるため適切な課題ではないと言うことを申し上げました。

 「フールプルーフ設計」も取り上げていらっしゃいましたので、具体的にそれが何を意味するかを述べることによって、総監としての課題のあるべき姿を述べるように指導しました。

 この受講者様のK様は、建設施工の分野で十分な経験を積まれてきた方ですが、総監の考えはまだ十分慣れていないようでした。このため数回の添削の後に、添削の修正が行き詰まってしまい、赤ぺんで指摘しているにもかかわらず、改善のための展開がほとんどを行われないという状況に陥っていました。これは添削を何回も行っていくとよく見られる現象です。いわゆる「答案が煮詰まってきた」という状態です。こうした答案の行き詰まりを解消するには、

コーチングによってまだご自身が気づいていない不理解の点を明らかとして、誤った考え方を払拭し、前向きな答えに直結する考え方を口頭で伝える

必要があります。赤ペンの直しを赤ペンだけで伝えるには相当な文字数が必要であり、一般的な添削指導の範囲内では不可能なのです。

 一方、コーチングでは話し言葉で表現しますので、問題となる誤解のポイントを単刀直入に説明が可能です。そして誤った考え方の払拭と改善方向の指摘については、単に言葉でわかるだけではなくて、

実例や感覚的な評価、感情的な表現も交えて直感的に伝える

ことを行っています。このため、指導の文言を言葉で暗記するというしんどい作業ではなく、直感的に理解できて身に付く指導となっています。だから正しい考え方が腹に落ちて、正解を導き出すことができるのです。  

    コーチングの内容は以上です。本研究所では疑問が生じた際は随時相談をこのような方法受け付けており、疑問を短時間で解決するよう努めています。

2017年5月10日 総監部門、建設・施工科目の方の電話による指導

 この日のコーチングによる指導時間は8時00分から、30分間行なわれ,その受講者様は総監部門、建設・施工科目を目指す方で、場所は栃木県から電話を用いて相談されました。総合技術監理部門コースでは最初の課題として基本演習課題を出題し、各自の業務とその課題、そして総監としての視点から課題のあるべき姿を展開してもらうことにしています。業績の生徒それから総監しての要素技術の練習を兼ねて行っています。

Мさまの業務と課題内容は次のようなものでした

 業務内容支店内の現場から竣工後の瑕疵工事を削減し施主の信頼を得て支店の利益に貢献する。
1主要課題
支店内の現場の重要品質管理項目を選定し引渡し年間の瑕疵工事を〇〇万以内とする。

2.総監の視点から課題のあるべき姿
2-1情報管理
 瑕疵として発生した大口の暗黙知の瑕疵を形式知にして現場が理解できるよう変換する。

2-2人的資源管理
現場所長に設計図から再発のある不具合を説明し防止策を立案し改善策で施工する。

2-3社会環境管理
現場から排出される水質や土質の状況を分析し処理計画を立て適正化を図る。

2-4安全性管理
リスクアセスメントを実施して,特に高所作業の安全対策を設備面の仮設計画と行動面の実施事項を決定し実施する。

 これらに対して次のような指導を行いました。
 まず情報管理については、「大口の暗黙知の瑕疵を形式知にして・・」という部分が、目標としている暗黙知を形式知にするという事はわかりますが、それをどのように行うか(すなわちそれが課題です)が明らかではありませんでした。このような課題の設定ですと、例えば上司が部下に指示を出したとしても、部下はほとんど行動することができません 。つまり課題のあり方として誤っているということです。

そこで、

この場合の暗黙知とは何か、それを形式知にどうやってなおすか。

この内容については提案した本人なら分かる事だと思いますので、具体的に言葉で表して記述するように指導しました。

 次に人的資源管理については、「現場所長に設計図から再発のある不具合を説明し防止策を立案し・・」となっており、そもそも管理者であるはずの現場所長に対して、なぜこのような指導を行わなければならないのか。能力のない現場所長に対して指導を行えば、確かに効果はあって業務改善するかもしれませんが、しかしその活動の何処が総合技術監理に相当するのか分かりませんでした。つまり

人をただ教育することが総合技術監理の5つの管理の1つである人的資源管理に相当しない

と言うことです。総合技術監理の視点から課題を述べるとしたら、人的資源を効果的に高めるような理論や原理に基づいて社員の能力を高める活動がふさわしい と考えます。

 そして3つ目は社会環境管理について、「現場から排出される水質や土質の状況を分析し処理計画を立て適正化を図る」とありましたが、そもそも法律で排出基準とか処理基準は決まっているわけで、しかもそれに従って適正に行うこと自体はコンプライアンス上前提条件なのです。総合技術監理でやるべきことには相当しません。ここで疑問になったのは、では総合技術監理で言う5つの管理の1つの社会環境管理とは何かということです。それは

