〒103-0008 東京都中央区日本橋中洲2-3
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技術士合格マニュアル3 目次
第1回 合格理論と指導原理について
1.はじめに
2. 驚異的な合格率の秘密、「合格力」をつける指導原理について
(1)合不合の原因をコンピテンシー理論で毎回正しく分析する。
(2)コーチング指導で題意や添削趣旨を深く理解してもらいます
(3)素早い添削・修正のサイクルで早く学ぶ
(4)問題を予想する方法も勉強します
(5)専門家としての視点を養います
2.1 合不合の原因をコンピテンシー理論で毎回正しく分析する
2.2 コーチング指導で題意や添削趣旨を深く理解してもらいます
(1)問題を解いて自分なりに解き方について考える。
(2)その答えが良いのか悪いのか指導者に評価してもらう。
(3)他人から見た評価を知り客観的な評価尺度を身につける。
(3)修正が必要なら原因を聞いて問題構造を納得する。
(4)自分なりの改善方法を考え、指導者から対応策のヒントをもらう。
(5)学んだことを、他でも活用可能な一般的知見として整理して蓄える。
2.3 素早い添削・修正のサイクルで早く学ぶ
2.4 問題を予想する方法も勉強します
(1)これまで過去にどのような種類の出題がされたか
(2)その過去問が出題されたのはなぜか
(3)出題者はその問題で何を答えとして求めていたのか
(4)上記から考えて新たにどのような問題があり得るか
(5)上記を総合して今年の問題はどれ(複数)と考えられるか
2.5 専門家としての視点を養います
科学技術論文検索
「専門知識が不足しているからもっと勉強しなきゃ」と考えている方へ
第2回 合格に必要な要件 その1
出題者の意図を正しく読み取る
1.はじめに
2. 合格に必要な要件とは
(1)出題者の意図を正しく読み取る
(2)問題分析、課題立案、対応策の提案の展開
(3)技術を用いて問題解決していること
(4)簡潔に単刀直入に述べる
(5)「知るところを述べよ」とは「知識」ではなくノウハウ
3. 合格に必要な要件 その1 「出題者の意図を正しく読み取る」
4. 技術士試験問題から読みとる出題者の意図
4.1建設部門コンクリート科目
4.2 機械部門機械設計科目
(1)実務に裏付けられた能力。まずは体験を問う
(2)問題解決の対処能力
(3)工程改善の能力
4.3 建設部門必須科目
5. 「出題者の意図を正しく読み取る」のまとめ
■最近の指導より 試験申込書の準備
第3回 合格に必要な要件 その2
「問題分析、課題立案、対応策の提案」
1.はじめに
2. 合格に必要な要件とは
(1)出題者の意図を正しく読み取る
(2)問題分析、課題立案、対応策の提案の展開
(3)技術を用いて問題解決していること
(4)簡潔に単刀直入に述べる
(5)「知るところを述べよ」とは「知識」ではなくノウハウ
3. 合格に必要な要件その2「問題分析、課題立案、対応策の提案」
4. 技術士試験問題から読みとる「問題点、課題、対応策」のあるべき姿
4.1 「問題点」のあるべき姿
4.2 「課題」のあるべき姿
(1)「問題点」と同じ言葉か「問題点の『防止』」は「課題」ではない
(2)複数挙げるときは、もれやダブりがあってはならない
4.3 「対応策」のあるべき姿
(1)ねらいにぴったりの対策を示す
(2)施工中に問題となる可能性がある現象を3つ挙げそれぞれについて対策の概要を述べよ。
(2) ビジネスとして実現性が高いと感じられること
(3)「白書のキーワードをちりばめる」?
5. 「問題分析、課題立案、対応策の提案」のまとめ
■最近の指導より
技術を用いて問題解決する
1. はじめに
2. 合格に必要な要件とは
3. 合格に必要な要件その3「技術を用いて問題解決する」
(1)H22建設部門、必須科目
a. 開発途上国の社会資本整備に対する取組について考える。
b. 建設技術者の視点から考える
c. 対象は社会資本整備であって、工事の受注ではない。
(2) H22建設部門、道路科目
4. 「技術を用いて問題解決する」のまとめ
■最近の指導より
たくさんの方の敗因分析よりわかる不合格原因
第5回 合格に必要な要件 その4
簡潔に単刀直入に述べる
1. はじめに
2. 合格に必要な要件とは
3. 合格に必要な要件その4「簡潔に単刀直入に述べる」
不要とは思っていても前置き説明したくなる
3.1 建設部門必須科目の例
(1)H22建設部門、必須科目
3.2 建設部門選択科目(トンネル)の例H22建設部門、トンネル科目
4. 「簡潔に単刀直入に述べる」のまとめ
「奥さんに読んでもらってわかるように書く」は本当か?
■最近の指導より
出題傾向予測練習とコーチング指導動画
第6回 合格に必要な要件 その5
知るところを述べよとは「知識」ではなくノウハウ
1. はじめに
2. 合格に必要な要件とは
3. 合格に必要な要件その5「知るところを述べよとは「知識」ではなくノウハウ」
4. 見識問題で試験官が技術士に最も求めたい知識とは
(1)正確な知識
(2)問題解決方法に関する方法や考え方
(3)問題解決を上手に進めるためのノウハウ
5. ノウハウの具体的な書き方
5.1 応用理学部門選択科目(地質)の例H21応用理学部門、選択科目問題
5.2 建設部門選択科目(コンクリート)の例
6. 「知るところを述べよとは「知識」ではなくノウハウ」のまとめ
問題解決のためのノウハウを示す、つまり上手なマネージメント
第7回 一発合格する体験論文 その1
わかりやすい業績と業績の「基本4要素」
1.はじめに
2. 一発合格できる体験論文とは
3. 一発合格できる体験論文その1「(1)わかりやすい業績概要(体験の広さ
や技術士らしさがわかる)」
4. 業績の概要で試験官が技術士に最も求めたいこととは
(1) 業績が技術士にふさわしい「基本4要素」を備えていること
(2) 業績の幅が十分広い
(3)とにかく説明が解りやすいこと
5. わかりやすい業績概要(体験の広さや技術士らしさがわかる)
のまとめ
■最近の指導より
再現答案とその「不合格原因」の究明
第8回 一発合格する体験論文 その2
「課題及び問題点」で試験官は何を求めているか
1.はじめに
2. 一発合格できる体験論文とは
3. 技術士にふさわしい課題設定
4. 「課題及び問題点」で試験官が技術士に最も求めたいこととは
(1)社会的に意義の大きい技術管理を志向しているか
(2) 問題解決のプロセスが論理的にわかるか
(3)実施したこと、考察したこと、引用したことが区別されているか
5. 「技術士にふさわしい課題設定」のまとめ
■最近の指導より
添削+コーチングが目指すものは
社会的に意義の大きい技術管理
第9回 一発合格する体験論文 その3
「解決策」で試験官は何を求めているか
1.はじめに
2. 一発合格できる体験論文とは
3. 技術を用いた解決策
4. 「解決策」で試験官がチェックしたいことは
5. 「技術士にふさわしい解決策」のまとめ
■最近の指導より
第10回 一発合格する体験論文 その4
「現時点での技術的評価」で試験官がチェックしたいこと
1.はじめに
2. 一発合格できる体験論文とは
3. 技術を用いた解決策
4. 「現時点での技術的評価」で試験官がチェックしたいことは
(1) 問題の解決を確かに見届けているか
(2) 問題解決を通して自らの知見を高めているか
(3) 自己研鑽のからも知見を得て技術士としての能力を高めているか
5. 「技術士にふさわしい鋭い結果の評価」のまとめ
■最近の指導より
添削+音声ファイルコーチング
日本橋セミナールームでの面談コーチング実施例
メールマガジン技術士合格への道 2011年 第1回
今年こそ合格する 技術士二次試験合格講座
― 合格理論と指導原理について ―
技術士二次試験を楽勝で合格するにはどうすればよいか。技術士合格への道研究所では過去11年間、数々の指導法の研究をしてきました。その結果、昨年に引き続いて今年の合格発表でも驚異的な成果を生みました。なんと、
合格率 65%、 満足度80%
という驚異的成果を生み出しています。
技術士合格への道研究所では、「わかる指導、力の出る指導」を目指して「コンピテンシー理論+コーチング指導」を実践してきました。この一環として、日本橋セミナールーム開設や音声ファイルコーチングなどを行ってきました。
今後とも技術者としての再考の資格、技術士の能力開発の専門機関として指導法の開発に努めてまいります。ぜひご期待ください。
1.はじめに
技術士合格への道研究所では「わかる指導、力の出る指導」を目指して
コンピテンシー理論+コーチング指導
を行っています。
「コンピテンシー理論」とは高い能力を発揮している人の行動特性であり、そのような能力開発理論を応用して効果的に技術者指導を行うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#conptency
「コーチング指導」とは、論文添削だけでなく、答案の考察方法や解答姿勢、ご自分にピッタリの試験戦略を毎回口頭で解説して、かつご自身でも正しく考えられる思考力を養うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html# couching
技術士試験の評価尺度が何かは明かされていません。一説には4つの尺度なるものが言われていますが、つまるところ有能なコンサルタントの条件に他なりません。公益性の高い有能な技術コンサルタントの能力を探求すれば必ず合格の尺度は明解になります。
「コンピテンシー理論」、「コーチング指導」は受験者様と問題を共有して解決しますので、成果として「わかりやすい」、「力が出る」という効果を生んでいます。
これら指導の結果、だれでもご自分の専門技術を余すことなく答案に反映し、技術士試験での合格力を自然に高められます。このメールマガジンでは、当面8月の技術士二次筆記試験の対策について連載でお送りします。今回はその第一回目です。
2. 驚異的な合格率の秘密、「合格力」をつける指導原理について
さて、本講座の筆記試験合格率についてはすでにHPでもご紹介したとおり、65%にもなっています。かつ、不合格の方も多数の方が再受講申込みをされています。(詳しくはホームページをご覧ください)
http://www.gijutsushi1.com/category/1261087.html#ritsu
一般的な講座では、合格率が3割〜4割に過ぎず、それで試験に落ちたら二度とそこでは習いたくないというのが普通です。それらに比べて驚異的であることがお分かりいただけるでしょうか。こうした成果の根拠は次のような指導原理を地道に実践しているからなのです。
(1)合不合の原因をコンピテンシー理論で毎回正しく分析する。
(2)コーチング指導で題意や添削趣旨を深く理解してもらいます
(3)素早い添削・修正のサイクルで早く学ぶ
(4)問題を予想する方法も勉強します
(5)専門家としての視点を養います
(1)から(5)について詳しくご説明しましょう。
2.1 合不合の原因をコンピテンシー理論で毎回正しく分析する
技術試験では合格判定の評価尺度が明らかにされていません。その理由は、
ということからだと思います。結局、合格判定の評価尺度をつかむことが合格の条件なのです。こうした合格の尺度について本研究所では技術者コンピテンシーというものを提唱しています。これは一言で言うと、
技術者として多くの成果を上げることのできる能力
クライアントから見て仕事を頼みたいと思わせる人の能力
です。このコンピテンシー理論は能力開発理論として実用化されており、その理論をそれぞれの技術者を対象として展開していけばよいのです。
本研究所の講座では、毎回この技術者コンピテンシー理論に基づいて問題の添削、指導を行っており、指導者の経験に基づく指導に比べて間違いがなく納得しやすいものとなっています。
2.2 コーチング指導で題意や添削趣旨を深く理解してもらいます
技術者コンピテンシーを養うことは容易ではなく、ふつうは過去問練習と添削で学びます。問題ごとに「私はこう考える」という内容を書きだして、熟練者から指導を受けるしかありません。ただし、ふつうの添削では間違いを赤ペンで修正してもらうだけで、
・間違い箇所の修正方法(一例)はわかるが、他の答案で同じ考え方ができるかはわからない
・毎回、個々の対策法の指摘であり、汎用性のある広い視点は養えない
という限界があります。本研究所のコーチングはちょうどゴルフやスケートをコーチについて学ぶようなものであり単発の知識を学ぶのではなく、考え方全体を身につけます。その方法として、
(1)問題を解いて自分なりに解き方について考える。
(2)その答えが良いのか悪いのか指導者に評価してもらう。
(3)他人から見た評価を知り客観的な評価尺度を身につける。
(3)修正が必要なら原因を聞いて問題構造を納得する。
(4)自分なりの改善方法を考え、指導者から対応策のヒントをもらう。
(5)学んだことを、他でも活用可能な一般的知見として整理して蓄える。
という手順で学びます。
2.3 素早い添削・修正のサイクルで早く学ぶ
さて技術士の勉強で大事なことは、たくさん添削を受けて学ぶことです。しかし、従来の方法では時間的制約がありました。すなわち
受講者様 → 事務局 → 講師 → 事務局 → 受講者様
というように何段階にも転送されていくため1サイクルが2週間程度必要でした。これでは回数が無制限といっても役立ちません。一方、本講座では、
受講者様 → 事務局・講師 → 受講者様
というように単純化しているため1サイクルは3日程度です。このためすいすい学べます。
ホームページの記事「添削回答はクイックレスポンス、ほとんど3日以内に返却」をご覧ください。
http://www.gijutsushi1.com/article/13514338.html
しかも、音声ファイルコーチング付きであるため、指摘事項の隅々の細かいニュアンスまで理解することができます。
2.4 問題を予想する方法も勉強します
