この日は10:00〜13:00に無料セミナーを行いました。参加されたのは建設部門、情報工学部門、総合技術監理部門の方々です。
この日は、
第一部 合格セミナー、申込書から口頭試験までの合格戦略
第二部 参加者の答案添削・コーチング
を行いました。
第一部の「合格セミナー」ではスライドによる説明で申込書から口頭試験までの合格戦略についてご説明しました。ざっとこの下のスライドのような内容です。
第二部 参加者の答案添削・コーチング
次に、当日参加された方々の答案を添削し、添削結果についてコーチング説明を行いました。答案は、
- 総合技術監理部門2010年問題「超高層ビル」
- 総合技術監理部門2010年問題「エコ・カー」
- 建設部門港湾科目技術的体験論文
であり、2010年筆記試験で書いたものの、いずれも不合格であった答案です。参加者された方はいずれの方も不合格の原因をがわからずお困りでした。
そこで、下の写真のように再現答案をホワイトボードに貼りだして、添削結果を面談コーチングしたのです。次のような不合格原因、合格戦略をお伝えしました。
総合技術監理部門2010年問題「超高層ビル」
不合格原因
出題の趣旨は「社会的条件の変化」によって生じるデメリットを対策することなのに、論文に書かれているのはもっぱら建設プロジェクトの進捗(工期)に関することでした。同様な「社会的条件の変化」やデメリットに対する誤解は他の多くの方でも見られます。
合格戦略 プロジェクトに影響を与える経済情勢や労働需給、建設材料の世界的な市況問題などを考える必要性を申しあげました。このほか「対策」では総合技術監理の技術の効果的な活用が必要なことを申しあげました。すなわち、経済性管理の場合に「クリティカル・パス・メソッド」を挙げるなら、その手法がふさわしい使い方で効果を確かに発揮していることを表す必要があるからです。
総合技術監理部門2010年問題「エコ・カー」
不合格原因
こちらの答案でも、出題の趣旨の読みとりが足りないように見受けられました。論文で扱われている問題はもっぱら自動車の周辺システムに関することであり、「社会的条件の変化」というには関連ありすぎるものでした。
合格戦略
ここではプロジェクトに影響を与える経済情勢他などについて考える良いと思います。「エコ・カー」の開発やマーケットに影響を及ぼすもの、たとえばエネルギー価格、環境税、バッテリー材料(レアメタルなど)・・を挙げればよいのです。そして「対策」では、やはり総合技術監理の技術の効果的な活用が必要です。
答案添削では以上のことを申しあげました。
建設部門港湾科目筆記試験問題
不合格原因
答案のまとめ方について、「課題、問題点、解決策・・」という技術士を応援する会が提唱する骨子法でまとめられていました。下の写真はそのマトリクス資料です。
しかし出題された問題文は「課題、解決策」だけを要求するものだったのです。準備は詳細な分析ではありますが、残念ながらこの方法では試験に合格するのに必須なコンピテンシーを表すことは困難のようでした。論文の構成が複雑なものとなり、しかも前置きが長くなってしまい、物足りない内容になっていたのです。
合格戦略
- 前置きはカットして、論文の構成をシンプルにし、理由は後付けにする。
- 単刀直入に課題を整理する
- 建設、港湾の技術応用に焦点を当てて説明する
ことなどをお伝えしました。
まとめ
以上、3つの答案について、こうしたコーチング指導によって不合格原因を納得されて、
- コーチングでなぜ答案が減点されたのかわかった
- どのようなことを書けば合格できるのか コーチングでわかった
- 技術士答案ではどのように記述すれば合格できるのかコーチングでわかった
- 骨子法などの方法論に頼るのではなく、主体的にケースバイケースで考えることが必要
ということでした。
それとともに、総合技術監理の要素技術や「骨子法」といったテクニックは知識だけでなく活用法の練習が必要です。これらの手法によって、どうやってご自分の論旨をまとめていくかという本質的な考える力が必要です。こうした能力は、問題に接して何回も考えることによりだんだんできるようになります。
そして、「良く考える」には「良くわかる」必要があり、その方法としてコーチングが有効なのです。
以上、問題文、答案をもとに、添削・コーチングを行えば、面白いほど簡単に正解にたどりつく考え方がわかるということです。本研究所の講座がなぜ理解度、満足度が高く、しかも合格率が高いかということをご納得いただけたかと思います。