総合技術監理の分析法や評価法といった手法を用いて、効果的に社会環境の改善を図る

、あるいは社会環境負荷を低減するということです。ここではそのような新たな提言を課題に含めてもらうよう指導しました。

 次は安全管理についてです。リスクアセスメントを実施して実施事項を決定し実施する、とありましたがアセスメント行ったらその通り実施するのは当たり前で、総合技術監理としての対応はそのアセスメントの仕方にあるわけです。そこで

リスクアセスメント等をどのように行ったか、すなわちリスクをなにと特定し、それをどう測定し、効果的に評価したか

ということを表すように指導しました。

このように総合技術監理の5つの管理のキーワードは簡単に青本から読み取ることができますが、しかしそれを自らの業務に応用して活用していく事は容易ではありません。総合技術監理の筆記試験で求められるこうした要素技術の活用法を学ぶ場として、総監基本演習は貴重な練習の場を提供しているといえます。そして単なる添削ではなく

コーチングと言う電話やスカイプを利用した双方向の指導

によって、総合技術監理の考え方が活用できるまで身に付くような指導を行っています。    

   コーチングの内容は以上です。本研究所では疑問が生じた際は随時相談をこのような方法受け付けており、疑問を短時間で解決するよう努めています。

2017年4月26日 総監部門、建設・施工科目の方のスカイプによる指導

 この日のコーチングによる指導時間は18時分から、30分間行なわれ,その受講者様は総監部門、建設・施工科目を目指す方で、場所は新潟からスカイプを用いて相談されました。

 解決策の提案の1つとしてバックワードスケジューリングによる工程管理を取り上げていましたが、その説明が「竣工日から工程を逆算すると工期以上の日数が必要で・・」と言うようなバックワードの言葉の意味の説明(ダブリ)になっているところがありました。このため、この

バックワードスケジューリングによる処置を明確に表現

して言葉の説明の重複にならないようにしました。

 手法の2番目として、クリティカルパスを取り上げていましたが、こちらもクリティカルのパスが何工程であり、かつどのような方法でその工程を早めたかという工程短縮の工夫を具体的に述べることを指導しました。

 成果の説明では末尾にこの業績のPDCAで得られた知見を添えていました。この現場ではメタンガスが地盤中に存在してガス爆発事故の危険性があるためその挙動を予測してリスクマネジメントを行っていました。しかしそれにもかかわらず、予想以上に大きいガス圧力が確認され、その現象をどう理解したら良いのか説明がつかなかったということです。

 そこでこうした問題には

新しいモデルを当てはめて考える

必要があるといえます。当初考えていた地盤の中に一定のメタンガスが移動せずに静的に止まっているモデルではなく、

人間の建設工事に反応して地盤中を流動して場所ごとに濃度を変えるモデル

がふさわしいと考えられました。完璧な予測をしていたのにそれが覆されるという事はこのようなモデルしか考えられません。

 こうした

体験から主体的に学ぶ活動、すなわちアクティブラーニング

と呼ばれるものですが、このような学びが専門家に不可欠なのです。専門家となるためにはマニュアルから学ぶ事では不十分で、自らが体験した専門的体験の上にさらに技術を高度化させる知見を獲得していく以外に到達する道はないと言うことです。

 このため技術士試験でもそのような専門家の学びの体験をチェックする事を行っています。いわゆるCPDもその1つです。体験から常に学ぶ姿勢がある限り技術は陳腐化することなく、常に高度化していくということです。このほか厳しい視点で行うPDCAも専門家の証と考えられています。厳しい判断基準を持っている人は仕事の質が高まり技術者としての資質能力も高いと考えられるわけです。したがって

技術士試験ではこのような専門家の特質を表現

するようにしていけば、試験官から高い評価を得られ口頭試験が楽勝で合格出来ることになります。    

  コーチングの内容は以上です。本研究所では疑問が生じた際は随時相談をこのような方法受け付けており、疑問を短時間で解決するよう努めています。

2017年4月25日 総監部門、建設・施工科目の方のスカイプによる指導

この日のコーチングによる指導時間は22時から、1時間10分行なわれ,その受講者様は総監部門、建設・施工科目を目指す方で、場所は新潟からスカイプを用いて相談されました。

 解決策の提案1ではメインの対策であるメタンガスのリスクアセスメントが見出しに宣言されていましたが、実際に何を行ったかが詳しく書かれていませんでした。逆に書かれていたのはケーソンを設置する時に地盤沈下を誘発する危険性とその対策でした。そこでメタンガス対策としてガスの溜まりにくい構造を提案したことを明記するようにしました。

 提案の2ではバックワードスケジューリングによる工程管理が宣言されていましたが、しかし

バックワードスケジューリングとは具体的に何をすることか、狙いとか留意点

がありませんでした。そして逆に並列して行ったクリティカルパスの対策が詳しく書かれていました。そこでメインのバックワードスケジューリングについて、工程を遡って期日までに業務を最適化した内容を述べることとしました。

