試験申し込み書(業務経歴)対策

1.はじめに

 技術士合格への道研究所で提唱する合格の理論は、いわゆる試験のため
のテクニックではなく本質的な能力開発です。「技術者コンピテンシー」
の考えに基づくエンジニアとしての本質的な能力開発を目指しています。
これは、従来的な試験論文指導だけでは限界があるという認識からです。
この結果、昨年の合格率は、62%、さらに受験者のうち提出課題の平均
点が60点以上の方の合格率は、なんと86%にもなっています。

 一般的な講座の合格率が3割〜4割であるといわれているのに比べて驚
異的であることがお分かりいただけると思います。この原動力になってい
るのは次のような地道な指導です。

(1)予想の山が外れないように広範囲で予測する(山を張らない)
(2)下書きを書いて題意に柔軟に対処する(臨機応変さ)
(3)添削+コーチングで正しい考え方をスピーディーに理解する
(4)チェックシート等で添削・修正サイクルを早める
(5)オリジナル応用問題で練習する(総合技術監理の場合)

 指導内容が試験のテクニックではなく、一般性、応用性に富んでいま
す。このため合格者の内訳は多彩であり、建設部門以外に、総合技術監
理、水道、森林、環境、農業の各部門と専門とする部門に依存しない実績
となっています。

2. 技術士二次試験合格講座第2回 試験申し込み書(業務経歴)対策

試験申し込み書、そのうち個人の業績相当部分は業務経歴となりますが、
そこではどのようなことがチェックされるのでしょうか。文部科学省とし
ては優れた技術コンサルタントとしての能力を測っていることが想像に難
くないと前回のメールで申し上げました。ある一定以上の能力を備えた技
術者に技術士の資格を与えて、日本の技術コンサルタント業務を任せよう
と考えているはずです。したがって、試験に合格するには、試験テクニッ
クに労するのではなく、実務で役立つ優れた技術コンサルタントであるよ
うに努めれば、自然と合格するのです。

では具体的に、業務経歴ではどのような能力がチェックされるのか見てみ
ましょう。

3. 合格できる業務経歴の条件

 技術士試験では、すべての試験に共通して4つの評価尺度があると申し
上げました。それは、

(1)広く正しい専門知識
(2)論理的な考察力(課題解決力)
(3)確かな技術応用力
(4)目的指向、顧客指向の判断力

です。このうち申込書の業務経歴でチェックされるのは、(3)確かな技術
応用力や(4)目的指向、顧客指向の判断力といった、「成果」につなげら
れる能力に関する部分です。

 「業務経歴」というと一般的には、「○年に○○物件業務に従事した」
という仕事の事実確認のように思われますが、それだけでは「成果」は読
み取れません。技術コンサルタントとしての成果を表現するにはある工夫
が必要なのです。

4. 技術コンサルタントとしての「技術者コンピテンシー」の表現

 そこで助けとなるのが「技術者コンピテンシー」の考え方です。「コン
ピテンシー」とは、改めて説明しますと「高い業績をコンスタントに示し
ている人の行動の仕方などに見られる行動特性」と定義されています。詳
しくはホームページをご覧ください。
http://homepage2.nifty.com/whitewell/4kinou.htm#competency

 もともとは、ハーバード大学の心理学者であるD.C.マクレランド教授ら
が行った外交官の能力調査に始まります。調査結果は「学歴や知能は業績
の高さとさほど相関はなく、異文化感受性、人間性を尊重思想、人的ネッ
トワーク構築力などが関連する」といったことがきっかけで発見されまし
た。

 たとえば、知識や経験はあくまで道具であって、これが行動というレベ
ルで使われないままであるなら、いくら豊富でもその価値はゼロです。つ
まり、知識や経験だけではなく「成果イメージ」を添えて、一歩先にある
行動や実行につなげない限り、有能だとは判断されないのです。

 技術士試験の業務経歴でも同じです。試験官は無意識のうちにコンピテ
ンシー的な観点から人物評価をするため、その人が知識・経験、成果イメ
ージ、思考力、動機などを行動に還元して発揮し、成果を生み出している
か否かを業務経歴書から読み取っているのです。

5. 能力を予感させる「業務経歴」の書き方

 では実際の業務経歴でコンピテンシー、すなわち「成果を生み出すこと
ができる特性を有している」と判断されるにはどうしたらいいでしょう
か。コンピテンシー的な能力を逆に解析して表してみましょう。例えば次
のような業績で考えて見ます。

有害物質によって汚染された井戸の調査及び対策

 これを、成果を生み出しているように修正すると、

○○市○○水源井戸有機塩素化合物汚染浄化対策工事施工管理(油回収井
戸○ヶ所、○○法による油回収により浄化費用を1/2に削減)

というようになり、確かな業務を営んでいるように感じられます。

 具体的に留意すべき点は次のようなことです。

(1)具体的な物件名で存在感を出す
(2)物件特性や規模から難易度の高いことを示す。
(3)問題解決の方法論を示す
(4)解決結果の成果を示す

 このように「コンピテンシー」の法則に従えば、物件の仕様だけでな
く、業務の最終成果や、問題解決の途中のプロセスにある技術にふれれば
よいということがお分かりいただけたでしょうか。

6. 業務経歴作成指導の実際

 以上のような方法により、技術士にふさわしいイメージが作られていく
ことがうかがえると思います。これは目的指向、顧客(利益)指向といっ
た「技術者コンピテンシー」の表出指導の一貫です。

 本講座の指導では、これまで述べたように職務内容には必ず物件名、物
件規模・仕様、技術貢献内容、成果といった内容を記入するように業績を
アピールするよう指導しています。いくつか具体例を挙げておきます。

○○県○○施設、コンクリート舗装工事の施工計画(暑中コンクリート○
m2を〜法で沈下対策、沈下○mm以下)

国道○○号線○○市○山岳地を対象とした道路構造物および土工に関する
地質調査(延長○m、○○解析により○%コスト縮減)

○○自動車道○○トンネルの調査(○○m、〜解析により湧水位置を特定
し○%コスト縮減)

○○自動車道○○トンネル工事区間(○○〜○○)の水文調査(延長○
m、地下水流動解析周辺井戸の影響度を評価)

 業務経歴というと、物件名と設計や計画といった業務名だけになりがち
ですが、それだけでは印象は弱いものです。しかし、こうした技術者とし
てのコンピテンシーの表出を一貫して行っていくと、やがては技術士とし
てふさわしい人物像が作られていくのです。

7. 「業務経歴の書き方」のまとめ

 技術士試験の申込書では、まじめに業務名を書くだけでは不十分であ
り、成果や業務の過程における能力についてふれることが不可欠であり、
それらの結果として能力を予感させることが可能であるということでし
た。

 業務経歴は試験のスタートに過ぎず、筆記試験とは無関係です。しか
し、技術士試験に合格するには最終的に口頭試験、体験論文でも合格せね
ばならず、業務経歴は後日それらの内容を決定付けるものになってきま
す。口頭試験の段階では業務経歴は修正できないめ、現段階で練り上げて
おくしかありません。イマイチな内容では口頭試験のはるか前から不合格
を容認しているようなものです。

 このほか答案を書く際には技術士としての専門性をアピールするためも
あり、客観的に見てご自分の業績がどう評価できるのか整理しておく必要
があるといえます。

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