技術士試験では、毎年新しい問題が出題されるため答案を暗記して書きだす方法では合格できません。試験法の改正以降、応用力重視の傾向が強まり、従来の知識確認型や自由見解記述型の問題はなくなったからです。
もし問題を予想しないとしたら、毎年、予想外の問題でいきなりその場で考えて苦戦するばかりです。このような状況を打開するには問題を予想してかかるしかありません。
そこで、講座で行っているのが問題予測です。今年出題される問題が何であるかをコンピテンシー理論で予測して、準備するのです。具体的には、
(1)これまで過去にどのような種類の出題がされたか
(2)その過去問が出題されたのはなぜか
(3)出題者はその問題で何を答えとして求めていたのか
(4)上記から考えて新たにどのような問題があり得るか
(5)上記を総合して今年の問題はどれ(複数)と考えられるか
といった方法論で考えていきます。この結果、そのものずばりで的中したり、あるいは当たらずとも遠からずといった評価が受講者様より得られています。アンケートの結果、予想問題の的中度は87%となっています。
ホームページ記事「予想問題がバシバシ的中!」をご覧ください。
http://www.gijutsushi1.com/article/13517965.html
2.5 専門家としての視点を養います
技術士は究極的には専門家となるための試験と言えます。筆記試験、体験論文、口頭試験で確かめられるのが「専門家にふさわしいか」ということです。このため、本講座では試験の全ての段階ごとにそうしたチェックをクリアできるよう指導しています。
申込書段階
業務経歴は十分技術的に高度なことをやっているか
業績において成果につながるような貢献をしているか
筆記試験
出題者の求めることに対して答えているか。
技術的に本質的なことを満足しているか
プロコンサルタントらしい問題解決をしているか
体験論文
本質的な問題をとらえて課題立案しているか
合理的な問題解決がされているか
口頭試験
専門家らしい見識、展望を持っているか
技術者倫理、技術士制度など見識はあるか
こうした見識を養う手段として、科学技術論文検索という方法があります。この方法で簡単に一流の専門家の知見を養えます
ホームページの関連記事「科学技術論文検索」をご覧ください。
http://www.gijutsushi1.com/article/13869796.html
最近の指導より
さてみなさんは今年の試験準備はもう始められましたか。技術士合格への道研究所の指導では、敗因分析を行っています。
ホームページの「敗因分析」のページをご覧ください。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261087.html#haiin
試験答案は、自分ではかなり書いたと思っていたのにB評価、あるいはC評価であったという方はいませんか。合格力を身に着けようにも、なぜ減点されたかわからなければ勉強のしようがありません。
技術士合格への道研究所の講座では、昨年受験された時の再現答案をもとに講師が分析し
という観点で添削し、コーチング指導をしています。
このコーチングの実態について知りたい方はこちらをどうぞ。
コーチングの形式は下記の3段階で自由に選択可能としています。
http://www.gijutsushi1.com/article/13545408.html
(1)音声ファイルコーチング
(2)電話コーチング
(3)面談コーチング
音声ファイルコーチングの事例は、下記ページで「音声ファイル」をクリックすると聞けます。再現答案の添削コメント(敗因分析)を行っています
http://www.gijutsushi1.com/category/1261087.html#haiin
「専門知識が不足しているからもっと勉強しなきゃ」と考えている方へ
技術士試験では、専門技術の知識もさることながら、応用的な考え方の不足から、多くの方が失敗しています。
平成22年の建設部門必須科目の問題をご覧ください。
我が国の国土は巌しい地形・地質、気象等の条件下にあることに加えて、近年は社会的状況も大きく変化し、 自然災害から国民の安全や生活を守ることがより一層求められている。
建設部門に携わる技術者として、社会的状況の変化に対応して防災あるいは減災対策を行う上での課題を3つ挙げ、その内容を説明せよ。また、これらの課題に対して、国民の安全や生活を守る観点から今後どのような取組を進めていくべきか、あなたの意見を述べよ。
過去問はこちら
http://www.gijutsushi1.com/category/1330906.html
この問題を解くのにどれほどの専門知識が必要でしょう。むしろ知識より考え方のほうが難しいのではないでしょうか。
こうした問題に対する正しい考え方の指導を行った結果、講座の受講生の複数の方が正解されています。
しかも、ある方は「技術士試験とはもっと難しいと思っていたが、それほどでもなかった。講座で学んだ結果、日常業務の考え方が変わってきて、自分の提案がどんどん会社で取り上げられるようになった。」と言っています。
本講座の指導では、本質的に技術コンサルタントとして役立つ考え方を指導しています。ですから、技術士試験でも合格しないわけがないのです。ただし、その方法は簡単ではありません。指導する側に負担の大きい方法であり他ではできません。
おそらくこうした勉強の結果として、試験の作文テクニックではなく、本質的な技術コンサルタントとしての能力が身につくため、技術者として一回りも二回りも大きくなれるに違いありません。どうか皆さんも1年間頑張っていきましょう。
技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町1−10−8
ワコー東日本橋マンション502
Tel 03−6273−8523
FAX050−3488−2177 ボイスメール(伝言)兼用
e-mail gijutsushi1@yahoo.co.jp
URL http://www.gijutsushi1.com/
メールマガジン技術士合格への道 2011年 第2回
今年こそ合格する 技術士二次試験合格講座
― 合格に必要な要件 その1 出題者の意図を正しく読み取る ―
技術士二次試験を楽勝で合格するにはどうすればよいか。技術士合格への道研究所では過去11年間、数々の指導法の研究をしてきました。その結果、昨年に引き続いて今年の合格発表でも驚異的な成果を生みました。なんと、
合格率 65%、 満足度80%
という驚異的成果を生み出しています。
技術士合格への道研究所では、「わかる指導、力の出る指導」を目指して「コンピテンシー理論+コーチング指導」を実践してきました。この一環として、日本橋セミナールーム開設や音声ファイルコーチングなどを行ってきました。
今後とも技術者としての再考の資格、技術士の能力開発の専門機関として指導法の開発に努めてまいります。ぜひご期待ください。
1.はじめに
技術士合格への道研究所では「わかる指導、力の出る指導」を目指して
コンピテンシー理論+コーチング指導
を行っています。
「コンピテンシー理論」とは高い能力を発揮している人の行動特性であり、そのような能力開発理論を応用して効果的に技術者指導を行うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#conptency
「コーチング指導」とは、論文添削だけでなく、答案の考察方法や解答姿勢、ご自分にピッタリの試験戦略を毎回口頭で解説して、かつご自身でも正しく考えられる思考力を養うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html# couching
技術士試験の評価尺度が何かは明かされていません。一説には4つの尺度なるものが言われていますが、つまるところ有能なコンサルタントの条件に他なりません。
本マガジンでは、過去11年間の指導結果より合格に役立った本質的な考え方、「合格に必要な要件」を4回シリーズで紹介します。今回はその1回目です。
2. 合格に必要な要件とは
本研究所の講座では筆記試験後に再現答案で独自の合否判定を行っています。そして、合格発表後に見直して合否判定の尺度を修正してきました。その結果、大きく四つの要件が浮かび上がってきました。それは、
(1)出題者の意図を正しく読み取る
(2)問題分析、課題立案、対応策の提案の展開
(3)技術を用いて問題解決していること
(4)簡潔に単刀直入に述べる
(5)「知るところを述べよ」とは「知識」ではなくノウハウ
といった5項目です。今回は、「(1)出題者の意図を正しく読み取る」について詳しくご説明します。
なお、これらの成果は無料セミナーで公開しております。関心ある方はぜひご参加ください。直近では、3/19、3/26、4/2に予定しております。
3. 合格に必要な要件 その1 「出題者の意図を正しく読み取る」
H22技術士試験問題を分析すると次のようなことがいえます。
・状況を想定して、それに対する考えを問われる。
・具体例での応用と一般的原理をそれぞれ求められる。
・資料から問題点を分析して課題、解決策を提案する。
こうした問題に対処するには出題者の意図を深く読み解く必要があります。しかし、この「問題の根源をさかのぼること」は実は多くの技術者には苦手で、むしろ多くの方は手っ取り早く解決策を考えがちです。
こうした問題の分析が試験で求められるのは、それが専門的技術者やリーダーのコンピテンシーであって、実務では一部の技術者にだけ求められます。逆に、大部分の技術者は指示された対策の実施に専念することになり、詳しい分析は必要としていません。
例えて言うとクレーム処理にチームで対応する場合、クライアントの要望を聞き取るのはリーダーだけでよく、部下はその指示に従って対策を実施するだけで良い、というものです。
このため出題者の意図を把握するには、対策者の立場を離れて上司や経営者など上位政策決定者の立場で考えるのが良いでしょう。
4. 技術士試験問題から読みとる出題者の意図
4.1建設部門コンクリート科目
例えば平成22年の建設部門コンクリート科目の問題は、
Dグループ
I-15 コンクリート構造物の設計で考慮すべき施工への留意点について,以下の問いに答えよ。 (各問1.5枚程度 )
(1)設計段階で施工に対する検討不足が原因で,施工困難や欠陥が生じた不具合の例を3つ挙げ,どのような検討が不足していたか具体的に述べよ。
(2)このような不具合の発生を防ぐための対策について,幅広い観点か らあなたの考えを述べよ。
このような問題となっています。
問題I-15ではコンクリート構造物の施工時に生じた、
(1)欠陥の例
(2)その原因分析
(3)欠陥の発生防止対策
の3つを求めています。ここでの出題者の意図は
(1)実務に裏付けられた能力、つまり経験や専門知識を問う
(2)失敗に対する問題分析の視点を問う
(3)問題分析、課題、対策という対応姿勢を問う
といった基本的な対応姿勢を確かめています。これらはいずれも現場の技術者が必要としていることであり、クライアントからも要求が高いことです。ですから技術者の基本的なコンピテンシーと言えます。解答例方針としては、ふつうに現場で体験したジャンカやクラックを取り上げれば良いわけです。
4.2 機械部門機械設計科目
次に平成22年の機械部門機械設計科目の問題は、
Ⅰ-2-2 主として設計変更に起因するトラブルの具体例を1つ取り上げ,トラブル対処に用いられる設計手法の観点から,(1)トラブルの解決方法,(2)トラブルの未然防止について述べよ。
となっており、トラブル対応に関する問いかけとなっています。
ここでは設計変更に起因するトラブルについて
(1) 具体例を1つ挙げ
(2) トラブルの解決方法
(3) トラブルの未然防止
を設計手法の観点から答えるというものです。ここでの出題者の意図は
(1)実務に裏付けられた能力。まずは体験を問う
(2)問題解決の対処能力
(3)工程改善の能力
といったこれも機械設計の基本的な対応姿勢を確かめています。こうした問題解決や未然防止策といったことは、今日「カイゼン」として機械技術者の常識的なコンピテンシーとなっています。ですから、日常的体験の中にある失敗体験から改善例を取り上げれば良いわけです。
4.3 建設部門必須科目
次に平成22年の建設部門必須科目の問題は、
Ⅱ-1 我が国の国土は厳しい地形・地質,気象等の条件下にあることに加えて,近年は社会的状況も大きく変化し,自然災害から国民の安全や生渚を守ることがより一層求められている。
建設部門に携わる技術者として,社会的状況の変化に対応して防災あるいは減災対策を行う上での課題を3つ挙げ,その内容を説明せよ。
また,これらの課題に対して,国民の安全や生活を守る観点から今後どのような取組を進めていくべきか、あなたの意見を述べよ。
となっており、この問題では安全・安心や防災に関する問いかけとなっています。ただし、ここではただ自由形式で解答するのではなく、
「社会的状況の変化」
という命題が与えられています。この意味は、
(1)社会的状況のと変化の認識、すなわち現状と近未来予測対処を確かめる
(2) 「安全・安心、防災」では定型問題なので付帯条件で応用力を確かめる
(3)「防災に対する取組み」から建設工学の実務対応能力を確かめる。
といったねらいがあります。「安全・安心」、「防災」といった定型問題になりがちなテーマに対して、わざと問題に「変化」を与えてその対応力を測っているのです。
さらに言うと、技術者の能力を測るためわざと難易度を高めているともいえます。大学受験で難関校が優秀な学生をふるい分けるため難題を出すのと同じです。優秀な技術士を選抜するには試験問題が簡単すぎては合格者を有効に選別できないといった不都合があります。
また逆に、変化への対応力は技術者のコンピテンシーであって、技術士試験でたびたび出題されています。このほか必須科目試験から読みとれるコンピテンシーの測定モチーフとしては、
(1)外部状況変化を察知することと、その対応力 建設、総監