 途中の文章表現で、異常に長い主語と述語をからなる意味のわからない文章がありました。内容を分析したところ前置きに前置きが重なって主語の修飾語が1行以上となっていることがわかりました。

長い主語はわかりにくい文章の最大の原因

です。そこで前置きを目的に置き換えて単刀直入な文章表現としました。

 成果の項ではPDCAの結果が書かれていました。これは専門家らしい素養を引き出すための手法です。ただしその内容は、現場で体験した失敗体験に対して、教科書的な対策の必要性を再確認するに過ぎないものでした。これでは教科書を追認するいわばマニュアル人間を宣言するようなものです。そこで、

失敗体験の原因を追求し、そのメカニズムを一般化する

ことによって、この現場が独自の地中のメタンガスのリスクアセスメントから学ぶ「環境リスクへの対処方法」の知見としてまとめることを提案しました。     

 コーチングの内容は以上です。本研究所では疑問が生じた際は随時相談をこのような方法受け付けており、疑問を短時間で解決するよう努めています。

2017年4月24日 総監部門、建設・土質及び基礎科目の方のスカイプによる指導

 この日のコーチングによる指導時間は13時から、42分間に行なわれ,その受講者様は総監部門、建設・土質及び基礎科目を目指す方で、場所は大阪からスカイプを用いて相談されました。 

 解決策の提案としてK様が第一に挙げられていたのは解析パラメータの最適化と言ういわばプロセスの改善でした。しかしこれでは回りくどい表現になってしまって、強く業績をアピールする事が出来ません。そこでプロセスの話ではなく目的、結果を宣言するように伝えました。

 第二の提案では人的資源管理の手法、タスクフォースにより、外部の実力者を起用することによりそこからインテリジェンスをもらって本業の問題を解決したそうです。しかし文面にはそのような内容がありませんでしたので、業績の柱が見出しの言葉とリンクするように伝えました。

 成果の項では、いろいろな取り組みによる成果をプロセス数における改善話ではなく、結果として
事業主がどのような利益を得たかを経済評価して総括的に示す

ように伝えました

 そして最後にPDCAの結果として反省点を述べることとしていました。ところがその内容が総合技術監理的な視点によるものではなく、建設の業績の失敗であり、しかも業績として失敗した事ではなく、実験のサンプルの製作ミスに過ぎないものでした。こうした手段的な失敗はただやり直して修正するしかなく、特段学びもありません。そうした対処方法も添えられていましたが、そもそも業績論文の末尾に添えて評価が高まるものでもありません。

 そこで改めて厳しくPDCAをやり直してもらい、その結果として総監の改善や、総監の知見を考えることとしました。      

 コーチングの内容は以上です。本研究所では疑問が生じた際は随時相談をこのような方法受け付けており、疑問を短時間で解決するよう努めています。

2017年4月21日 総監部門、電気設備科目の方の電話による指導

この日のコーチングによる指導事項は18時00分から、1時間,電話によって相談しながらコーチング指導しました。 

 本講座では総合技術監理の応用技術を学ぶため、まず最初に総監基本演習と呼ぶ、各受講者様の独自の業績をもとに業務課題のあるべき姿を検討する練習課題を用意しています。この練習課題ではまず業績を宣言し、その課題を設定し、次に総合技術監理の5つの管理ごとに、課題のあるべき姿を展開していくというものです。
 この練習課題を行う過程で

総監の要素技術になれるとともに、活用法の上手な事例を身近な体験の中で作成していく

という狙いがあります。ご自身の身近な体験をもとに考えた総監の手法は、論文試験で求められる自ら業務を設定して回答する問題にも有効だと思われます。

 Y様は主要課題として多目的ダム電気設備工事の管理を挙げ、その総監としての課題のあるべき姿は、経済性管理では

  • 〇〇部分の管路敷設工事の工程短縮
  • 資材運搬のコスト低減
  • 工事資金の確保

などが挙げられていました。しかしこれでは課題として不適当です。なぜなら、「工程短縮」も「コスト低減」も業務の目的そのものであってそれを行うために総監としての務めがどうあるべきかを練らねばなりません。「工事資金の確保」に至っては対策そのものであって

決定的ではありますが、それを行うことが困難であってどう行うかを考えるだけでは実現不可能な提案

だと言うことです。言い換えれば「工程短縮」、「コスト低減」、「資金確保」では当然の活動であって、考えることがない簡単に答えられる内容であるということです。
 実際の業務で「工程短縮」はどの現場でも当てはまる目標であって、それを行うことが大変なわけです。ですから総監の課題としてはどうやって「工程短縮」するか、すなわちPERT-CPMを行うとか、PDPC法で〇〇を改善するとか、総監の対応法を書かねばならないわけです。こうしたことが課題として求められている内容なのです。
 つまり解答の正誤を考えるときは、

