R1/2019年 建設・河川砂防 Ⅱ−2−2

問題文

 近年、大規模広域豪雨による洪水・土砂災害の発生や、大規模地震・津波が想定されることを踏まえると、河川、砂防及び海岸・海洋の分野では、防災に配慮した地域づくりを進めることが求められる。あなたが洪水、土砂災害、津波のいずれかの防災地域づくりの検討業務を担当することとなった場合、以下の問いに答えよ。

(1)調査、検討すべ事項とその内容について説明せよ。

(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

模範解答1  (簡易形式1)  添削履歴 5回 2019.11.9  専門事項 防災設計

(1)土砂災害防災地域づくりで調査、検討すべき事項とその内容

①災害履歴調査:災害履歴と調査により当該地域で発生しやすい事象やエリアの確認

②土砂災害危険個所の把握:地すべり、急傾斜地、土石流の発生しやすい箇所、被災エリアを想定

③ハザードマップ作成:安全な避難所、避難経路を示したハザードマップの作成

④対策工検討:危険性の高い危険個所について対策工を検討

 (2)業務を進める手順

①図面データの取得

 成果品の品質向上、合意形成を得やすいICTに対応した三次元データの取得

②土砂災害危険個所の把握

 災害履歴調査結果、シミュレーションによる土砂災害危険個所の精度向上により地すべり、急傾斜地、土石流の発生しやすい箇所、被災エリアを想定

③ハザードマップ作成

 住民に地域の危険性が伝わりやすい実写を用いたリアルハザードマップの作成

④対策工検討

 危険性の高い箇所、災害時要援護者施設、避難所の安全確保を優先して対策工を検討

 (3)業務を効率的・効果的に進めるための調整方策

①工程管理

 測量・調査・設計の各担当者、協力会社と業務のコントロールポイントと成果品レベルについて確認し、業務全体の円滑化を図る。

②CIMの導入

 CIM導入により、情報の受け渡しの円滑化、設計の最適化、設計の可視化による地域住民の合意形成を得る。

R1/2019年 建設・河川砂防 Ⅲ−2

問題文

 平成30年7月豪雨をはじめ、近年大規模な豪雨災害が頻発していることを受け、「施設では防ぎきれない大洪水は必ず発生するもの」へ意識を変革し「水防災意識社会」を再構築するための取組を社会全体で進めていくことが重要である。また、洪水氾濫に加えて、土砂・高潮・内水なども含めた複合的な災害にも備えていく必要がある

(1)平成30年7月豪雨等の近年の災害を踏まえ、人的被害や社会経済被害を最小化するために必要と考えられる対策について、技術者としての立場で多面的な課題を抽出し分析せよ

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じるリスクとそれへの対策について述べよ。

模範解答1  (簡易形式1)  添削履歴 1回 2019.10.14  専門事項 防災設計

(1)人的被害や社会経済被害を最小化するための対策

1)土砂災害対策

近年の豪雨災害で発生する土砂災害は公表されている土砂災害危険区域の場合が多いため、ハザードマップの認知度向上と確実な避難が必要

2)河川氾濫、堤防決壊

 累積雨量の増加により河川の氾濫や堤防の決壊が多発しており、発生する浸水エリアは概ねハザードマップと一致しているため、ハザードマップを活用した事前の避難が重要

3)ダム放流による浸水被害対策

 想定外の豪雨により異常洪水時防災操作により、ダムへの流入量と同程度のダム放流が実施される、下流の河川改修とともに浸水想定エリアの想定、住民へ確実な情報伝達が必要

(2)最も重要な課題と解決策

住民自らが行動を起こすための取り組み

1)リアルな情報提供

 実写に土砂災害箇所を重ねたリアルなハザードマップの提供

2)精度の高い情報提供

 洪水シミュレーションや干渉SARによる土砂災害予測精度の向上

3)具体的な情報提供

 地域を絞りこみ、具体的な災害情報を提供

4)地域コミュニケーションの強化

 防災教育の開催、防災リーダーを定め自助・共助による被害の軽減

 (3)上記課題のリスクと対策

1)リスク

 避難所の安全確保、避難した人の受け入れ確保が課題

2)対策

①土砂災害シミュレーション等の精度向上により、避難所の完全確認

②避難所の安全確保のためのハード対策を優先

③避難所の開設情報、周辺の道路混雑状況、受け入れ可能人数のリアルタイムな情報提供

R1/2019年 建設・河川砂防 Ⅲ−2

問題文

 平成30年7月豪雨をはじめ、近年大規模な豪雨災害が頻発していることを受け、「施設では防ぎきれない大洪水は必ず発生するもの」へ意識を変革し「水防災意識社会」を再構築するための取組を社会全体で進めていくことが重要である。また、洪水氾濫に加えて、土砂・高潮・内水なども含めた複合的な災害にも備えていく必要がある

(1)平成30年7月豪雨等の近年の災害を踏まえ、人的被害や社会経済被害を最小化するために必要と考えられる対策について、技術者としての立場で多面的な課題を抽出し分析せよ

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じるリスクとそれへの対策について述べよ。

模範解答1  (簡易形式1)  添削履歴 1回 2019.10.14  専門事項 防災設計

(1)人的被害や社会経済被害を最小化するための対策

1)土砂災害対策

近年の豪雨災害で発生する土砂災害は公表されている土砂災害危険区域の場合が多いため、ハザードマップの認知度向上と確実な避難が必要

2)河川氾濫、堤防決壊

 累積雨量の増加により河川の氾濫や堤防の決壊が多発しており、発生する浸水エリアは概ねハザードマップと一致しているため、ハザードマップを活用した事前の避難が重要

3)ダム放流による浸水被害対策

 想定外の豪雨により異常洪水時防災操作により、ダムへの流入量と同程度のダム放流が実施される、下流の河川改修とともに浸水想定エリアの想定、住民へ確実な情報伝達が必要

(2)最も重要な課題と解決策

住民自らが行動を起こすための取り組み

1)リアルな情報提供

 実写に土砂災害箇所を重ねたリアルなハザードマップの提供

2)精度の高い情報提供

 洪水シミュレーションや干渉SARによる土砂災害予測精度の向上

3)具体的な情報提供

 地域を絞りこみ、具体的な災害情報を提供

4)地域コミュニケーションの強化

 防災教育の開催、防災リーダーを定め自助・共助による被害の軽減

 (3)上記課題のリスクと対策

1)リスク

 避難所の安全確保、避難した人の受け入れ確保が課題

2)対策

①土砂災害シミュレーション等の精度向上により、避難所の完全確認

②避難所の安全確保のためのハード対策を優先

③避難所の開設情報、周辺の道路混雑状況、受け入れ可能人数のリアルタイムな情報提供

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