(2)課題立案、対応策提案力 応用理学
(3)データを分析して的確な判断を下す 水道、農業
(4)技術者倫理、見識 機械、衛生、環境
(5)実務的対応力 電気、衛生、水産
といったことも分析できます。
技術士合格への道研究所では、このような技術者コンピテンシーの構造を解明し、ケースバイケースで最適な対処ができるように研究を続けています。
5. 「出題者の意図を正しく読み取る」のまとめ
技術士試験問題が難しく感じられる第一の原因は、
出題者の意図がわからないこと
です。このために、勝手に解釈して、要求とは異なる内容を書いてしまうという敗因が後を絶ちません。まずは出題意図を確認することです。そうすれば解答の確度はぐんと上がってきます。
また、試験問題の難度はこれからも高くなりますので、難題形式に慣れておく必要があります。この一助として、技術士試験でコンピテンシーがどのような形で測定されているかを見極めることが問題対処の上で役立ちます。
■最近の指導より
さてみなさんは試験申込書の準備はもう始められましたか。技術士合格への道研究所の指導では、今年の受験申込書に書く業務経歴の書き方を指導しています。体験業務の分析により、だれでも自信の持てる業務経歴を作り上げられるようにしています。
具体的には業務経歴チェックシートを用いて次の5項目を考えながら作成していきます。
(1)物件名 できるだけ具体的な名称としてください。大きさや複雑さ以外に、所在地や発注者など物件の難易度に関する情報なら何でも結構です。
(2)職務内容 「計画、研究、設計、分析、試験、評価」からふさわしい内容を選定してください。「物件名」と「職務内容」を連結して「業務名」としてください。
(3)規模・型式 あまりくどくど書かないでスペック(型式、数値、グレード、仕様)を表す情報としてシンプルにまとめるのが良いと思います。
(4)技術名 ○○解析技術、○○予測技術、○○制御技術など。
(5)成果 あまりくどくどと書かず、経済性や生産性、高品質をイメージさせるうれしい結果の数値で表してください。
これらをまとめると次のスライドとなります。
http://birukaze.com/gijutsushi1/20110224goukakudekiru.gif
出来上ったシートをもとにコーチング指導を行います。指摘事項としては、
(1)物件規模として意味のある情報かどうか吟味する
(2)貢献と成果の内容が因果関係があること
(3)成果の内容がクライアントの視点から見ても意味あるものであること
などが多いようです。
技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町1−10−8
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FAX050−3488−2177 ボイスメール(伝言)兼用
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メールマガジン技術士合格への道 2011年 第3回
今年こそ合格する 技術士二次試験合格講座
― 合格に必要な要件 その2 「問題分析、課題立案、対応策の提案」 ―
技術士二次試験を楽勝で合格するにはどうすればよいか。技術士合格への道研究所では過去11年間、数々の指導法の研究をしてきました。その結果、昨年に引き続いて今年の合格発表でも驚異的な成果を生みました。なんと、
合格率 65%、 満足度80%
という驚異的成果を生み出しています。
技術士合格への道研究所では、「わかる指導、力の出る指導」を目指して「コンピテンシー理論+コーチング指導」を実践してきました。この一環として、日本橋セミナールーム開設や音声ファイルコーチングなどを行ってきました。
今後とも技術者としての再考の資格、技術士の能力開発の専門機関として指導法の開発に努めてまいります。ぜひご期待ください。
1.はじめに
技術士合格への道研究所では「わかる指導、力の出る指導」を目指して
コンピテンシー理論+コーチング指導
を行っています。
「コンピテンシー理論」とは高い能力を発揮している人の行動特性であり、そのような能力開発理論を応用して効果的に技術者指導を行うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#conptency
「コーチング指導」とは、論文添削だけでなく、答案の考察方法や解答姿勢、ご自分にピッタリの試験戦略を毎回口頭で解説して、かつご自身でも正しく考えられる思考力を養うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html# couching
技術士試験の評価尺度が何かは明かされていません。一説には4つの尺度なるものが言われていますが、つまるところ有能なコンサルタントの条件に他なりません。
本マガジンでは、過去11年間の指導結果より合格に役立った本質的な考え方、「合格に必要な要件」を4回シリーズで紹介します。今回はその2回目です。
2. 合格に必要な要件とは
本研究所の講座では筆記試験後に再現答案で独自の合否判定を行っています。そして、合格発表後に見直して合否判定の尺度を修正してきました。その結果、大きく四つの要件が浮かび上がってきました。それは、
(1)出題者の意図を正しく読み取る
(2)問題分析、課題立案、対応策の提案の展開
(3)技術を用いて問題解決していること
(4)簡潔に単刀直入に述べる
(5)「知るところを述べよ」とは「知識」ではなくノウハウ
といった5項目です。今回は、「(2)問題分析、課題立案、対応策の提案の展開」について詳しくご説明します。
なお、これらの成果は無料セミナーで公開しております。関心ある方はぜひご参加ください。直近では、4/2、4/9、4/16に予定しております。
3. 合格に必要な要件その2「問題分析、課題立案、対応策の提案」
技術士試験問題の例年の傾向として、次の3段階での問題解決過程が求められています。
・現状を分析し、問題点を整理する。
・課題を立案して方針を提案する。
・対応策を示して解決のための実施方法を明示する。
こうした3段階での問題解決過程は、正しい問題解決には不可欠なものであり、正しい成果を導くための必須条件と言えます。その意味で問題解決に当たるコンサルタントの試験では頻出傾向となってるわけです。
そして、3つの段階ごとすなわち、問題点、課題、対応策の項ではそれぞれ次のような厳密な試験のねらいがあるようです。
「問題点」 現状の悪さを明らかとして要因に迫る
「課題」 大まかな方向性を示すこと
「対応策」 実現可能性、具体的な方法論
そしてそれら3つが、「問題点が~だから、課題が~である。課題が~だから対応策が~である」と因果関係がつながっていないといけません。問題解決全体として論旨展開の論理性が求められているということです。
では、問題点、課題、対応策をどう展開すべきか、それぞれ考えてみましょう
4. 技術士試験問題から読みとる「問題点、課題、対応策」のあるべき姿
4.1 「問題点」のあるべき姿
問題点とは基本的に「対処すべき悪い状況」です。コンクリートで言うとクラックとかコールドジョイントであり、状況として「好ましくないこと」としてすぐに把握できるものと考えてください。
コンサルタントの務めは問題解決ですから、まずはクライアントが問題を把握したところから始まります。その意味で「問題点」はスタートなのです。ただし、専門家としてはその状況を「コンクリートのクラックやコールドジョイント」と正しい専門用語で定義する必要があります。
「問題点」で大事なことはもう一つあり、それは根本原因や要因を分析することです。問題解決を正しく進めるには、だだ見た目の現象としてとらえるだけでなく、根本となる要因を突き止めねばなりません。
ですから「問題点を述べよ」は、「問題点を分析して要因を述べよ」と読みかえてもかまいません。出題文によってはそのように書かれている場合もあります。
いずれにせよ、「問題点」は次の「課題」に進めるためのデータであって、分析しないと的確な課題がわかりません。正しい問題解決の第一歩として、まずはデータから正しい要因を見出すことが大事です。
例えば平成22年の建設部門コンクリート科目の問題は、
Dグループ
I-15 コンクリート構造物の設計で考慮すべき施工への留意点について,以下の問いに答えよ。 (各問1.5枚程度 )
(1)設計段階で施工に対する検討不足が原因で,施工困難や欠陥が生じた不具合の例を3つ挙げ,どのような検討が不足していたか具体的に述べよ。
(2)このような不具合の発生を防ぐための対策について,幅広い観点か らあなたの考えを述べよ。
このような問題となっています。
問題I-15ではコンクリート構造物の施工時に生じた、問題点として「施工困難や欠陥が生じた不具合の例」を求めています。悪い状況の典型みたいなものですから簡単です。
クラック、コールドジョイント、レイタンス・・
と挙げれば良いのです。この問題(1)での難しさは「設計段階で施工に対する検討不足が原因で」に相当する根拠にあるようです。
4.2 「課題」のあるべき姿
次に「課題」では問題点から抽出された要因、実はそれが専門家としての問題点なのですが、それに対して解決に至る方針を示します。
ここでいう「方針」とは、具体的に実施内容は決定しないが、概念的にどのような方法論なのか検討すべき内容の絞り込みができるようにするという意味です。
先のコンクリートのクラックの問題では、加水による原因が想定されるとしたら、「水セメント比の管理」や「スランプの適正化」が課題となります。具体的に「水セメント比」をどう管理するかは別として、とにかくクラックに対して支配的因子である「水セメント比」を管理することは間違いなく効果が見込めます。
このように、「課題」とは解決に至らなくとも、必ず効果が見込める対策の方向性(方針)と言えるのです。コンサルタントとしては、まずは問題を整理して、正し方向性を示し、問題解決の考え方を間違えないようにすることが求められています。
「課題」の注意点としていくつかあげておきます。
(1)「問題点」と同じ言葉か「問題点の『防止』」は「課題」ではない
「課題」の言葉として世間では「問題点」がそのまま用いられることが良くあります。たとえば、
「新規の顧客が開拓できないことが課題であった」
「顧客の減少を防ぐことが課題であった」
と日常会話として話すことがあります。正しくは
「新規の顧客が開拓できないことが問題であり、商品開発が課題である」
でしょう。つまり、「問題点」の言葉で悪い状況を表したり、あるいは「問題点の『防止』」のように問題点を否定するだけでは解決策の方針として意味がないため「課題」とはならないということです。
(2)複数挙げるときは、もれやダブりがあってはならない
「課題」は解決策のスタートに当たります。このためこれ以降の作業の成果を左右することとなり、無駄のない仕事を進めるにはもれやダブりがあってはならないということです。
ダブりがいけないことはわかりやすいです。対策を考えたときに同じような対策が並列してきて意味がないことになります。
一方、「もれ」があると結果として、本来期待できたはずの良い結果を得られない可能性があります。コンサルタントの務めとして最上の結果を提供するためには漏れはあってはならないのです。
4.3 「対応策」のあるべき姿
「対応策」では「課題」を受けてどう実施するかを述べます。書き方としてはあまり難しくはないと思います。対策は技術者の仕事の主要な部分ですから誰でもなれていることかとは思います。「対策」を書く上での注意を申しあげます。
(1)ねらいにぴったりの対策を示す
「対策」の目的は「課題」で示したねらいがあったはずです。したがってそのねらいが確かに満たされるというぴったりの答えでなければなりません。
たとえば平成22年の建設部門トンネル科目の問題は、
問題Ⅰ-1-1 都市部の土砂地山において土被り1D(D:トンネルの掘削幅)以下で施工される山岳トンネルについて、次の問いに答えよ。
(1)覆工及びインバートの設計上の留意点を3つ述べよ。
(2)施工中に問題となる可能性がある現象を3つ挙げそれぞれについて対策の概要を述べよ。
この(2)の対策については、まず、
の3つの全てに該当しなければなりません。
この対策の一つとしては土砂地山からくる土圧によって覆工が変形し、地盤が陥没して地上の建物基礎に変状が生じるため、覆工や地盤の変形を計測監視するとか、土圧を低減するため地盤改良するなどの対策が挙げられます。
つまり、その問題ごとに
が求められます。
(2) ビジネスとして実現性が高いと感じられること
技術士の提案は実務的な問題解決ですから、その答えはビジネスで通用しなければなりません。このため、答案の答えといってもハンドブックの記述ではなく、最新の実勢に準拠したものでなければならないわけです。
この「ビジネスとして実現性が高い」とは現在のマーケットで経済性が高いことと同じと考えて良いでしょう。
平成22年の建設部門コンクリート科目の問題は、
鉄筋コンクリート構造物の初期欠陥について以下の問いに答えよ(各問1.5枚程度)
1.鉄筋コンクリート構造物の初期欠陥のうち施工に起因する欠陥を2つ挙げその原因を説明せよ。
2.上記で示した初期欠陥のうち1つに対して、現在、一般的に行われている防止策の現状と課題を説明せよ。また、その課題解決に向けた設計・施工のあるべき姿について、幅広い観点からあなたの考えを述べよ。
となっており、この問題の答えとして「クラック、ジャンカ」を欠陥とした場合、その防止策としては、高性能AE減水剤を入れるなどが挙げられます。こうした方法で、コンクリートのワーカビリティーを上げることが現場で広く良く行われており、その一因が、高性能AE減水剤のコストパフォーマンスが良いことです。
コンサルタントというものは、究極的にクライアントの経済メリットに貢献するものでなくてはならず、技術士としてはそうした最新の経済性の高い方法を提案できることが務めなのです。
(3)「白書のキーワードをちりばめる」?