総合技術管理部門の答えとしての実行する意義があるか

ということと、逆に

試験官がこの課題を読んで総合技術監理としての課題立案能力を判断できる

か、すなわち

試験解答として意義があるか

という2つの視点で考えるとわかり易いです。
同様にY様は、安全性管理の課題として、

  • 重篤災害事故の未然防止
  • 作業中の熱中症未然防止

の2つを挙げられていました。これも業務の目標であって総監としての対応が現れていません。重篤災害の未然防止という事は、総監のいくつかの対応を行った結果として最後に実現される事象であって、総監の技術応用のプロセスで行われる取り組みではありません。このため、重篤災害を防止するにはヒヤリハット事例によるリスクマネジメント対策を行うなどといった、総合技術監理の対策を立案する必要があるわけです。「課題のあるべき姿を述べよ」という問いかけでは、このように事業主が求めることをただ列挙するだけでは課題にはならず、その

目標に到達するプロセスを考え、そこに総監としての取り組みを推論する時、どうあるべきかと言う課題が見えてくる

わけです。。
 課題の言葉としてのふさわしさをチェックする時に役に立つもう一つの方法があります。それは

部下に課題を与えたらどうなるかを考える

ことです。例えば部下に

「君は重篤災害事故の未然防止に取り組みたまえ」

と指示を出したら行動できるでしょうか。おそらく、目標が大きすぎて何から手をつけたらよいかわからない、その結果行動が取れないに違いありません。では部下が行動できる正しい課題とは何かというと、それは目標に至るプロセスを分析して、そこで必要な総監の技術対応課題として立案してあげることです。
 先の例で言うと部下に対して

「君は重篤災害を防止するため、ヒヤリハット事例によるリスクマネジメント対策を行いなさい」

というような課題を与えることが正しい方法なのです。技術者の部下なら過去の事故に見られるヒヤリハット事例を探してそのリスクマネジメントの対策を行い、結果として重篤災害防止に貢献できるに違いありません。

2017年4月15日 総監部門、電気・設備科目の方のスカイプによる指導

この日のコーチングによる指導事項は19時30分から、50分間,スカイプによって相談しながらコーチング指導しました。 

 T様は申込書提出の半月前に本講座に申し込まれたため、急いで申込書を作成する必要がありました。この日ご相談された事項は、

  1. 業務内容の詳細に記載する業績としてどれを選定するか判断しかねているので相談したい。
  2. 選定した業績について、問題点、解決策が何であったか、業績が複雑すぎて説明がつかない

という2点でした。

 そこで、まず2つの業績について概要をお聞きし、その2つが総合技術管理部門の業績としてどのようにふさわしいかということを判断しました。

 業績の1番目は既にチェックシートに書かれていたことから、充分総監としてプレゼン可能な事は把握できておりました。これに対してには2番目の業績は、説明をお聞きしたところ電気電子の業績としては充分なものの、総合技術管理部門としてはさらなる分析を要する事がありました。論文として説明することは不可能ではありませんが、作業的な困難さを考えると第一業績が有望であると言うことをご判断しました。

 次に業績1の内容について、逐一チェックしてきました。チェック事項は講座のフォーマットである

「技術的体験チェックシート」

に従って、概要、問題点、解決策、苦心した、現時点での評価、という項目をまとめました。

 業務内容の詳細は720文字という制限がありましたので、簡潔に表す必要があり、かつ一方では総合技術監理をしての貢献を十分に説得できるような俯瞰的な視点での内容に高める必要があります。

 既に概要は当初の技術的体験チェックシートに表現されていましたので、その内容を添削しながらさらに詳しい内容をヒアリングで確認してきました。工場の電力のdemand controlに対して、ただ単に電力目標値を達成する事ではなく、工場の作業の進捗管理も含めて管理する必要があったということをお聞きしました。

 この背景として、当時の工場ではすでにかなりの節電が行われており、一般的に可能なdemand controlは既に対策済みであり、そこから行なわれる節電については、工場の生産活動を止めての節電が必要となって来ていたのです。つまり生産活動を進めながら一方で電力を削減すると言うトレードオフ問題を解決する必要があったのです。問題の解決はあちらを立てればこちらが立たないと言う

トレードオフ問題が含まれた時に急に総監業務としての難易度が高くなる

という傾向があります。このT様の業績にいついても、まさにそのような難易度が非常に高い問題であったと言うことなのです。

 そこで、実際に抱えてた問題の難しさを、最初に問題点として宣言し、次にそうした現実の問題に対してどのように対処していたか、その解決策を列挙していくこととしました。具体的に問題点を把握することによって、解決作もより現実に近い内容を分析可能となります。そしてその解決策に対してどのような工夫を行ったかを表すことによって、業績の貢献を訴えることも申し上げました。

