メールマガジン技術士合格への道 2010年 第9回
 必ず合格できる 技術士二次試験合格講座
  ― 面白いほど合格できる直前テクニック その5―


 技術士筆記試験を受験されるみなさまへ。試験まであと1週間となりました。直前の練習で一番大事なのは、昨年の敗因を克服することです。本研究所では試験の敗因分析を続けてきました。

 これまで確認されている不合格3大原因は、

(1)題意と違う内容(自分の得意な内容、知識)を書いてしまう
(2)長い前置きと不要なまとめで水増し。本論が貧弱のため
(3)課題分析が不十分で、対策に論理的展開がない

というものです。いずれも冷静に考えれば見込みがあったのに、つまりは不安の気持ちから「自爆」してしまうケースが多いようです。

 最後まであきらめずに、正解を追及してください。試験当日の心理状態、特に自信の無い問題に遭遇した時はつらくて苦しいものです。その雰囲気に負けて思考を止めたら勝つ試験も勝てません。落ち着いて普段の練習の成果、すなわち、

 項目のタイトル、あらすじ(下書き)を書いてから答案の清書をしてください。これだけで必ず合格率は上がります。

 問題を予想して暗記しておいても、ピッタリ一致することはありません。その時には、記憶した答案ではなく、新規にご自分の考えを組み立てねばなりません。それに最適なのが、この下書きによる書き方です。

 このメールマガジンではこれまで講座の指導で開発された、実戦的なノウハウを公開して、出来るだけたくさんの方の合格を支援したいと考えています。


1.はじめに

 技術士合格への道研究所では「誰でも必ず合格できる」指導を目指して

コンピテンシー理論+コーチング指導

を実践してきました。詳しくは次のページをご覧ください。

http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#conptency
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#couching

 さて、このメールマガジンでは、技術士二次筆記試験の直前対策として、今年の指導で判明した「面白いほど合格できる直前テクニック」を5回シリーズでお送りしています。今回はその最終回です。

 その1 問題、課題、解決策の考え方は技術者の必須能力(論理性)
 その2 留意点とは経済性などを高めるテクニック(品質管理)
 その3 専門キーワードは専門家の思考様式(概念的思考)
 その4 専門技術による解決策(提案力)
●その5 モレ・ダブリのない整理(体系的思考)

 なお、これらの成果はすでに開催された無料セミナーで公開したものです。セミナー資料は公開しております。関心ある方はぜひご覧ください。直近では、7/31(土)に開催しました。
http://www.gijutsushi1.com/article/13748482.html

2. モレ・ダブリのない整理(体系的思考)
 
 技術士筆記試験の論文では、問題点、課題、解決策などを取り上げることがありますが、このとき3~5程度の項目を取り上げるのが普通です。そしてこれらの項目はそれぞれがモレ・ダブリのない関係でなければなりません。

2.1なぜモレ・ダブリのない整理が必要か?

 考えに漏れや重複があると、実務においては問題の整理・分析・解決を行う際に大きな支障が生まれてきます。漏れによって問題の本質を見落として対策が行われない状況が発生します。

 一方、ダブリによっては情報の整理がすすまず、解決策のプロセスで非効率、不正確となったり、あるいは二重に対策する結果さまざまなトラブルが起こる確率が高くなります。そもそも対策のダブりは資源の有効活用とは言えません。

2.2 技術士試験でモレ・ダブリのない整理が必要な理由

 技術士試験ではどうでしょうか。項目にモレがあると、結局分析に偏りが出てきてしまって、公平な判断を示せなくなってしまいます。「~について述べよ」という問題では特定のケースに限定せず、一般的に考えられる範囲のケースに応用可能な答えでなければなりません。

 一方、ダブリがあると、2つの項目が完全に分離できていなわけでして、分析不足の印象を免れません。実務の場合と同じです。

 もうお分かりだと思いますが、モレ・ダブリのない整理とは正しい判断の根拠にほかなりません。つまりこのような体系的思考は、技術者コンピテンシーのひとつとして、厳しくチェックされるということです。

 だから、問題点、課題、解決策の項目を挙げるときは、きっちりとモレ・ダブリなく整理しなければならないのです。

3. MECE(ミーシーもしくはミッシー)

 このモレ・ダブリのない考え方は、MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略)という「相互に排他的な項目」による「完全な全体集合」を意味する概念として定義されています。

 MECEは経営学、経営コンサルティングなどの領域でよく使われる言葉であり、ロジカル・シンキングの一手法です。

 実務上の活用法としては、プロジェクトに関連する要素の抜き出しや、WBSの策定、商品の企画や、各種調査項目・対象の選定など、網羅性が求められる(要因・アイデアを漏れなく挙げつくしたい)場面でMECEの考え方が使用されます。

 例えば新商品を企画する場合、商品という全体集合を「機能」や「販売価格帯」などの切り口でMECEになるように細分化し、競合商品のない分野の商品開発を優先するといった使用方法もあります。MECEになっているかどうか確認しながら演繹的に分類を行っていくことで、勘やひらめきによる分類よりも網羅性が高まり、思わぬ新商品スポットが発見されることもあるということです。

4. モレ・ダブリのなく整理する方法

 アイデアをMECEに(漏れダブリなく)出すには次のようないくつかの切り口で考えを整理していきます。

(1)物件に必要な「機能」、または、あっては困る不都合な特性(有害機能)を漏れなく挙げる。例 コンクリートの劣化の影響因子

(2)工程を原材料から加工、使用、廃棄に至る製品のライフサイクルに従って漏れなく挙げる。例 社会資本のライフサイクルCO2

(3)製品故障をなくして生産性を上げる場合。発生箇所・原因箇所を「空間」的に漏れなく挙げる。例 地震時に液状化が予測される地域

このほか、既存の現場管理手法でもMECE(漏れダブリなく)となるいくつかの分析軸があります。

(4)生産の4要素、4M
 「人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、方法(Method)」である。4Mの投入に対して、より高いPQCDSMを得ることが製造業の目標となる。工程内で不具合が発生した場合、このいずれかが変化している事が多い。

(5)事故の原因分析・対策検討時に用いられる4M
 事故や災害の原因分析や対策検討の際に要因を 人(Man)、機械(Machine)、媒体又は環境(media)、管理(management)の4つのジャンルに整理する事により原因の本質を捉える。

(6)QCDS
 品質(Quality)、価格(Cost)、納期や入手性(Delivery)、対応やサポート(Service)の頭文字をとったもので、工事や製品の評価における指標のひとつである。

(7)マーケティングにおける視点、4P
 顧客志向のマーケティングの視点。4つのPとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)である。

5. モレ・ダブリのない整理(体系的思考)のまとめ

 今回は、試験で良く求められるモレ・ダブリのない項目整理のしかた、MECEの考え方をご説明しました。この体系的思考は専門家、分析者に特有の能力であり、技術者の重要なコンピテンシーのひとつです。

 普段あまり意識しないかもしれませんが、試験官は何気なく項目に目を通して、技術者コンピテンシーを判断しているのです。こうした点に留意することで確実に答案の評価を高めることが可能です。


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