「白書のキーワード」は技術士の合格法として良く言われることですが、その真意を誤解されていませんか。キーワードを知っていること、つまり知識が大事なのではありません。
「白書のキーワード」は、いずれも一般性の高い専門用語であり、それ自体がある程度確立した技術用語であるといえます。技術士の仕事が専門多岐にわたることから、その細部に至るまで誤解のないように意志を伝えるには専門用語で表現するのが一番です。
たとえば「アセットマネジメント」というキーワードがあります。
橋や道路などの公共物に対して、適正な管理により更新時期を平準化し、ライフサイクルコストを考慮した効率的な管理によりその価値を高め利益を最大化すること。
その考え方の中には次のようなプロセスがあります。
1 資産状況の把握
統一した基準により点検を実施し、すべての資産の状況を把握
2 資産の評価・分析
データベースを使った定量的な分析により資産を評価
ライフサイクルコストを算出
3 事業計画の策定
個別の施設について修繕、転用、更新、売却などを判断
重要性の観点から優先順位を決定
4 事業の決定・実施
財政状況を踏まえ事業化、実施
6 事業評価
データベースや計画の修正
つまり、アセットマネジメントには、概念的にこのような多くの意味があり、それらをいっぺんにしかも正確に表せるということです。逆にキーワードを使わなければとても非効率となってしまいます。
専門家の仕事としてはたくさんのことを誤解なくスピーディーに表現する必要があります。その意味で白書のキーワードはプロコンサルタントとしての重要な能力と言えるでしょう。このような意味で技術士試験でキーワードが重要視されるということです。
ですから「白書のキーワードをちりばめる」とは、だた個数をたくさん引用すれば良いということではなく、キーワードを用いて多くの実務的な解決策を簡潔に表現することが大切だということなのです。
5. 「問題分析、課題立案、対応策の提案」のまとめ
技術士試験問題では画一的な答えというものはなく、誰もが正しい結論に至る答えを自分の言葉で表す必要があります。逆に、このようにして専門家が出した答えが正しいか否かは、ふつう専門家でなければ判断できません。技術士試験ならば試験官が採点しますが、実務ではそうはいきません。
このため、コンサルタントはクライアントに対して常に正しい結果、しかもそれが正しいと納得できる答えを提供できるという問題解決過程の品質管理をしなければなりません。技術士はその担保として、
こうしたプロセスでもって結果の正しさを保証している、だから試験でも求められるということなのです。
■最近の指導より
さてみなさんは試験申込書の準備はもう始められましたか。技術士合格への道研究所の指導では、今年の受験申込書に書く業務経歴の書き方を指導しています。体験業務の分析により、だれでも自信の持てる業務経歴を作り上げられるようにしています。
この中で一番大事なことは、
(1)物件名
大きさや複雑さと共に、所在地や発注者など物件の難易度に関する情報があれば固有名詞で表すことが有効です。大手機関からの依頼物件を「某○○施設」などと隠す必要はありません。
(2)技術名や貢献と成果の因果関係
あまりくどくどと書かず、成果を導くのに寄与したことは何か?絞り込んで書くことです。良い結果を導くテクニックはいわゆるノウハウであり、それはコンピテンシーの一大要素なのです。仕事のできる技術者が実務的なテクニックや役所の届け出関係など、たくさんのノウハウを持っていることからもうかがえます。
大事なことは、その成果とは経済性や生産性、高品質をイメージさせるうれしい結果の数値で表すということです。こうしたイメージがなければ成果として効果がなく、数値がなければ曖昧なものとなってしまいます。
技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町1−10−8
ワコー東日本橋マンション502
Tel 03−6273−8523
FAX050−3488−2177 ボイスメール(伝言)兼用
e-mail gijutsushi1@yahoo.co.jp
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メールマガジン技術士合格への道 2011年 第4回
今年こそ合格する 技術士二次試験合格講座
― 合格に必要な要件 その3 技術を用いて問題解決する ―
技術士二次試験を楽勝で合格するにはどうすればよいか。技術士合格への道研究所では過去11年間、数々の指導法の研究をしてきました。その結果、昨年に引き続いて今年の合格発表でも驚異的な成果を生みました。なんと、
合格率 65%、 満足度80%
という驚異的成果を生み出しています。
技術士合格への道研究所では、「わかる指導、力の出る指導」を目指して「コンピテンシー理論+コーチング指導」を実践してきました。この一環として、日本橋セミナールーム開設や音声ファイルコーチングなどを行ってきました。
今後とも技術者としての再考の資格、技術士の能力開発の専門機関として指導法の開発に努めてまいります。ぜひご期待ください。
1.はじめに
技術士合格への道研究所では「わかる指導、力の出る指導」を目指して
コンピテンシー理論+コーチング指導
を行っています。
「コンピテンシー理論」とは高い能力を発揮している人の行動特性であり、そのような能力開発理論を応用して効果的に技術者指導を行うものです。
また、「コーチング指導」とは、論文添削だけでなく、答案の考察方法や解答姿勢、ご自分にピッタリの試験戦略を毎回口頭で解説して、かつご自身でも正しく考えられる思考力を養うものです。これらの考え方について、解りやすい動画を用意しました。
http://www.gijutsushi1.com/article/13435282.html
技術士試験の評価尺度が何かは明かされていません。一説には4つの尺度なるものが言われていますが、つまるところ有能なコンサルタントの条件に他なりません。
本マガジンでは、過去11年間の指導結果より合格に役立った本質的な考え方、「合格に必要な要件」を5回シリーズで紹介します。今回はその3回目です。
2. 合格に必要な要件とは
本研究所の講座では筆記試験後に再現答案で独自の合否判定を行っています。そして、合格発表後に見直して合否判定の尺度を修正してきました。その結果、大きく5つの要件が浮かび上がってきました。それは、
(1)出題者の意図を正しく読み取る
(2)問題分析、課題立案、対応策の提案の展開
(3)技術を用いて問題解決していること
(4)簡潔に単刀直入に述べる
(5)「知るところを述べよ」とは「知識」ではなくノウハウ
といった5項目です。今回は、「(3)技術を用いて問題解決していること」について詳しくご説明します。
なお、これらの成果は無料セミナーで公開しております。関心ある方はぜひご参加ください。直近では、4/23、4/30に予定しております。
3. 合格に必要な要件その3「技術を用いて問題解決する」
技術士試験では専門技術ごとに部門、科目が設けられており、それぞれの領域の要素技術に関する能力が問われます。これは試験だから求められるということではなく、そもそも定義みたいなものです。
つまり機械部門の技術士を目指そうとする方は機械の専門技術に通じていなければならないはずです。試験ではそうした、本来当たり前に備わっているはずの能力を確認しているということなのです。このことから、試験の戦略がいくつか浮かんできます。それは、
出題者が問題としていることはその部門の技術で解けることでしかない。
ということです。ですから、解らなくなったら専門技術の何が相当するか考えてみると答えにたどりつきます。H22年の出題例から考えてみましょう。
(1)H22建設部門、必須科目
我が国の建設産業においては、国内の公共事業投資額の減少に伴い、さらなる成長が期待される海外の社会資本整備に対する積極的な取組みが求められている。一方、国際貢献・技術協力の観点から、開発途上国などにおける社会資本整備に対する積極的な取組みも求められている。このような状況の中で、建設部門に携わる技術者の視点から、海外での社会資本整備に取り組む上での課題を3つ挙げ、その内容を説明せよ。また、これらの課題に対して今後とるべき方策について、あなたの意見をのべよ。
この問題は海外への受注拡大が迫られている現状と2重写し感じられたかと思います。工事の受注は拡大すべきだが、カントリーリスクは取りたくないというジレンマが海外工事ではあります。技術士問題は現に存在するマーケットや需要をもとに作られるから考えられやすいことです。
従って、海外での工事をどうやって受注競争に打ち勝って獲得するか、そしてリスクをどう排除するかというビジネスの事業開拓の目で問題を読みとった方が多いと思います。
しかし、ここで忘れてはならないのは。
a. 開発途上国の社会資本整備に対する取組について考える。
b. 建設技術者の視点から考える
c. 対象は社会資本整備であって、工事の受注ではない。
aは国内の問題でも同じことが言えます。国内での社会資本整備についてはいつもの予想問題です。
bは「ビジネス(経営者)」ではなく「建設(技術者)」の視点で考えるという意味ですからそう難しくはありません。
cも同じです。社会資本整備のためにできることを考えるわけであって、工事の受注は必ずしも問題としていないのです。工事の獲得とは別に整備はどうするかだけを取り上げても一向にかまわないと思います。
カントリーリスクといったような問題は付随的に当然あるかもしれませんが、それは政治的な要素が強く建設技術としては意味が薄いということです。
以上のことから、課題としては
などが相当するかと思います。
これらに対して、建設技術で何ができるかを考えていけば良いのです。
(2) H22建設部門、道路科目
道路事業の実施に当たって「整備に関る側」に立つ者は、「整備の効果や影響などを受ける側」に立つ者との関係を考慮し、必要な対応を行うことが重要となる。
あなたがこれまで関った事業において、このような対応が必要となった事例を挙げ、その内容を説明せよ。 また上記の対応を踏まえ、より円滑な道路事業を進めるために今後どのような取り組みを進めていくべきかあなたの意見を述べよ。
こちらの問題では
「整備に関る側」に立つ者
「整備の効果や影響などを受ける側」に立つ者
の二者を対比されて、さながら住民と開発事業側の対立をイメージさせます。そのような理由から、ここでのテーマが紛争解決のための諸々の手続きにあると考えた人は多いのではありませんか。
つまり道路を開発する場合、住民の反対運動によって紛糾する。その原因を解決して、和解するのが仕事になっているケースが多いかと思います。
しかし、紛争解決や、説明責任、住民の同意を得ることが「道路部門」の技術と直接関係あるとは思えません。つまり、現実のビジネス上の課題と混同すると問題を読み誤るということです。
そこで、ここでは建設技術に着目して問題を読みなおせばよいわけです。
「整備の効果や影響などを受ける(住民)側」は専ら利便性や環境保全を重視します。
一方、「整備に関る(事業)側」は、上記に加えてコストや工期まで重視します。利便性や環境保全は、コスト、工期とトレードオフの関係にあり、簡単には解決しません。
住民側は利便性や環境保全を求めるものの、コストや工期を満たす方法がわからないから、問題を解決できません。そこで、建設技術者がそういった要望をくみ取ってベストの解決方法を提案すれば良いのです。
具体的には、道路の利便性や安全性を評価し、工事によってそれらを損なわずに、改善していく、その評価や建設プロセスに建設・道路の技術を応用していけばよいのです。具体的には、
などに言及できれば良いでしょう。
つまり、現実の業務上の問題から離れて、
と考えていけば良いのです。
4. 「技術を用いて問題解決する」のまとめ
技術士試験問題では高度な技術が問われるから、たくさん暗記しなければならない、とかあるいは、専門的な経験をもとに考えなければならないと堅苦しく考えている方は多いと思います。
しかし、技術士試験はただ単に技術の専門家の技術応用のレベルを測定するだけなのです。ですからそのアウトプットとしては
専門の部門、専門の科目の技術でできることは何か
それだけが答えとなってくると思います。