 業績の締めくくりとして「現時点での評価」を求めていますが、これについてはやはり難問でした。当初、評価としてT様が挙げられていた内容はあまり問題はないと言う、いわば「甘い自己評価」となっていました。このため業績について完璧を目指巣ならどう考えるかという厳しい視点で直してもらうことにしました。この結果は何かしら反省点が見出せるはずで、そのような自己評価をPDCAとして表現すれば

「そこまで厳しいチェックをする技術士なら問題は無い」と口頭試験で試験官から高い評価を得る

事、間違いなしと考えられます。

 講座では、このような質問を申込書提出直前まで受け付けております。

2017年4月13日 総監部門、機械・流体科目の方のスカイプによる指導

 この日のコーチングによる指導事項は20時30分から、1時間,スカイプによって相談しながらコーチング指導しました。

  申し込書作成の最初の作業である5つの業績の作成、これを「業務経歴チェックシート」という様式を用いて分析していました。ご相談されたH様は総合技術監理の要素技術にまだ慣れていないところがあって十分表現ができていませんでした。

 業績1は製品のデータベースをナレッジマネジメントによって系統的に整理して設計時間を短縮したというものでした。実はこうした本質的な内容を表すのにとても苦労されていらっしゃったようです。

 ひとつの業績の記述欄は51文字程度しかないにもかかわらず、

書かれている内容の総和はなんと153文字にも達していました。

あれもこれも書きたい、あるいは何と言ったらいいのか分からないからとにかく表現してみた結果、こうした文字数になってしまったようです。

 そこで業績についてそれぞれヒアリングし、内容の

本質を見極めながら、短いキーワードでその内容を表す

ことを行っていきました。

 業績2、3は製品の能力を測ってデータを得るというものでしたが、目的が明らかに示されてはいませんでした。講師の側で推論したところその業務は将来的に都市計画を行うための分析の手段的な位置づけとなっているように見られました。

 こうした業務では何のために何をやっているかという、最終的な目的が分かっているかどうかということが俯瞰的な視点になります。目的もなくただ計測をすると言うだけでは総監の業務ではなく計測の個別業務の中に埋没してしまうことになりかねません。

 業績4はエンジンの停止装置を供給する業務でしたが、ハードだけでなくソフトの対応もしたことによって、信頼性を高めたと言う業績でした。ただし書かれているのはハードのことだけでしたので、まずは全体概要を俯瞰的にハードとソフトからなることを表現するように求めました。

 業績5は環境負荷低減につながる業務にもかかわらず、その効果が明らかでありませんでした。そこで業務の提案によってどれだけの環境負荷低減効果があったかをCO2原単位で評価することをお勧めしました。

 業務経歴には本来業績の成果を表現することはその趣旨ではありませんが、しかし

コンピテンシーの法則から、どれだけの成果があったかということが業績のお評価を高める

という法則があります。このため定量的な成果を示すことが試験官に対して評価を高めることにつながります。ただしこの評価は事業主としての視点から俯瞰的に見てどうかというものとなります。技術者の視点そのものではなく、多少身を引いてかつ、経済性や効率性などわかりやすい数値で表すのが理想的です。講座では講師が事業主、企業経営者の視点から助言しています。

2017年4月12日 総監部門、建設・施工科目の方のスカイプによる指導

 この日のコーチングによる指導事項は20時から、1時間,スカイプによって相談しながらコーチング指導しました。 

  業務内容の詳細の元となる記述を作成するための「技術的体験チェックシート」によって検討されていました。今回はその3回目となり、建設の業績に近かった内容が総合技術監理にふさわしい内容として見直しされました。

  こうした業績の記述作業は、内容と文章表現方法を考えながらの試行錯誤の作業となります。このご相談されたK様もたくさんの疑問をお持ちでした。

  人的資源管理において、優れた資質のある若手を起用しその能力開発の方法として一般的に採られているベテランとペアを組むという時間とコストのかかる方法ではなく、ケーススタディーによるスピーディーな指導をり入れたそうです。この方法が若手の能力を開発し業務のミスを減らすという意味から総合技術監理にふさわしい技術であるとK様は考えられたようです。

  こうしたひとつひとつの疑問に答えながら本来どうあるべきかということを示し、そして答案が総合技術監理部門の技術士にふさわしい内容を伝えられるように骨子を組み立てていきました。

  もっとも採点の比重が大きい解決策の内容として、

誰もが普通に行う当たり前の事に相当すること

が書かれていました。例えばQCサークルとかOJT、工程管理などです。これではマイナス評価です。

  QC及び新QC七つ道具、リスクマネジメント、チェックシート、といった総合技術監理の要素技術においては、ただ単にこのようなキーワードを挙げるだけでは技術の内容がわかりません。総監の要素技術を

