建設・港湾受験のK様は、試験4日前のこの日、面談コーチングに来られました。本日は18:10〜20:30にH23年の予想問題の手書き答案に対する添削の相談をしました。
最後の仕上げ時期にしておかなければならないのが、手書き練習です。時間を決めて用紙に書きあげる練習を行ってください。
K様は試験時間に合わせて、下の写真のように必須科目3枚、選択科目6枚の答案を作成されました。
その結果は、練習の成果が反映されて、内容的にはかなりの確率で合格できるものとなっていました。それは、講座の指導で学ばれた、
- 出題者が要求している項目毎に答える。
- 問題、課題、対策を論理的に述べる。
- 網羅的にとらえる。偏らない。ダブらない。
- 段落ごとに簡潔にねらいをまとめる。
- 専門技術(建設・港湾)の提案をする。
などの注意点です。
一方、この日改めてご指摘したことは、読みやすさに気を配ることです。
- タイトルには手段や作業の項目ではなくねらいを示し、文章の内容を読まなくても理解できるものとする。
- 対策提案の段落では背景や前置き、問題点を書かない。
- 主語は短くする。
- 一文は3行以内とする。
などをご指摘しました。
試験官は短時間で採点せねばならず、忙しく文章を読みとることとなります。その時に、タイトルが文章の内容を代表していれば、答案全体の趣旨を早く読みとることができます。内容を表すタイトルはそのような理解、つまりわかりやすさを助ける効果があります。
対策提案の段落では、背景や前置き、問題点は文脈を乱して、内容を後戻りさせるのでできるだけ書かないようにしてください。それよりも、具体的にどう実施するかを詳しく提案した方が評価されます。
時間がない中でおろそかになりがちな、読みやすさに気を配るようにしてください。
このほか、
「はじめに」、「おわりに」は必要か?
と質問がありました。結論から言うとほとんど必要性ありません。逆にこれらで文字数がかさむと肝心の内容がおろそかになって減点されかねません。
「はじめに」はかつて、問題が短文で抽象的であった解答趣旨を整理するために、答案の導入の役目を果たしました。しかし、近年では問題文が200字程度まで長文化して、要求が明確となり整理の必要性がなくなっています。従って、得点にならない「はじめに」を書くよりも、答案として必須の内容をいきなり書き始めた方が有利です。
「おわりに」も個人的な見解を述べるものでしたが、筆記試験はそもそも見識問題のため、特段個人的な考えが必要なわけではありません。
問題文の「あなたの意見を述べよ」の真意は、個人の意見を求めているのではなく、技術士として合理的な提案は何かということです。ですから、「おわりに」で何か自分しか知らない特別なことを書く必要はなく、求められている提案事項を淡々と述べれば良いのです。