逆にそうした技術以外の、ただの経験や努力、試行錯誤、政治力など技術的に意味の薄い手段的な行為は採点の対象にならないということです。
このため、あれこれプロセスを考える以外に、自分の専門の部門、科目の要素技術でできることを考えていけば答えに早くたどりつけることがあるということです。
■最近の指導より
さてみなさんは昨年の問題練習はもう済みましたか。技術士合格への道研究所の指導では、昨年の問題を解いてその答案と試験センターの評価結果を照らし合わせて、敗因分析をしております。
技術士試験で大事なことは、戦略を間違えると絶対に勝てないということです。試験で落ちたのには原因があるわけで、その自分の答案の敗因を詳しく知ることが、はっきりと勝利に導きます。
逆に試験で落ちた原因がわからないと、自己流で何回も試験を受けることになりかねません。
たくさんの方の敗因を分析して解ったことは
ということです。技術試験はどうしても専門知識の勉強に気を取られがちですが、実は考え方のほうが大事だということです。
これは実際の技術士の業務からもうかがえます。実務では技術士は、計画したり方針を立案したりする立場が多いといえます。詳細なことを直接とりおこなうのは各担当者です。このため、技術士自身は、取り決め上のことは各担当者に任せて、つまり知識とし暗記する必要はなく、一方判断や予測など「考える仕事」に集中しなければならないということです。
一方、技術試験では、まずは大きな間違いをしないように、考え方を正していくことが大事だということです。講座ではこうした方法で、練習を重ねるごとに確実に合格力を増しています。
技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町1−10−8
ワコー東日本橋マンション502
Tel 03−6273−8523
FAX050−3488−2177 ボイスメール(伝言)兼用
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メールマガジン技術士合格への道 2011年 第5回
今年こそ合格する 技術士二次試験合格講座
― 合格に必要な要件 その4 簡潔に単刀直入に述べる ―
技術士二次試験を楽勝で合格するにはどうすればよいか。技術士合格への道研究所では過去11年間、数々の指導法の研究をしてきました。その結果、昨年に引き続いて今年の合格発表でも驚異的な成果を生みました。なんと、
合格率 65%、 満足度80%
という驚異的成果を生み出しています。
技術士合格への道研究所では、「わかる指導、力の出る指導」を目指して「コンピテンシー理論+コーチング指導」を実践してきました。この一環として、日本橋セミナールーム開設や音声ファイルコーチングなどを行ってきました。
今後とも技術者としての再考の資格、技術士の能力開発の専門機関として指導法の開発に努めてまいります。ぜひご期待ください。
1.はじめに
技術士合格への道研究所では「わかる指導、力の出る指導」を目指して
コンピテンシー理論+コーチング指導
を行っています。
「コンピテンシー理論」とは高い能力を発揮している人の行動特性であり、そのような能力開発理論を応用して効果的に技術者指導を行うものです。
また、「コーチング指導」とは、論文添削だけでなく、答案の考察方法や解答姿勢、ご自分にピッタリの試験戦略を毎回口頭で解説して、かつご自身でも正しく考えられる思考力を養うものです。これらの考え方について、解りやすい動画を用意しました。
http://www.gijutsushi1.com/article/13435282.html
技術士試験の評価尺度が何かは明かされていません。一説には4つの尺度なるものが言われていますが、つまるところ有能なコンサルタントの条件に他なりません。
本マガジンでは、過去11年間の指導結果より合格に役立った本質的な考え方、「合格に必要な要件」を5回シリーズで紹介します。今回はその4回目です。
2. 合格に必要な要件とは
本研究所の講座では筆記試験後に再現答案で独自の合否判定を行っています。そして、合格発表後に見直して合否判定の尺度を修正してきました。その結果、大きく5つの要件が浮かび上がってきました。それは、
(1)出題者の意図を正しく読み取る
(2)問題分析、課題立案、対応策の提案の展開
(3)技術を用いて問題解決していること
(4)簡潔に単刀直入に述べる
(5)「知るところを述べよ」とは「知識」ではなくノウハウ
といった5項目です。今回は、「(4)簡潔に単刀直入に述べる」について詳しくご説明します。
3. 合格に必要な要件その4「簡潔に単刀直入に述べる」
技術士試験では設問ごとに試験官が要求する事項があり、それぞれの技術者の能力を表すポイントとなる事項が問われます。しかも試験であるため、採点の都合上、対象とする事項を明確にしておく必要があります。もしも、問題文の意味が何通りにも解釈できるとしたら、解が複数できてきて試験としての役目を果たしません。
逆にここから言えることは技術士試験では、ねらいとする正解が存在しており、試験官がそのことを論文中で読みとれるまでは点がもらえないということです。このため、無駄な表現は省いてできるだけ単刀直入に求められていることを書き始めるべきです。
しかし、現実にはそうできない場合が多いのです。なぜか? 前置きをダラダラ書いてしまうケースが後を絶たないからです。その理由は、
と思われるのかもしれません。しかし、そのような不要な前置きが多くなると本質的な記述が少なくなってきて、結果として物足りない論文となってしまいます。
論文の採点は読み終わった時点での印象が一つの判断根拠となり、結論がなかなか出てこない文章では物足りない不満が強まり、貧弱な印象だけが残ります。結果としてその受験者の能力は低いという評価が下されてしまうのです。
この回りくどくて悪い展開を実際の答案例から見てみましょう。
3.1 建設部門必須科目の例
(1)H22建設部門、必須科目
我が国の国土は厳しい地形・地質、気象等の条件下であることに加え、近年は社会的状況も大きく変化し、自然災害から国民の安全や生活を守ることがより一層求められている。
建設部門に携わる技術者として、社会的状況の変化に対応して防災あるいは減災対策を行う上での課題を3つ挙げ、その内容を説明せよ。またこれらの課題に対して、国民の安全をまもる観点から今後どのような取組みを進めていくべきか、あなたの意見を述べよ。
この問題の解答として次のような例を取り上げます。課題からです。
2.社会的状況の変化に対応する課題
2−1 高齢者を災害から身を守る安全対策
高齢者の増加に伴い自然災害による被災事例が多発しているため、高齢者・乳幼児や財産を守らなければならない。さらに、高齢者は居住地域の自然災害箇所や避難経路、避難場所の知らない人が多く、居住地域における避難場所等の防災情報により一層の周知徹底を図る必要がある。
2−2 社会資本の長寿命化
これまで蓄積された社会資本ストックは高度成長期に集中的に整備されてきた。その道路橋、水門など河川施設、港湾岸壁などは、20年後半分以上が築50年を越える。しかし、財政難のため既存ストックを有効に活用することが必要である。また、これまでの事後的管理は老朽化が進む社会資本ストック群に対して致命的欠陥が生じる可能性がある。
2−1について
まずここでは第一文「高齢者の増加に・・」の文は現状の問題点を表しており、実は前章の現状の問題点の内容とダブっています。第二文「さらに、高齢者は・・」の文も現状の問題点に触れています。
ここでは本来は、
高齢者を保護するために避難体制を確立する
○○を利用して避難情報を伝達する
といったような方針を課題として打ち出すべきなのです。
2−2 について
ここでも第一文「これまで蓄積・・」の文は現状の問題点を表しており、前章の内容とダブります。第三文「また、これまでの事後的管理・・」の文は、専門用語で言うと事後保全から予防保全への転換を求める内容です。
ここでは本来は、
高齢者を保護するために避難体制を確立する
○○を利用して避難情報を伝達する
といったような方針をダイレクトに書いていけば良いのです。
また維持管理の技術的な方法論として、「予防保全」や「アセットマネジメント」といった専門用語を挙げて簡潔に表現すべきです。
書くべき内容があるのに、それを取り上げないで答えにならない記述を続けていると、技術的な能力を疑われる危険性があります。それだけでなく、
「本当は答えがわからないから適当な記述でごまかしている」
と受け取られかねません。その場合は大幅減点です。
3.2 建設部門選択科目(トンネル)の例
H22建設部門、トンネル科目
都市部の土砂地山において土被り1D(D:トンネルの掘削幅)以下で施工される山岳トンネルについて、次の問いに答えよ。
(1)覆工及びインバートの設計上の留意点を2つ述べよ。
(2)施工中に問題となる可能性がある現象を2つ挙げそれぞれについて対策の概要を述べよ。
上記の問いに対して次のような解答がありました。設問(2)からです。
(2)施工中に問題となる可能性がある現象と対策
①ゆるみ領域の抑制
山岳工法の切羽は、土被りの小さい場合、外力によっては緩み領域の拡大により地盤沈下を引き起こす可能性があるため、地山の強度に応じて、トンネル断面の強度,加背割,一掘削長の設定を行う。また、通常の施工では強度が不足して切羽の崩壊が予測される場合は、補助工法を・・
というように
こちらの問題では
とか指摘していますが、これらはいずれも常識的なことです。それに工事は調査に基づいてするに決まっています。また、
・施工サイクルの効率化を図りつつ目的と状況に合致した組合せを・・
ともありますが、「効率化」も当然の目標であり、「目的と状況に合致した」も前提みたいなもので言うまでも無いことです。つまり、整理すると
と言えます。上記の例では次のように答えるべきです。
(2)施工中に問題となる可能性がある現象と対策
施工中の最大の問題として、「ゆるみ領域の抑制」を挙げ、以下に各対策工を述べる。
a)ベンチカット工法による断面安定対策
本工法での重要細目として3点を挙げる。
①掘削形状は5心円の偏平形状
②ショートベンチによる早期の断面併合
③機械掘削による低振動掘削
クラウン部の沈下が最小限に留まるように掘削形状はインバート付きの5心円偏平形状とする。この形状を更に安定させた状態で掘進する為、加背割りは上下2分割のベンチカット工法を採用し、早期の断面併合を行う。また土砂地山条件であるのでショートベンチまたはミニベンチとし、クラウン部の変位状況を見極めながら、ベンチ長の調整を行う。使用機械はブーム掘削機およびバックホウを併用し、低振動掘削で地山を極力緩めない方法とする。
4. 「簡潔に単刀直入に述べる」のまとめ
技術士試験問題では
とかよく言われます。確かに解りやすいことは大事です。しかし、解りやすい説明を目指すあまり、文字数が多くってしまって、肝心の内容がしわ寄せを食って少なくなってしまってはしようがありません。
つまり、解りやすいだけではなく、求められている必須の内容を記述しなければなりません。試験官はそうした答えの内容を文面から読みとろうとするのに、一向に答えとして有効な記述が無かったとしたら不満が残ります。「解りやすい」と「答えの内容」はトレードオフの関係なのかもしれません。
1800字の答案で、「初めに」ではともかくとして「課題」や「対策」の項でなお前置きが多いと最後のページではフラストレーションが頂点に達してしまいます。そこで、安易に説明せずに必要最小限の前置きとして、出題者の要求、つまり本題にできるだけ文字数をさいて丁寧な説明をすべきなのです。
では、どこまで解りやすく丁寧に書いて、しかもが答えの内容を詳しく書くべきか、その判断はどうすれば身に着くか・・・。これは添削を受けながら練習で学ぶしかありません。
■最近の指導より
ことこそが技術士の本質なのです。
コーチング指導の様子は次のコーチング動画で説明しています。
http://www.gijutsushi1.com/category/1491372.html
技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町1−10−8
ワコー東日本橋マンション502