どう巧みに応用して、問題をどのように具体的に解決したか

を表現しなければ総監にふさわしい貢献をしたとは読み取ってもらえないからです。

  このため業績について具体的にヒアリングを行い、講師の側でもし優れた総合技術管理部門の技術士ならどうあるべきかをチェックして、コメントすることにしています。

 特に難しいのが、現時点での評価をどう述べるかです。大抵の方は自分の業績に対して

「まあまあ良かった」とか「クレームはなかった」

と言うような無難な表現でプラスの表現をされますが、これは全くの誤りです。

 自分の業績に対して評価を下す時に結果がプラスだと間違いなく自画自賛と試験官は判断します。それと技術士が行う現時点での評価とは特別な意味があり、それは技術者としてのPDCAをやっているかという意味です。

 すなわち優れた技術士なら継続研鑽を行っているはずであり、当然自らが行った業績に対してその完成時に評価を行いその中に必ず反省点があるはずです。もしもPDCAを行って全く問題点がなかったとしたら、それはチェックが甘いということに他なりません。それでは技術者としての資質を疑われかねません。ですので何かしら反省点を見つけてその改善に向けた修正を講じるべきなのです。試験官は口頭試験でそのような体験を確認し、CPDが十分行われているかということをチェックしていますので、そうした対策も含めて申し込書作成段階から準備して行くことになります。

 このような指導の結果、業績の中に隠れている総合技術監理の貢献のあるべき姿が次第に見えてくることになり、最終的に業務内容の詳細に書きあらわすことができるようになりました。

2017年4月11日 総監部門、電気設備科目の方の面談による指導

 この日のコーチングによる指導事項は13時00分から、2時間,面談によって相談しながらコーチング指導しました。 

 この日は申し込み書について最終的な検討しました。まず5つの業務概要は、

貢献内容と総合技術監理の要素技術の名前が明確に対応する

ように考えました。このほか5つの管理の名称すなわち経済性管理、安全管理、人的資源管理等の名称をとりあえず添える事はやめにしました。

 次に業務内容の詳細について検討しました。

 業務概要は、場所や物件名が主体となっており、過酷な労働環境や物件の難易度についての条件が現れてきていませんでした。このため具体的に何が困難かを明確に示すように伝えました。

 課題:おおまかな高機能不足のみが宣言されてたので、技術的な分析結果としての対応方針、すなわちマンパワーをアップするとか工程管理手法を取り入れるといった技術要素を明確にしました。

技術的解決策:前おき抜きに業績の2つの柱である、 

  • CPMによる工程短縮
  • マズローの法則を用いた人的資源管理

についてまとめることとしました。安全管理についての業務もありましたが簡潔にまとめて、次の成果をしっかり述べることとしました。

成果については、最低限の生活約条件をクリアするといった事しか書かれていませんでしたが、人的資源管理や工程管理による改善結果がどうであったかを分析的に述べることによって、技術的な成果を的確に表現するようにしました。

 このほか、

「失敗は成功の母なり」 (エジソン)

と言うように失敗体験から学んだ事は何かを末尾に添えて、専門的な知見を表すようにしました。

2017年4月2日 総監部門、建設・土質及び基礎科目の方のスカイプによる指導

 この日のコーチングによる指導時間は18時から、55分間に行なわれ,その受講者様は総監部門、建設・土質及び基礎科目を目指す方で、場所は大阪からスカイプを用いて相談されました。建物基礎杭の設計に関する研究業務をされていました。

 レベル2地震動によって液状化した埋立て土及と杭の挙動を把握するために実験とFEM解析し、研究課題を短期間で解決されました。ただし、問題は、建設部門としての内容はともかく、

総合技術監理部門としての貢献が表現できていなかった

のです。

 このような過去に技術士を取得されて、同じ業績でもって新たに総合技術管理部門を受験される方の多くが、総監としての業績の記述ができず苦労されています。その理由は

  • 過去の業績はすでに確定しており、改めて総監としての役割を見出すことが難しい
  • 総合技術管理部門の手法自体に慣れていないため、当時どんな貢献があったのか分析しようにも5つの管理との関連性が指摘できない。

多くの方が誤ってしまうのは、建設部門などの業績がそのまま表れて、総監らしさを失ってしまうことです。こうなりますと口頭試験で

「あなたの業績はどこが総合技術管理部門ですか?」

といった厳しい指摘を受けることとなります。

業績内容が総合技術監理部門ではなく建設部門などの視点となってしまう理由は、業務上の立場が

作業者そのものであって俯瞰的な地位になっていないから

です。このため担当者としての視点を捨てて、経営者あるいは事業主の立場で業績を考えることをお勧めしています。

この建物基礎杭の設計に関する研究業務の方も、本来は研究員を務められていたわけですが、

研究所長かあるいは、発注者の立場で業績を考えれば俯瞰的な考察ができる

ようになりました。

 例えば技術的問題点としては、当初解析パラメータ設定の問題を挙げていましたが、発注者の立場で考えると経済性や品質、工期が問題点として浮かび上がってきます。

 そして、解決策としては、経済性を高めるための総合技術管理部門の対応は何をやったのかということを考えていけば良いわけです。

ここからはコーチングによって実施当時の業務を思い出しながら分析していきました。

  • 研究が予想外の問題発生によって壁にぶち当たった。このため考え方、解析モデルを修正することによって乗り越えた。
  • 研究を推進するための特定の技術的な知見が欠けていた。だから外部から専門家を招いた

 このような解決策の提案の中に見出せる総合技術監理の手法は、それぞPDPC法タスクフォースなどが相当します。

 こうして総合技術監理の手法を割り付けて、それぞれどのように品質を高めるために巧みな工夫を行ったかを表現していけば良いわけです。

 このご相談をされた方は、当初全く総合技術監理部門としての業績の記述が思い付かない状態でしたが、この日のコーチングを経て過去の業績の中にどのような総合技術監理部門に相当する手法があるか明確に意識できるようになりました。この結果業務内容の詳細の骨子は急速にまとまっていったのです。    

 コーチングの内容は以上です。本研究所では疑問が生じた際は随時相談をこのような方法受け付けており、疑問を短時間で解決するよう努めています。"

2017年3月27日 総監部門、施工科目の方のスカイプによる指導

 この日のコーチングによる指導時間は19時から、55分間でした。スカイプを用いて相談しながら指導を行いました。

 ご相談された方は、総合技術管理部門の業績を訴えるのに、もとから経験のあった建設部門の内容が主体となってしまっていて、総監らしい業務経歴が書けないでいました。このような悩みを持つ方は少なくありません。その状況は、

  • 総監の手法が上手ではないの、ごく普通の対応の記述になってしまっている。創造的な総監の手法が見られない
  • 総監というより建設の業績の性格が強い。そもそも建設を超えていない。
  • 貢献内容や応用技術を挙げたとしても、成果につながる因果関係が読み取れない。このためその業務が効果的に行われたことが読み取れない。

 と言う問題を抱えている方が多いようです。こうした問題を解決するため次のような対処を行いました。

(1)創造的な総監の手法の活用

 総監の手法を活用するためにはそもそも引き落とされる状況がわからないために思いつかない事が多いようです。このためその業績の真の問題がどこにあったのか、それを解決するために

どんな苦労があったのかを考えていくと自然と問題を乗り越える工夫につながっていく。

そしてその過程で創造的な相関の手法を見つけることが可能です。実際当研究所のコーチングではそのようなヒアリングによって、ふさわしい総監手法を5提案しております。

(2)総監というより建設の業績になってしまっている

 仕事の目的が建設ではなく、その建設の業績をいかに上手に行うかという視点で考えることです。あるいは建設の1つの担当者の視点ではなく、

  • 現場管理者か発注者の視点から業績を考える
  • 取りまとめ者の俯瞰的な視点で考える

ことによって、単なる建設の視点では無いもっと俯瞰的な総監の視点が似てくると思います。

(3)貢献と成果が論理的につながらない

 AならばBという、論理的な関係は技術者としての正しい判断力の証となるものです。しかし業績の説明で貢献はしたけれども、なぜ成果が得られたのかわからない、すなわち

貢献を成果の論理的関係が理解できない

ときには、そもそも因果関係と考えていること自体に誤りがあるのではないかというマイナス印象を与えかねません。このため、

  • 課題を立案するときはその目的を明確に宣言する
  • 技術的解決策を提案する場合にはちゃんと根拠も添えて説明する。
  •  成果を述べるときには、論理的にその成果を導くことに貢献した要因を説明する。

ことが大事だといえます。

 このような説明を明確にすることによって、論理的で納得しやすい、信頼できる業績の説明が可能となります。

2017年3月26日 総監部門、施工科目の方の電話による指導

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 この日のコーチングによる指導事項は22時から、45分間,電話によって相談しながらコーチング指導しました。

 研究所施設の震災復旧工事について、総合技術管理の応用技術としては、フォールトアボイダンスリスクアセスメントを提案され、その反省点(現時点での評価)がわからないので相談をすることになりました。

 フォールトアボイダンスとは、

信頼性の高い装置や十分な設計レビューによって過失を回避する方法論

を言います。このためにはテストを十分に行い、定期点検を行うなど障害の発生を極力回避する取組みがとられます。

 しかしいくらその様な対策をとったとしても、事故や故障がゼロになる事はありません。建築の震災復旧対策として、耐震性の高い内装仕上げとしたものの、繰り返し到来する地震に対して、崩壊することが避けられなかったということです。このように想定を超える外力が到来した時のためにシステム全体を冗長化していくことが大事なのです。