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メールマガジン技術士合格への道 2011年 第6回
今年こそ合格する 技術士二次試験合格講座
― 合格に必要な要件 その5 知るところ(留意点)を述べよとは知識ではなくノウハウ ―
技術士二次試験を楽勝で合格するにはどうすればよいか。技術士合格への道研究所では過去11年間、数々の指導法の研究をしてきました。その結果、昨年に引き続いて今年の合格発表でも驚異的な成果を生みました。技術士合格への道研究所では、テクニックではない本質的なプロのコンサルタントとしての能力開発を目指して
コンピテンシー理論+コーチング指導
を実践してきました。この一環として、日本橋セミナールーム開設や音声ファイルコーチングなどを行ってきました。
今後とも技術者としての再考の資格、技術士の能力開発の専門機関として指導法の開発に努めてまいります。ぜひご期待ください。1.はじめに
技術士合格への道研究所では「わかる指導、力の出る指導」を目指しています。
「コンピテンシー理論」とは高い能力を発揮している人の行動特性であり、そのような能力開発理論を応用して効果的に技術者指導を行うものです。
また、「コーチング指導」とは、論文添削だけでなく、答案の考察方法や解答姿勢、ご自分にピッタリの試験戦略を毎回口頭で解説して、かつご自身でも正しく考えられる思考力を養うものです。これらの考え方について、解りやすい動画を用意しました。 http://www.gijutsushi1.com/article/13435282.html
技術士試験の評価尺度が何かは明かされていません。一説には4つの尺度なるものが言われていますが、つまるところ有能なコンサルタントの条件に他なりません。 本マガジンでは、過去11年間の指導結果より合格に役立った本質的な考え方、「合格に必要な要件」を5回シリーズで紹介します。今回はその5回目です。
2. 合格に必要な要件とは 本研究所の講座では筆記試験後に再現答案で独自の合否判定を行っています。そして、合格発表後に見直して合否判定の尺度を修正してきました。その結果、大きく5つの要件が浮かび上がってきました。それは、
(1)出題者の意図を正しく読み取る
(2)問題分析、課題立案、対応策の提案の展開
(3)技術を用いて問題解決していること
(4)簡潔に単刀直入に述べる
(5)「知るところ(留意点)を述べよ」とは「知識」ではなくノウハウ
といった5項目です。今回は、
「(5)「知るところを述べよ」とは「知識」ではなくノウハウ」について詳しくご説明します。
3. 合格に必要な要件その5「知るところ(留意点)を述べよとは「知識」ではなくノウハウ」
技術士試験では問題文がただ「〜について述べよ」とかあるいは「留意点」、「知るところを述べよ」といった形式となっている場合があります。試験官が何を求めているのか解らないために答えが定まらず、
とか考えて苦慮された方も多いかと思います。 しかしこれは、説明せずともその辺をくみ取って答えてもらいたいという試験官の趣旨の表れでもあります。技術士試験はプロの試験でもあるため、答えのバランスや深さも採点対象の一つです。答え方の全てを説明したら問題にならないということもあります。逆に細かい説明なしに解答すれば技術者が自然にふるまってありのままの能力が表れるというメリットもあります。
試験官としてはこのような受験者の自然な対処姿勢から、技術者の能力を把握しようとしているのです。 ここから言えることは技術士試験では、試験官が採点の尺度としているものは何かを意識して、そのことを論文中で読みとれるように表していけば良いということです。そしてそのポイントはコンピテンシーであるということです。
4. 見識問題で試験官が技術士に最も求めたい知識とは
見識問題で求められていることは次の3つと言えるでしょう。
(1)正確な知識
(2)問題解決方法に関する方法や考え方
(3)問題解決を上手に進めるためのノウハウ
このうち、(1)正確な知識 の重要性は説明不要です。専門技術の正しい情報を反映すれば良いでしょう。「(2)問題解決方法に関する方法や考え方」も難しいものではありません。選択科目ではいつも題材になっていることです。一方、「(3)問題解決を上手に進めるためのノウハウ」は意外と解りにくいようです。
問題解決を上手に進められるためには、その問題に関する専門的な経験や知見がなければできません。逆に何度も体験して痛い思いをして学んだ知見というものは、いつの場合でも役に立つものです。
そして、こうした体験から学ぶということは「体験学習」と呼ばれており、高い能力を養うための定石となっています。技術士のような専門的な職務では教科書から学ぶだけでは高度な技術を習得することはできません。なぜなら、それぞれの業務が専門的であるため教科書と呼べるものが無いからです。
このため、試験官は受験者の「ノウハウ」をチェックすることにより、自らの体験から体験学習をしているかを確かめて、専門家としての能力を判定しているわけです。
5. ノウハウの具体的な書き方
問題解決を上手に進めるのに有効なノウハウの表現方法は、次のような定型文で表現すればわかりやすいでしょう。
「経済性」などの目的には事業のいろいろな要求事項や機能項目が当てはまります。 問題によっては直接的に「留意点を述べよ」と求められる時もあります。留意点とは前提条件付きのノウハウと考えればよいので、
ここで言う「〜の場合」とは、対象するケースの経済性や品質に支配的に関係していることを取り上げるのが良いでしょう。
以上のような見識の表現方法を実際の答案例から見てみましょう。
5.1 応用理学部門選択科目(地質)の例 H21応用理学部門、選択科目問題-
次の項目について定義及び内容を解説し、応用理学部門地質科目の技術士の立場から考えるところを述べよ。
・地下水の流向流速
この問題の解答として次のような答案を書けば良いのです。答案を要約しています。
1.定義および内容・地下水の流向は、水頭が高い方から低い方へと流れる。
・地下水は飽和された地盤であっても、地下水が流れる有効な間隙がある。この間隙の割合を有効間隙率という。地下水の流速(V0)は、見かけの流速(V) を有効間隙率(ne)で除した値、V0=V/ neで与えられる。
2.技術士の立場から考えるところ
・地下水の流向流速を捉えるための試験には単孔式(流向流速計)のものと多孔式(水位測定法、トレーサー試験)のものがある。
・地下水の流向流速を的確かつ効率的に捉えるためには、地盤の粒度分布や現場透水試験から地盤の透水係数を求め、地形勾配から動水勾配を予測し、大まかな流速を想定し、単孔式、多孔式を使い分け、もしくは併用することが必要である。
・地下水の流向流速を的確にとらえることは、揚水井戸の配置や取水深度、揚水による周辺地下水の低下予測および地下水の塩水化予測、ダム基礎および貯水池周辺地山からの漏水予測、地下水汚染の範囲予測等に応用することができる。
「地下水の流向流速」など言う一般的な言葉ですが、応用理学の立場から、その定義や原理、活用法、実務的な測定法や応用の仕方を述べれば良いのです。
5.2 建設部門選択科目(コンクリート)の例
プレストレスコンクリート(PC)ついて、以下の問いに答えよ。(1)耐久性が損なわれた事例を1つ挙げ、概説せよ。(2)構造物の耐久性を向上させるための設計上の留意点と対応策について示し、今後のあるべき姿について、あなたの考えを述べよ。
この問題の解答としては次のような答案を書けば良いのです。答案を要約します。
1. PC構造物の耐久性が損なわれた事例
1−2 推定される原因 (省略)
1−3 補修・補強方法 (省略)
2. PC構造物の耐久性を向上させるための設計上の留意点と対応策
2−1 グラウト充てん対策
(1)材料:高粘性ノンブリーディング型グラウト材、ポリエチレンシース
(2)施工:流量量を自動管理する流量計の設置、真空ポンプの採用、注入後の非破壊試験による確認
2−2 塩害・中性化対策
(1)配合:水セメント比の低減、単位水量の低減
(2)設計:かぶりの増厚、ポリエチレンシース等非鉄筋シースの使用
2−3 外部からの水の浸入対策 外部から水が緊張材や鉄筋などの鋼材に到達する経路を把握し適正な遮へい対策をとる。例えば、定着部は、水が直接かからない位置に設置する。
3.PC構造物の今後のあるべき姿 PC構造物の長寿命化をはかるため、以下の材料、工法を採用する。
(1)中性化、塩害、凍結融解作用に対する抵抗性が極めて高く、引張鋼材としてはPC鋼材の使用を標準とする超高強度繊維補強コンクリート(圧縮強度の特性値150N/mm2以上)を採用する。
(2)グラウト不要のPC鋼材を採用する。湿気硬化型のプレグラウトPC鋼材やポリエチレン被覆全素線塗装型のアンボンドPC鋼材など。
ここでは「留意点」として、コンクリートの性能を左右する危害要因を塩害・中性化と定義して、それらに対して有効な「水の浸入対策」を提案しています。 そして「今後のあるべき姿」としては、必須アイテムである「繊維補強コンクリート」や「プレグラウトPC鋼材」などの専門技術を挙げています。このように、見識を求める問題では、
正しい技術情報に基づいて示す
ことなどがいつでも求められていると考えれば良いでしょう。
6. 「知るところを述べよ(留意点)とは「知識」ではなくノウハウ」のまとめ
技術士試験問題では、
とお考えの方が多いようです。技術士試験が特別高度な試験であることには違いないので、知識は正確に書かねばなりません。しかしそれは最低限、かつ一部にすぎません。暗記に頼って知識、情報を書き連ねるのにも限界があります。
技術士試験はプロのコンサルタントとしての対応能力を測る試験であるため、実際に必要とされていること、実際の仕事の品質を高められる方法が求められています。試験官はそうした答えの内容を文面から読みとろうとするので、
というように、普段からいかに上手にマネージメントしているかということを表していけば良いのです。
■最近の指導より
さてみなさんは今年の予想問題は作られましたか。技術士合格への道研究所の講座指導では、現段階では予想問題を予測して、それら解いて練習している段階です。今年の新規の出題傾向に対応した指導に入っています。
技術士試験を難しくしている要因の一つは、毎年出題される問題がわからないことです。このため問題を予測してかからなければ絶対に合格できません。しかも、その難しさは、
といった問題形式にも依存しています。こうした問題での対処方法を身につけるため、講座では、
ことをコーチングで進めています。具体的にはこれらの様子を次のコーチング動画でご覧になってください。
http://www.gijutsushi1.com/category/1491372.html
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技術士二次試験を一発で合格するにはどうすればよいか。技術士合格への道研究所では過去11年間、数々の指導法の研究をしてきました。その結果、昨年に引き続いて今年の合格発表でも驚異的な成果を生みました。技術士合格への道研究所では、テクニックではない本質的なプロのコンサルタントとしての能力開発を目指して
コンピテンシー理論+コーチング指導
を実践してきました。この一環として、日本橋セミナールーム開設や音声ファイルコーチングなどを行ってきました。
今後とも技術者としての再考の資格、技術士の能力開発の専門機関として指導法の開発に努めてまいります。ぜひご期待ください。
1.はじめに
技術士合格への道研究所では「わかる指導、力の出る指導」を目指しています。
「コンピテンシー理論」とは高い能力を発揮している人の行動特性であり、そのような能力開発理論を応用して効果的に技術者指導を行うものです。
また、「コーチング指導」とは、論文添削だけでなく、答案の考察方法や解答姿勢、ご自分にピッタリの試験戦略を毎回口頭で解説して、かつご自身でも正しく考えられる思考力を養うものです。これらの考え方について、解りやすい動画を用意しました。
http://www.gijutsushi1.com/article/13435282.html
技術士試験の評価尺度が何かは明かされていません。一説には4つの尺度なるものが言われていますが、つまるところ有能なコンサルタントの条件に他なりません。