冗長化することによって、故障が起きてもシステム全体が停止に至らないため、BCPが確保される

ことになります。このような信頼性の高い方法をフォールトトレランスと呼んでいます。

 このご相談の方の問題は建築の震災復旧対策でしたが、建設の内容での反省ではなく、総合技術管理部門の応用技術の反省点として、どうするか、すなわちフォールトアボイダンスで対応を試みたが、それだけでは不十分でフォールトトレランスも取り入れた十分な対策をすべきである、という反省点がふさわしいようです。

 次に、リスクアセスメントについてどうであったかというと、こちらリスクマトリクスをもとにリスクの洗い出ししようやってはみたものの、それ以外のリスクが発生して対応が不十分であったという結果に陥りました。この業績に対する評価はリスクアセスメント実施上納問題点にありました。

 すなわち一般的なリスクアセスメントにおいては、次の理由から判断のばらつきが大きいことが挙げられます。

  • どこまでリークスクーを軽減したら良いかわからない。定量的な判断基準がない。
  • 現実的な根拠なしにリスクをゼロにしてしまう、 zero defectは無理がある
  • 対策するとして、その対策でどの程度リスクが下がるか、システムへの影響評価の方法がないからどこまで対策したら良いかわからない

 こうした問題点に、ぶち当たることになりました。ここから言える反省点は

  • リスク低減の目標を出来るだけ定量化していくこと
  • 対策についてどの程度リスクが下がるかといったデーターベースを備える
  • エキスパートを雇うことによってそのリスクの低減効果を見積もる

ことなどが対策といえそうです。

 総合技術監理部門の業績論文(業務内容の詳細)では建設や機械の視点ではなく、総合技術監理の視点から課題や解決策、現時点での評価を行わねばなりません。そのような場合に、総合技術監理の技術応用に不慣れな方が的確な分析を行う事は困難です。そのようなギャップを乗り越えるため

マンツーマンの指導の電話相談で、講師が直接話し合いにより、具体的な問題の解決

を支援しています。

2017年3月15日 総監部門、施工科目の方の電話による指導

総合技術監理部門コースのコーチングのページへ>

 この日のコーチングによる指導事項は22時30分から、45分間,電話によって相談しながらコーチング指導しました。 

研究所施設の震災復旧工事について、技術支援のまとめ役として、応用技術(技術名)としては、フォールトアボイダンス,リスクアセスメント,PERTとCPMなどを提案されていました。

 しかし、その具体的工夫の内容が書けていませんでした。建設部門の貢献はともかく、総監の業務の視点からご自身の貢献がとらえ切れていませんでした。これだと口頭試験で

「どこが総監技術士にふさわしいのですか」

といわれて落とされかねません。

 そこで、フォールトアボイダンスなど要素技術ごとに何が問題でどう対処すべきかを確認しました。フォールトアボイダンスとは例えて言うと「完全無欠のダメカット」です。確かに失敗はしないものの、大変過ぎます。コストがかかるし、そこまでしなくともよい場合もあります。そのような弱点とかデメリットを解消するのが技術者の務めであり、留意点とはそうした務めをどのように巧みに果たしているかを確認するところです。ですからフォールトアボイダンスについてはコストがかかりすぎないように対象とする事項を絞り込むとか、フェールセーフなど他の信頼性手法と併用することにより、コストダウンを図ることが留意点となります。

 同じように,リスクアセスメントはどのように行うべきかについても相談しました。リスクの洗い出しはモレがあってはいけないので、漏れがないようにするためにどのような工夫をしたかを調べるように指導しました。

 PERTとCPMについては、つまり何を行うのかを確認しました。PERTとCPMのねらいは最も工期がかかる工程を探し出して、その工程に対して資源、コスト等を投入して短縮することが手法の狙いです。ですから、まず

  • 最も工期がかかる工程とは何だったのか。
  • どうやって探しだしたのか。
  • どうやって短縮したのか・・

などといったことを検討すれば工夫の内容になるはずです。

 こうした技術者の務めは、顧客の利益や公益性を高める原動力となっており、すなわち技術者としての資質を表すものだと考えられています。このため

何を工夫してどう効果的に仕事を処理したか

がちゃんとわかるように説明する必要があるわけです。この説明内容によって「技術士にふさわしい」ことが判断されていると言っても過言ではありません。

2017年2月27日 総監部門、施工科目の方の電話による指導

総合技術監理部門コースのコーチングのページへ>

 この日のコーチングによる指導事項は22時30分から、45分間,電話によって相談しながらコーチング指導しました。 

 建設の施工に関する内容ばかりで、総監の貢献が表れていませんでした。そこで、業績を俯瞰的に見て、分析、診断のプロセスも加えるようにしました。まずは視点を変えて、順次整えていくことを指導しました。

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