本マガジンでは、最近の数年間の指導結果を集大成し合格に役立った本質的な考え方より、「一発合格できる体験論文」を紹介します。今回はその1回目です。
2. 一発合格できる体験論文とは
本研究所の講座では基本的に一発合格を目指しており、体験論文についても万全の態勢で添削指導を行っています。そして、過去3年くらいの指導結果より合否判定の尺度を策定してきました。その結果、大きく5つの要件が浮かび上がってきました。それは、
(1)わかりやすい業績概要(体験の広さや技術士らしさがわかる)
(2)技術士にふさわしい課題設定
(3)技術を用いた解決策
(4)鋭い結果の評価
(5)さらなる課題を追い求める専門家らしい探求姿勢
といった5項目です。今回は、「(1)わかりやすい業績概要(体験の広さや技術士らしさがわかる)」についてご説明します。
なお、これらの成果は無料セミナーで公開しております。関心ある方はぜひご参加ください。直近では、8/13に予定しております。
3. 一発合格できる体験論文その1「(1)わかりやすい業績概要(体験の広さや技術士らしさがわかる)」
技術士体験論文では、最初に業績2つについて概要を書くことになってます。概要とは何か。試験官が何を求めているのか解らないために答えが定まらず、物件概要を書いてしまったり、本文の内容の要約を書いてしまったりします。
しかし試験官はこの概要の内容を読んで、しっかり人物を評価しています。体験論文は1つの業績を詳細に検証する論文ですが、概要は2例あり、そこでは業績の幅が読みとられます。
4. 業績の概要で試験官が技術士に最も求めたいこととは
業績の概要で求められていることは次の3つと言えるでしょう。
(1) 業績が技術士にふさわしい「基本4要素」を備えていること
(2) 業績の幅が十分広い
(3)とにかく説明が解りやすいこと
以下、具体的に説明しましょう。
(1) 業績が技術士にふさわしい「基本4要素」を備えていること
技術士にふさわしい「基本4要素」とは次の4つです。
これらは、試験官が業績や受験者を評価するときのチェックリストです。試験官が採点しやすいように、それぞれきっちり表してください。
(2)業績の幅
体験論文では、最初に業績2つについて概要を書くことになってます。概要とは何か。試験官が何を求めているのか解らないために答えが定まらず、物件概要を書いてしまったり、本文の内容の要約を書いてしまったりします。
しかし本来は、技術士が備えるべき業績、すなわち、専門とする部門、専門科目の業績でなければなりません。しかも、その部門、科目のコンサルタントとなることを想定しますと、ある程度の業績の「幅」がなければ実務は務まりません。このため業績2例はある程度系統の異なるものを挙げて幅広さをアピールするのが良いでしょう。
なぜなら、まったく同じような業務を繰り返し行ってきたというだけでは、その部門、専門科目の全般についての対応は難しいものがあると思われます。
従って、メインの業績を選定したら、それとはダブらないで、かつ系統の異なる業績を挙げることが望ましいといえます。
(3)とにかく解りやすいこと
皆様は他人が書いた他人の業績がいかにわかりにくいか想像できますか。試験官が業務概要を読むとき、まず読みとる上での困難と闘っていると考えてください。
受験者は、とにかくたくさんのことを、しかもできるだけ困難な業務であったと、努力や貢献をアピールしたいところです。しかし、それをやればやるほど、文章がわかりにくくなります。
とにかく、業績で最低限表現しなければならないことは何か、と考えて絞り込むことです。
そうすると、結果は上記(1)で挙げた、業績が技術士にふさわしい「基本4要素」に収束するはずです。実際、本講座で指導を受けた全ての方はそのようなまとめ方となっており、とても整然とした導入部分を書かれています。
5. わかりやすい業績概要(体験の広さや技術士らしさがわかる)
のまとめ
技術士体験論文では、できるだけ
と書きたいところです。しかし、試験官が確認したいのは、優れた技術士が備えるべき最低限の特性です。つまりそれは
技術者コンピテンシー
と言えるでしょう。それさえきっちり読み取れればよいのです。
業務概要は、そのあとに続く詳述部分とは役割が異なり、技術者の「技術の幅」を示すものにすぎないと考えればよいのです。そうすれば技術士にふさわしい「基本4要素」を業務概要に書けばよいということが納得できるかと思います。
■最近の指導より
さてみなさんは今年の筆記試験の再現答案は作られましたか。
合格への道はまず「不合格原因」を知ることからです。
技術士合格への道研究所の講座指導は、現段階では先の土日に行われた試験の答案を採点して、答案の合否の判定や弱点の復習をしているところです。
■目的、ねらい
過去の試験での敗因を知らずして、今年の勉強の戦略は立ちません。まずは実際に何がいけなかったのか、客観的に試験官の判断を知ることです。添削では次の3つをコメントします。
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技術士二次試験を一発で合格するにはどうすればよいか。技術士合格への道研究所では過去11年間、数々の指導法の研究をしてきました。その結果、昨年に引き続いて今年の合格発表でも驚異的な成果を生みました。技術士合格への道研究所では、テクニックではない本質的なプロのコンサルタントとしての能力開発を目指して
コンピテンシー理論+コーチング指導
を実践してきました。この一環として、日本橋セミナールーム開設や音声ファイルコーチングなどを行っています。
今後とも技術者としての再考の資格、技術士の能力開発の専門機関として指導法の開発に努めてまいります。ぜひご期待ください。
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1.はじめに
技術士合格への道研究所では「わかる指導、力の出る指導」を目指しています。
「コンピテンシー理論」とは高い能力を発揮している人の行動特性であり、そのような能力開発理論を応用して効果的に技術者指導を行うものです。
また、「コーチング指導」とは、論文添削だけでなく、答案の考察方法や解答姿勢、ご自分にピッタリの試験戦略を毎回口頭で解説して、かつご自身でも正しく考えられる思考力を養うものです。これらの考え方について、解りやすい動画を用意しました。
http://www.gijutsushi1.com/article/13435282.html
技術士試験の評価尺度が何かは明かされていません。一説には4つの尺度なるものが言われていますが、つまるところ有能なコンサルタントの条件に他なりません。
本マガジンでは、最近の数年間の指導結果を集大成し合格に役立った本質的な考え方より、「一発合格できる体験論文」を紹介します。今回はその2回目です。
2. 一発合格できる体験論文とは
本研究所の講座では基本的に一発合格を目指しており、体験論文についても万全の態勢で添削指導を行っています。そして、最新の指導結果より合否判定の尺度を策定してきました。その結果、大きく5つの要件が浮かび上がってきました。それは、
(1)わかりやすい業績概要(体験の広さや技術士らしさがわかる)
(2)技術士にふさわしい課題設定
(3)技術を用いた解決策
(4)鋭い結果の評価
(5)さらなる課題を追い求める専門家らしい探求姿勢
といった5項目です。今回は、「(2)技術士にふさわしい課題設定」についてご説明します。
3. 一発合格できる体験論文その2「(2)技術士にふさわしい課題設定」
技術士体験論文では、筆記試験と違って明確な出題意図がありません。業績1つについて詳述して課題、問題点技術的提案等を書くことになっているだけです。
このため課題には何を書くべきか、試験官が何を求めているのか解らないために答えが定まらず、業務の背景を書いてしまったり、問題点を書いてしまったりする方が多いようです。
しかし試験官はこの課題の内容を読んで、技術者としての問題解決姿勢を評価しています。体験論文のメインの業績ではそうした、問題解決のプロセスを詳細に検証されて、その結果としてプロエンジニアの能力が判定されます。
4. 「課題及び問題点」で試験官が技術士に最も求めたいこととは
課題の記述で求められていることは次の3つと言えるでしょう。
(1)社会的に意義の大きい技術管理を志向しているか
(2) 問題解決のプロセスが論理的にわかるか
(3)実施したこと、考察したこと、引用したことが区別されているか
以下、具体的に説明しましょう。
(1) 社会的に意義の大きい技術管理を志向しているか
技術士の業績は、高度な技術を応用していることとか、技術応用による問題解決でなければならないとか考えられていますが、これは業務の1課程にすぎません。そうした場面、場面で技術士にふさわしい活動をするのは当然のことです。しかしそれとは別にもっとマクロな視点で社会的に意義の大きい、社会貢献につながるような技術管理を志向していることが大事なのです。
この社会的に意義の大きい技術管理とはたとえば、
ハイテク電子機器の開発による高速処理と省電力化
環境経営による企業活動の環境負荷低減
水道配管のリフォーム工事における資源循環
といった社会で求められている環境負荷低減に代表される社会ニーズに答えることに他なりません。
何故このようなつながりが必要かというと、これらは技術者に対する要求であり、逆に技術者としてはそうした社会ニーズに応える姿勢があるといことが、技術者の使命感の表れとなるからです。こうした使命感は専門家に特有のものであり、高いコンピテンシーを予感させるものです。
試験官が体験論文から読みとるのは、やったことの事実ですが、採点はそれだけではとどまらず、受験者の未来価値まで及びます。試験官はチェックリストで採点するわけではなく、論文を読みながら専門家としてのコンピテンシーを感じ取っているといってよいでしょう。そこでは、「過去に○○をした」という事実たけでなく、現在の考え方はどうで、未来にどのように行動するといったことまで推論していきます。
このような採点方法で一番大きく得点できる人は、ただ単に専門技術業務に携わっているだけでなく、さらに大きな目標を目指している方なのです。先に述べたコンピテンシーを予感させる業績はこのひとつと言えます。
このため、業績としてやったことをただまとめるだけでなく、環境負荷低減や品質高度化など社会的に意義のある活動の一環としてまとめておく必要があるといえます。
(2) 問題解決のプロセスが論理的にわかる
体験論文では、結果に対する評価と同時に、プロセスの正しさもチェックされます。結果と方法の正しさは表裏一体です。方法が良ければ結果は後からついてくるとも言えます。
このプロセスが重要視される理由は、体験業務では内容が個別すぎて、決まり切った答えがなく、結果を見ただけでは評価できないからです。個別ケースごとに仕事の判断などのプロセスを見ながら問題解決課程の正しさをチェックしていく必要があります。
このときに大事なことは、
というように論理的な因果関係で結びつけていくことです。
このようにすれば、結果とは別に論理的なプロセスが印象付けられて、どんな問題でも正しく解決できる頼もしい力を印象づけることが可能です。
(3)実施したこと、考察したこと、引用したことが区別されている
実施したこと、考察したこと、引用したことを区別することは、ストーリーを論理的に作る上で不可欠ですが、ここにはもっと戦術的な意味があります。つまり、この3つは、
というような意味合いとなっており、「実施したこと」に比べて「考察したこと、引用したこと」は、考案や解析、研究、調査などといったより創造性が高い活動として印象付けられると思います。
したがって、実施したことは簡潔に表して、考察したことや引用したことをじっくり表現することが望ましいといえます。
そのためにはこれら3つを区別して際立たせることが必要です。曖昧にしておくと、「実施したこと」の中に「考察したこと、引用したこと」が埋没してしまって、技術的貢献内容の表現が十分出来なくなってしまいます。
5. 「技術士にふさわしい課題設定」のまとめ
技術士体験論文ではやったことをあるがままに書いてはいけません。まずは、実施したこと、考察したこと、引用したことの3つに分けて整理してください。そして、それらを論理的に因果関係をつけていくことです。
そしてさらには業績が最終的に環境負荷低減など大きな社会的ニーズにつながっていることをアピールしていくことです。これによって大きな課題に向かって正しい取り組みをしている、すなわち信頼できる技術士像が定着できると思います。
■最近の指導より
当研究所の体験論文指導の問い合わせがありました。指導内容に関して誤解されている方が多いようです。実は技術的体験論文の指導内容は一般的な添削とは大きく違っています。
一般に添削指導は次の3段階に分類されます。
a 赤ペンによる数回の添削
b 同じく赤ペンによる回数無制限の添削
c 添削+コーチング(共に回数無制限)
aは従来式の指導であり、指摘のあったところだけ直す指導です。しかしこれでは部分的な文章の直しだけで根本的な修正にはなりません。このため改善には限度があります。
bはaよりは良いのですが、当初の直しが一巡するとそれ以上の改善には至りません。
そしてa、bはいずれも、今回本文で述べた
(1)社会的に意義の大きい技術管理を志向している
(2) 問題解決のプロセスが論理的にわかる
(3)実施したこと、考察したこと、引用したことが区別されている
というところまでの改善は困難と考えられます。
なぜならこのような改善を行うには階層的に小さい修正から大きい修正へ、すなわち(3)→(2)→(1)の順に段階的に行わねばならないからです。
しかも、どのような「社会的に意義の大きい技術管理を志向している」かは、何段階にも業績の意義を振り返ることで、始めてわかってくることです。つまり、論文の最終形は、単に添削の結果としてではなく、下図のような繰り返し型のルーチンによって、逐次展開式に出来上ってくるものなのです。
答案
↓
添削←←←←←┐
↓ ↑
コーチング ↑
↓ ↑
考察(探索)→┘
↓
完成
答案は、添削、コーチングの後、受講者様が新たに考察、探索して、次の段階の添削に進んでいきます。そして、その答案を、添削、コーチングしてさらにそこから受講者様が次なる段階での考察、探索を行っていく・・。この逐次サイクルを回して答案を仕上げていくことは、受講者様と講師のコラボレーションがあって初めて可能となりました。
この探索活動は、知らなかった知見を獲得していくことであり、つまり受講者様にとっての未知な領域の開拓です。講師の側から見ても、最終的な結果がどうなるかは、コラボレーションにかかっており、初期段階では結論は見通せません。
しかし、多くの方が異口同音に感想として述べられていることは、当初予想もつかなかったくらいに答案が良くなっているということです。このようなことが起因して体験論文指導過程に相当する口頭試験コースAの満足度は95%にも上っています。
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技術士二次試験を一発で合格するにはどうすればよいか。技術士合格への道研究所では過去11年間、数々の指導法の研究をしてきました。その結果、昨年に引き続いて今年の合格発表でも驚異的な成果を生みました。技術士合格への道研究所では、テクニックではない本質的なプロのコンサルタントとしての能力開発を目指して
コンピテンシー理論+コーチング指導
を実践してきました。この一環として、日本橋セミナールーム開設や音声ファイルコーチングなどを行っています。
今後とも技術者としての再考の資格、技術士の能力開発の専門機関として指導法の開発に努めてまいります。ぜひご期待ください。
1.はじめに
技術士合格への道研究所では「わかる指導、力の出る指導」を目指しています。
「コンピテンシー理論」とは高い能力を発揮している人の行動特性であり、そのような能力開発理論を応用して効果的に技術者指導を行うものです。
また、「コーチング指導」とは、論文添削だけでなく、答案の考察方法や解答姿勢、ご自分にピッタリの試験戦略を毎回口頭で解説して、かつご自身でも正しく考えられる思考力を養うものです。これらの実践を日々レポートしていますのでご覧ください。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261113.html
技術士試験の評価尺度が何かは明かされていません。一説には4つの尺度なるものが言われていますが、つまるところ有能なコンサルタントの条件に他なりません。
本マガジンでは、最近の数年間の指導結果を集大成し合格に役立った本質的な考え方より、「一発合格できる体験論文」を紹介します。今回はその4回目です。
2. 一発合格できる体験論文とは
本研究所の講座では基本的に一発合格を目指しており、体験論文についても万全の態勢で添削指導を行っています。そして、最新の指導結果より合否判定の尺度を策定してきました。その結果、大きく5つの要件が浮かび上がってきました。それは、
(1)わかりやすい業績概要(体験の広さや技術士らしさがわかる)
(2)技術士にふさわしい課題設定
(3)技術を用いた解決策
(4)鋭い結果の評価
(5)さらなる課題を追い求める専門家らしい探求姿勢
といった5項目です。今回は、「(4) 鋭い結果の評価」についてご説明します。
3. 一発合格できる体験論文その4 「(4) 鋭い結果の評価」
技術士体験論文では、筆記試験と違って明確な出題意図が示されません。このため何を書くべきか、試験官が何を求めているのか解らずに、業務の結果の評価として「問題はかった」と書いてしまったりする方が多いようです。
しかし試験官のチェックは明解です。
問題の解決を確かに見届けているか
問題解決を通して自らの知見を高めているか
自己研鑽のからも知見を得て技術士としての能力を高めているか
つまりプロエンジニアとしての一般的なPDCAの対応姿勢です。試験官はそうした能力を確かめているのです。
4. 「現時点での技術的評価」で試験官がチェックしたいことは
課題の記述で求められていることは次の3つと言えるでしょう。
(1) 問題の解決を確かに見届けているか
(2) 問題解決を通して自らの知見を高めているか
(3) 自己研鑽のからも知見を得て技術士としての能力を高めているか
以下、具体的に説明しましょう。
(1) 問題の解決を確かに見届けているか
技術士の業務は、高度な技術を応用した問題解決の場合が多く、その出来栄えは多角的にチェックされなければなりません。いわゆるPDCAのCに相当します。このとき、チェックの厳しさはその人物の能力の高さを示すことになります。
たとえば、建設工事の業績だったとして、その技術的評価が
「クレームはなかった」
「まあまあ評価出来る良い出来であった」
「私の選択は良かった」
とかいう内容であったとしたら、チェックの厳しさは感じられません。そこから、読みとれるのは、特別精度の高いチェックはしていないという甘い姿勢です。これでは技術士としてのコンピテンシーを表現できません。
ですので、「現時点での技術的評価」はとにかく厳しくチェックした悪い内容としてほしいのです。何らかの「ダメ出し」がないと意味がないと考えてください。
たとえば、このようにまとめると良いでしょう。
実施した結果をその後検証したら新たに〜という事実が判明して対策法を修正する必要が生じた。
実施した内容は、当初の目的を果たしてはいたが、その後の使用状況の変化により改善に迫られている
このように、あくまでも実施した事項についての「ダメ出し」の内容となるようにすると良いでしょう。
ここで注意すべきことは
1 実施した内容、目的について評価する
2 指示した内容以外の新しい内容について言及するのは出来るだけ避ける
3 良かったことにはあまり触れない
意外なようですが、この1は難しく、2、3に流れがちで、その場合一貫性が失われるため好ましくありません。
(2) 問題解決を通して自らの知見を高めているか
技術士の体験では、業務を行った結果として毎回、業務から学びとることが必要です。これは、技術士業務の専門性からくるものです。技術士が仕事の質を高めていくには、その専門性や個別性が高いために他人から学ぶことが困難になります。そこで、必要となるのが、自らの活動から学ぶことです。
このため、「技術的成果」では、一応の適応技術とその効果について整理しておく必要があります。つまり、今後の物件において汎用的に技術応用する際に、どのくらいの「技術」の効果が期待できるか見積もれる力を付けておくということです。
ここで注意していただきたいのは「技術的成果」というと、イコール経済効果と誤解しがちですが、それはあくまでも結果であって、真の成果ではないということです。
また、「技術的評価」においては、業績の中の失敗体験の原因を究明し、失敗を回避する留意事項として整理し、問題解決に至る工学理論や予測理論をさらに高度化する必要があります。
(3) 自己研鑽のからも知見を得て技術士としての能力を高めているか
さて「技術的評価」で失敗体験の原因を特定するような場合に必要となるのが一般的な工学知識です。それも、特定の専門領域の研究結果などです。各自の専門的な工学理論を高度化するには、比較対象となる研究例が必要であり、他の研究者の事例を参考にする必要があります。
もしもこうした知見がない場合は論理的な展開ができず、論文のまとめが非常に苦しいものとなります。最近の指導例でも受講生様が痛感されています。
http://www.gijutsushi1.com/article/14161046.html
これらを解決する簡単な方法が文献調査です。文献や雑誌記事を参考にして、そこから専門家の知見を学ぶ方法です。ご自身の業績が特殊なものであっても必ず同類の業績は誰かが手がけているはずです。その中から最も近くで、かつ自己の理論を高めるのに役立つような研究例を探してくればよいのです。
この文献調査の留意点です。
ということで、記事検索には細心の注意が必要だということです。このため本研究所の講座では記事検索のマニュアルを用意して指導を行っています。
5. 「技術士にふさわしい鋭い結果の評価」のまとめ
技術士体験論文で「技術的評価」というとほとんどの方が「まあまあ良かった」とか書きがちです。しかし、ここではPDCAにおいて鋭いチェックを行ってみることです。そうしないと技術士としての高いコンピテンシーを表現できません。
まずは自らの活動の結果に対してどのくらいの「技術」の効果が期待できるか見積もれる力を付けてください。そしてさらには業績の「ダメ出し」しておいて失敗体験からも学ぶことです。それが専門技術をさらに高めることになります。
こうした自己の知見を高める方法が文献による研鑽です。つまり他社の業績から知見を得て自らの技術士としての能力を高めることです。
ご自身の業績が特殊なものであっても必ず同類の業績は誰かが手がけているはずです。その中から業績のテーマに最も近く、かつ自己の理論を高めるのに役立つような研究例を探してくればよいのです。このような文献調査はテクニックを必要としますが、細心の注意を払えばかなりの知見が体験せずとも得られます。
■最近の指導より
当研究所の体験論文指導が着々と進んでいます。論文の形が整ってくると、論旨をはっきりさせて、考えを主張する必要が出てきます。
このため講座では、毎回、添削+音声ファイルコーチングによって、字句の直しではなく、根本的な考え方の修正を回数無制限で行っています。
受講生様自身では修正困難な場合や、特別相談されたい場合は、日本橋セミナールームで面談コーチングもしております。
水道部門のN様は面談コーチングにより短期間で完成度の高い答案修正をされました。
http://www.gijutsushi1.com/article/14161077.html
港湾部門のK様は面談コーチングの結果、文献検索を行い技術士としての高い見解をまとめられました。
http://www.gijutsushi1.com/article/14161046.html
共に体験論文の完成段階にあり、一段とコンピテンシーを高められて技術士としてふさわしい論文に到達するのに成功された例といえるでしょう。このお二人は一例にすぎません。ぜひ日本橋セミナールームでの面談コーチングをご利用ください。
技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
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